シニア向け転職術!60代から始める新たなキャリアの見つけ方

シニア向け転職術!60代から始める新たなキャリアの見つけ方

転職エージェントを利用して転職が決まる平均年齢は35歳とされています。

「35歳の壁」という言葉があるように、一般的に転職は年齢を重ねるごとに難化する傾向があります。

しかし、シニア層だからといって転職を諦める必要はありません。

厚生労働省が実施した令和2年転職者実態調査では、転職者の26.2%が60〜64歳、10.2%が65歳以上であることからも60代のシニア層に転職の可能性があることが明らかでしょう。

本記事では、60代から転職活動を始める際に自分に合ったキャリアの見つけ方などを紹介します。

年齢に関係なく、新たなキャリアを見つける方法を探りましょう!

スーツを着た4人
目次
シニアの方が悩んでいる

近年は、シニア層の転職者は一定数おり、政府も高齢者雇用の促進を目指しています。

しかし、一般的に転職は、年齢が若いほど有利とされています。

では、なぜ年齢が高くなるにつれて転職が難しくなるのでしょうか。

ここからは、シニア層の転職が難しいとされる理由を3つ紹介します。

希望年収

60歳代の転職が難しい理由のひとつは、希望年収が高いことです。

多くのシニア層はこれまでのキャリアや経験を踏まえて、現職での年収水準を維持したいと考えます。

しかし、企業側は、高齢者を採用する際、その年収に見合った業務成果を期待する一方で、年齢に伴う体力の低下やスキルの陳腐化を懸念するでしょう。

また、若手社員とのバランスを考慮し、シニア層の給与を抑制したい企業も多いため、希望年収とのギャップが生じやすくなります。

結果として、企業との交渉が難航し、採用が見送られることが増え、転職が困難になる傾向があります。

人材育成

企業は、新しい社員を採用すると、その社員が会社の文化や業務に適応するために一定の教育期間を設けなければなりません。

若手社員の場合、企業は長期的な視点で人材育成できます。

しかし、60歳代の転職者に対しては、定年や年齢を考慮すると、育成にかけられる時間が限られてしまいます。

さらに、企業は若手社員に比べて高齢者に対して投資した育成コストを回収する期間が短いと感じることが多く、人材育成に対する企業の意欲が低くなりやすいでしょう。

そのため、60歳代の求職者が企業にとって即戦力でない場合、採用を見送られる可能性が高くなります。

働ける期間

企業は、採用した人材が長期的に働いてくれることを期待しています。

しかし、60歳代の求職者の場合、定年や健康問題を考慮すると、働ける期間が若年層と比べて短いと見なされます。

企業は採用した社員に対して教育や研修に投資しますが、その投資を回収できる期間が短いと判断されると、採用がためらわれるでしょう。

また、働ける期間が短いことが原因で、企業側がその人材に長期的なプロジェクトを任せるリスクを避けたがる傾向もあります。

指差しする男性

ここからは、シニア層の転職におすすめの業界を8個紹介します。

生鮮業界

生鮮業界とは、食品の中でも鮮度が重要な生鮮食品(肉、魚、野菜など)を取り扱う業界です。

具体的な職種は以下の5つです。

肉のイラスト 精肉加工: 肉の切り分けやパッケージ化など

魚のアイコン 鮮魚加工: 魚の下処理や刺身の作成

料理 料理人: 食材を使って料理

お弁当 惣菜スタッフ: お惣菜の調理や販売

青 青果スタッフ: 野菜や果物の選別・陳列

経験を積んだシニア層は、食品の鮮度管理や加工、調理のスキルを持っている場合が多く、これらの経験を活かして転職できます。

また、生鮮食品の需要は、少子高齢化の影響を受けるものの、一人当たりの食料支出が増加していることから市場は安定しているといえるでしょう。

以上のことから、シニア層が再び活躍できる場として、生鮮業界はおすすめの選択肢といえます。


生鮮業界への転職を目指す方には、「FOOD MATCH」がおすすめです。

FOOD MATCHは生鮮業界への転職に特化した求人サイトです。

全てのサービスが無料で提供され、非公開求人が豊富に揃っています。

そのため、一般的な求人サイトでは見つからない求人情報にアクセスできます。

さらに、生鮮業界や飲食業界に精通したエージェントが、転職活動を全面的にサポートしてくれるため、経験者はもちろん、未経験者でも安心してキャリアアップを目指せるでしょう。

