最近は、履歴書をメールで提出したり、フォーマットへ直接入力させたりする企業が増えています。
その一方で、履歴書を郵送で送るように指示する企業も少なくないでしょう。
皆さんは、履歴書の正しい郵送方法をご存じですか。
間違った送り方で履歴書を郵送すると、トラブルが生じたり、採用担当者からの印象が悪くなる可能性があります。
本記事では、履歴書の郵送の仕方を紹介します。
この記事を参考に、履歴書などの応募書類を正しく郵送できるようになりましょう
そもそも履歴書とは
履歴書とは、学業や職業の経歴など、個人の状況を記載した書類です。
就職や転職の際に、選考資料として使用されます。
独自の履歴書を作成している企業もありますが、一般的には市販の履歴書用紙に必要事項を記入し、証明写真を貼付します。
履歴書用紙のサイズは、主にB4タイプですが、A4タイプも存在します。
履歴書について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
職務経歴書との違い
職務経歴書は、自身の職務経験や実績を詳しくアピールするための書類です。
携わった業務内容や成果、強み、志望動機などを具体的なエピソードとともに記載します。
フォーマットは自由ですが、「編年体形式」、「逆編年体形式」、「キャリア形式」などが代表的なフォーマットです。
履歴書は、応募者の基本的なプロフィールを伝えるのに対し、
職務経歴書は応募する企業や職種に対して、自身の職務経験をアピールする書類です。
転職の際は、履歴書だけでなく職務経歴書を求められることがあります。
履歴書と職務経歴書は、それぞれ異なる役割を持ちます。
そのため、企業の指示がなければ両方提出するのが一般的です。
履歴書と職務経歴書は、役割が異なるため、同じ項目でも記載方法を工夫しなければなりません。
履歴書を封筒へ入れる前に確認すべきこと【7つ】
一度封筒の口を封じると、履歴書を修正できません。
そのため、完璧な状態の履歴書を履歴書用の封筒へ入れる必要があります。
ここからは、履歴書を封筒へ入れる前に確認すべきポイントを7つ紹介します。
誤字脱字
履歴書に誤字脱字があると、記載されている内容がうまく伝わらなかったり、採用担当者の印象が悪くなったりする可能性があります。
そのため、封筒へ履歴書を入れる前に誤字脱字がないか確認しなければなりません。
誤字脱字がある場合は、修正液や修正テープを使わず、最初から書き直してください。
履歴書は重要なビジネス書類です。
修正液や修正テープを使用すると、応募者に対する信頼性を欠き、採用担当者からマイナス評価を受ける可能性があります。
履歴書を作成し直す時間がない場合は、誤字に二重線を引き、訂正印を押して修正することも可能です。
しかし、二重線での修正は、あくまで最終手段であるため、可能な限り避けてください。
鉛筆を使って下書きすると誤字脱字を防げます。
下書きする場合は、必ず最後に下書きを消してくださいね!
履歴書写真
企業によっては、履歴書へ写真の添付を指示することがあります。
履歴書写真のサイズは、縦40mm×横30mmに統一してください。
写真館やスピード写真機で「履歴書用」と指定すれば、このサイズに合わせて作成してくれます。
サイズが大きい場合は、専用カッターで正確に切ってもらうと良いでしょう。
写真は、3ヶ月以内に撮影した最新のものを使用し、写真の裏に油性ペンで名前を書いておくことで、紛失時に特定しやすくなります。
写真を貼る際は、枠にきちんと収め、糊がはみ出さないように両面テープを使うと、きれいに仕上がります。
履歴書写真のルールやポイントについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
空欄
履歴書を作成する場合は、可能な限り空欄をなくしましょう。
空欄が多いと、他の応募者に比べて意欲が低いと見なされたり、採用担当者に企業分析や準備が不足していると感じさせてたりしてしまいます。
また、採用担当者は、履歴書を通じて応募者の情報を評価します。
空欄が多いと、その判断材料が不足するため、選考そのものが難しくなるでしょう。
とくに、重要な項目である志望動機や自己PRが空欄だと、入社意欲が低いと見なされる可能性があります。
できるだけ多くの情報を記入し、採用担当者に好印象を与えましょう。
西暦・和暦
履歴書には、生年月日や入学・卒業年度などを記載します。
履歴書に記載する年については、西暦でも和暦でもどちらを使用しても問題ありません。
しかし、
履歴書全体で西暦か和暦のどちらかに統一されていることをチェックしてください。
混在して使用すると、採用担当者に混乱を招き、時系列の把握が困難になります。
また、和暦を使用する場合は、元号を省略せずに正式な表記を用いてください。
「令和」を「R」、「平成」を「H」、「昭和」を「S」といった省略表記ではなく、必ず「令和」「平成」「昭和」と記載しましょう。
元号自体を記入せずに「15」と書くと、「平成15年」なのか「2015年」なのかが不明瞭になり、誤解を招くため、避けてください。
送付状
送付状とは、「誰が」、「何を」、「どれくらい」送ったかを示す書類です。
添え状と呼ばれることもあります。
採用担当者は、選考を進めるために膨大な履歴書を扱わなければなりません。
その中で、送付状は、採用担当者が差出人と内容を把握する手間を省きます。
そのため、履歴書を郵送する際には、送付状を同封することがマナーとされています。
送付状の作成ポイント
- A4サイズの用紙を1枚使用するのが一般的です。
- 送付状を作成する際は、手書きではなくパソコンで作成し、明朝体やゴシック体などの一般的なフォントを使用してください。
- 内容は、定型文だけで済ませず、応募に対する熱意を伝えるために、志望動機や自己PRを簡潔に盛り込みましょう。
- 志望動機や自己PRを記載する場合は、3〜4行程度に抑えてください。
- 送付状は、履歴書の上に重ね、採用担当者が最初に目にするように配置しましょう。
コピー
履歴書を封筒へ入れる前に、履歴書をコピーしておいてください。
面接では、提出した履歴書を基に質問されます。
履歴書のコピーを保管しておくと、面接前に書いた内容を再確認でき、質問に対する準備がしやすくなります。
これにより、面接での受け答えがスムーズになり、良い印象を与えられるでしょう。
また、過去に提出した履歴書を見直すことで、志望動機や自己PRの改善点を見つけ、次回の履歴書作成時にブラッシュアップできます。
なお、履歴書を複数の企業で使い回すと、見当違いな内容の履歴書を提出する可能性があるため注意しましょう。
クリアファイル
履歴書を郵送する場合は、書類をクリアファイルに入れてください。
クリアファイルは書類を水濡れや汚れ、折れから守る役割があります。
郵送すると、雨で封筒が濡れたり、何らかのアクシデントで書類が折れ曲がったりする可能性があります。
しかし、クリアファイルに入れておけばこれらのリスクを軽減できるでしょう。
また、クリアファイルに入れて提出することで、企業に対して丁寧な印象を与えられます。
無色透明の新品のクリアファイルを使用すると、清潔感を保ちつつ、書類がしっかりと保護されます。
履歴書郵送時の封筒マナー
履歴書を郵送する封筒には、下記のようなマナーが存在します。
白くて透けにくく、厚みのある封筒で郵送します。
履歴書を郵送する際に使用する封筒の書き方は、宛先によって異なります。
封筒を書くときのポイント
- 企業宛に送る場合:封筒の宛名には企業名の後に「御中」を付ける
- 部署名がある場合:「〇〇株式会社〇〇部御中」と記入し、「御中」を重複させないようにする
- 個人宛てに送る場合:企業名や部署名の後に「様」付ける
企業名や部署名は小さめにし、個人名を大きめにすることで、見た目を整えられます。
封筒の表面左下には「応募書類在中」や「〇〇職応募書類在中」と記入して、内容物を明示しましょう。
裏面には自分の住所と氏名を記入し、切手は真っ直ぐに貼ってください。
ペンは油性を使用し、雨で文字がにじむリスクを避けましょう。
履歴書の内容が完璧だとしても、封筒の見栄えが悪いと採用担当者の印象が悪くなることがあるため、細心の注意を払いましょう。
履歴書の郵送の仕方
ここからは、履歴書を郵送する方法を3つご紹介します。
これから履歴書郵送の準備をする方は参考にしてください。
速達
履歴書を急いで送りたい場合は、速達が最適です。
速達とは、追加料金を支払うことで、郵便物や荷物を通常よりも早く配達する郵便方法です。
通常の郵便では、発送地域や時間帯、天候などの条件により、到着日が変動することがあります。
しかし、速達は通常翌日、遅くとも翌々日には届け先に届きます。
締切日に履歴書の提出が間に合わないと、選考対象から外れる可能性がありますが、速達を利用すれば確実に期限内に履歴書を届けることができるでしょう。
特定記録郵便
履歴書の配達状況を確認したい方には、特定記録郵便がおすすめです。
特定記録郵便は、郵便物や荷物の差し出しおよび配達を記録する郵便方法です。
郵便物を差し出した記録が残り、配達状況をインターネットで確認することができます。
そのため、履歴書がきちんと届いたかどうかを簡単に追跡することが可能です。
特定記録郵便は、通常の郵便料金に加え、特定記録料金(160円)が必要です。
その一方で、受取人の受領印は不要で、郵便受けに配達されます。
これにより、企業側に受領の手間をかけずに済むため、履歴書を受け取る企業にも負担をかけません。
また、配達完了メール通知サービスが利用できるため、確実に届いたことを確認できます。
レターパック
確実に履歴書を郵送したい方には、レターパックがおすすめです。
レターパックは、A4サイズ・4kgまで全国一律料金で、信書も送れる郵便方法です。
レターパックライトは、370円で相手先の郵便受けに配達され、発送から配達までの状況をWeb上で追跡することができます。
そのため、履歴書が問題なく相手に届いたかどうかを確認することが可能です。
また、厚紙製の専用封筒を使用するため、中の書類が折れずに安心して送ることができます。
土日・祝日も含め毎日配達されるため、迅速な対応が可能です。
対面受け取りが必要なレターパックプラスもありますが、受領印が求められるため、履歴書の送付にはレターパックライトが適しています。
履歴書の郵送におけるNG行為
ここからは、履歴書の郵送におけるNG行為を3つ紹介します。
簡易書留
履歴書を郵送する際には、簡易書留の利用は避けるべきです。
簡易書留は、郵便物の受け取りから配達までの過程が記録される郵送方法です。
賠償額が5万円まで保障されますが、郵便物を受け取るためには、受取人の受領印が必要です。
そのため、郵便受けに直接配達される普通郵便とは異なり、書留郵便を受け取るために手間がかかります。
忙しい企業にとって、簡易書留の受け取りは負担となる場合があります。
また、土日や営業時間外などに配達される場合、再配達が必要です。
そのため、タイミングによっては到着が遅れる可能性もあります。
企業から特に指定がない限り、履歴書を簡易書留で送るのは避けましょう。
メール便
履歴書は、「信書」と呼ばれる文書に分類されるため、メール便で送ってはいけません。
信書とは、差出人の意思や事実を特定の受取人に伝える文書です。
メール便はポスト投函で配達されるため、受取人の確認や配達の保証がない場合が多く、信書の取り扱いには適していません。
そのため、信書は、メール便や宅配便で送ることは、法律上、認められていません。
履歴書をメール便で送ると、法的な問題はないものの、企業側からは不適切な手段と見なされ、非常識と思われる可能性があります。
直接持参
企業から履歴書を郵送するよう指示された場合、たとえ企業が近所であっても、直接持参するべきではありません。
指示された方法以外で履歴書を提出すると、企業の要求に対する理解不足や指示への不従順と見なされ、マイナスイメージを与える可能性があります。
企業の指示に従って郵送することで、応募者が指示に従い、企業のルールを尊重している姿勢をアピールできます。
履歴書を郵送する際に意識すべきこと
履歴書を郵送する準備を整えてから実際に送るまでにもいくつか気をつけるべきことがあります。
ここからは、履歴書を郵送する際に意識すべきことを3つ紹介します。これから履歴書を郵送する方は、参考にしてください。
郵送料金は不足しないようにする
切手が不適切に貼られていたり、料金が不足していると、郵便物の到着が遅れたり戻されたりします。
そのため、履歴書を郵送する場合は、郵送料金が不足していないかチェックしなければなりません。
履歴書を郵送する際、切手代は封筒のサイズと重さに基づいて決まります。
履歴書を入れる封筒は、角形A4号や角形2号を使うのが一般的です。
角形A4号や角形2号の封筒に入れると、60g〜80g程度の重さになります。
60g〜80g程度の郵便物を角形A4号や角形2号の封筒で郵送する場合、定形外郵便物として扱われるため、郵送するには140円が必要です。
定形外郵便物の規格 | 料金 |
50g以内 | 120円 |
100g以内 | 140円 |
150g以内 | 210円 |
三つ折りにして送る場合は、長形3号の封筒を使用してください。
長形3号の封筒に入れると、重さが20g〜35g程度になります。
20g〜35g程度の郵便物を長形3号の封筒で郵送する場合、定形郵便として扱われるため、94円の切手が必要です。
定形外郵便物の規格 | 料金 |
25g以内 | 84円 |
50g以内 | 94円 |
料金が分からない場合は、事前に郵便局で正確な料金を確認してください。
期日に余裕を持つ
履歴書を郵送する際には、期日に余裕を持つことが重要です。
必着とは、指定された期日までに履歴書が企業に届く必要があることを意味します。
提出期限が「20〇〇年〇月〇日必着」と指定されている場合、期日の前に確実に到着するように手配しなければなりません。
直前に発送すると、郵便の遅延や予期しないトラブルによって期日を過ぎてしまうリスクがあります。
また、郵便の配達には予想以上に時間がかかることがあるため、遅れを避けるためには早めの発送が推奨されます。
期日に余裕を持つことで、企業側に対しても余裕を持った対応を示し、書類が締め切り間際に集中することによる不利な状況を回避できます。
応募した企業へメールを送る
履歴書を郵送した後には、履歴書を郵送したことを報告するメールを送りましょう。
メールを送ることで、企業は郵送物の到着を予測でき、受け取る準備を整えやすくなります。
メールを送る場合は、
件名を「履歴書郵送のご連絡」などとし、
本文では「履歴書およびエントリーシートを本日〇月〇日付で送付いたしました。」
というように送付した日付と内容を簡潔に記載しましょう。
企業から送付依頼のメールを受け取った場合は、返信メールとして送ってください。
具体例
件名: 【応募書類送付のご連絡】[氏名]
[会社名] [担当者様]
お世話になっております。貴社に[職種名]として応募させていただいております[氏名]と申します。
本日、履歴書をはじめとする応募書類一式を[郵送方法(例: レターパック/特定記録郵便など)]にて送付させていただきました。
数日中にお手元に届く見込みですので、ご確認のほどお願い申し上げます。
お忙しいところ恐縮ですが、何かご不明点などございましたらお知らせください。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
[氏名]
[連絡先]
他の応募書類と一緒に送付する場合
履歴書と一緒に職務経歴書などの書類を送付する際は、封筒には「応募書類在中」と記載しましょう。
応募書類在中と記載することで、履歴書だけでなく、職務経歴書も含まれていることがわかります。
また、送付状(添え状)を一番上に置き、その下に履歴書、続いて職務経歴書、そのほかの応募書類があればそれを重ねる形で封筒に入れてください。
送付状は、採用担当者に対するあいさつの役割を果たし、書類の内容を把握しやすくするため、一番上に配置しましょう。
ーまとめー
履歴書を正しく郵送し、不備なく好印象を与えよう
今回は、履歴書の郵送の仕方を紹介しました。
履歴書は、企業が応募者のスキルや適性を判断するために利用される重要な書類です。
期日までに履歴書が届かなかったり、内容に不備があったりすると、他の応募者よりも選考が不利になる可能性があります。
履歴書郵送における基礎知識を身につけ、採用担当者に好印象を与えられるようになりましょう。
また、履歴書の郵送方法をはじめとした就活における悩みや疑問を抱えている場合は、就職エージェントや大学のキャリアセンターなどに相談してください。
就活の知識が豊富な第三者へ悩みや疑問を打ち明けることで、早期解決が期待できるだけでなく、ストレスも軽減できます。
また、Webテストや面接対策もサポートしてくれるため、実践的な対策が講じられるようになるでしょう。
入念な選考対策により通過率を高め、キャリアビジョンを実現させましょう。
まとめ
履歴書を正しく郵送し、不備なく好印象を与えよう
今回は、履歴書の郵送の仕方を紹介しました。
履歴書は、企業が応募者のスキルや適性を判断するために利用される重要な書類です。
期日までに履歴書が届かなかったり、内容に不備があったりすると、他の応募者よりも選考が不利になる可能性があります。
履歴書郵送における基礎知識を身につけ、採用担当者に好印象を与えられるようになりましょう。
また、履歴書の郵送方法をはじめとした就活における悩みや疑問を抱えている場合は、就職エージェントや大学のキャリアセンターなどに相談してください。
就活の知識が豊富な第三者へ悩みや疑問を打ち明けることで、早期解決が期待できるだけでなく、ストレスも軽減できます。
また、Webテストや面接対策もサポートしてくれるため、実践的な対策が講じられるようになるでしょう。
入念な選考対策により通過率を高め、キャリアビジョンを実現させましょう。