特に高待遇・高収入の求人が多く揃っているため、給与アップやステップアップを望む方にもおすすめです。

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清掃業界

清掃業務には、ビルやホテル、列車、依頼主の自宅などの清掃があります。

これらの仕事では、日常生活で培った掃除のスキルが活かせます。

清掃の結果が目に見えるため、仕事の達成感が得られやすく、自分の仕事に誇りを持てるでしょう。

また、清掃は感謝される機会も多く、人との接点が少ないながらも充実感を感じられます。

さらに、「ハウスクリーニングアドバイザー」や「クリーニングインストラクター」資格を取得すればキャリアアップも可能です。

製造業界

製造業界では高齢者の労働力の割合が年々増加しています。

シニア層は、若手労働者への知識伝承の役割を担い、その経験が企業の成長に寄与するでしょう。

また、製造業界は労働環境の改善に取り組んでおり、作業の自動化や柔軟な労働時間制度の導入など、シニア層が働きやすい環境が整備されています。

さらに、労働人口の減少と高齢化に伴い、製造業界ではより多くのシニア層を雇用する必要性が高まっており、シニア層にも新たな役割と機会が提供されています。

運送業界

多くの運送企業には高齢ドライバーが在籍しており、業界の重要な労働力となっています。

そのため、運送業界では高齢者が安全かつ健康に働き続けられるよう、体力や運転能力の変化に対応した柔軟な労働環境の整備が進んでいます。

高齢ドライバーの負担を軽減するための新たな配送ルートの開拓や定年延長などが具体的な事例です。

さらに、退職後も働きたい高齢者に対して新しい仕事の機会を提供するため、運送業界に特化した人材派遣事業なども誕生しています。

このように運送業界は、高齢者の豊富な経験を活かしつつ、働きやすい環境を整備し、シニア層にとって魅力的な転職先となっています。

保育業界

1990年代以降、専業主婦世帯よりも共働き世帯の割合が増え、育児と仕事の両立を目指す家庭が増えました。

また、女性の社会進出や高齢化による労働力不足により、保育所の利用者が急増しています。

そのため、保育士の需要が高まっています。

とくに、経験豊富で柔軟な対応力を持つシニア層の保育士が求められています。

保育業界では、資格がなくても保育補助として働けるため、シニア層も広いキャリアが選択できるでしょう。

教育業界

教育業界では、教師や講師としての直接的な指導だけでなく、学びに関連する様々なサービスが提供されています。

一例として、子ども向けの学習支援サービスでは、豊富な知識と人生経験を活かして子どもたちの学習意欲を高め、問題解決能力を養います。

また、大人向けの研修サポートやカルチャースクールにおいても、これまでのキャリアで培ったビジネススキルや専門知識を共有する場が多くあり、シニア層も活躍できるでしょう。

さらに、少子高齢化の影響で市場規模の縮小が懸念される中でも、教育へのニーズは依然として高い傾向があります。

教育への情熱と経験を生かし、人生の新たなステージとして教育業界に挑戦するシニア層にとって、教育業界は魅力的な選択肢でしょう。

ホテル業界

ホテル業界では、フロントオフィス、客室サービス、レストラン管理、イベント企画など、さまざまな役割があります。

それぞれに異なるスキルが求められます。

また、ホテル業界はホスピタリティ精神を重視します。

豊富な人生経験を持つシニア層が持つコミュニケーション能力やサービス精神は、ホテル業界では非常に評価されるでしょう。

さらに、多文化交流が盛んな職場環境では、シニア層が培ってきた柔軟性や適応力が大いに活かされます。

そのため、キャリアの新たな章を開く場として最適です。

税理士・会計業界

税理士や会計士は、高度な専門知識と豊富な経験が求められる職業です。

そのため、シニア層が長年培ってきたスキルや経験を活かせます。

さらに、税理士・会計業界では、経験が評価されやすく、年齢に関わらず、実力と実績によってキャリアを築くことが可能です。

また、税理士や会計士の仕事は経済状況にあまり左右されないため、安定した職業と言えるでしょう。

法律や規制の変更に対応するための継続的な学習が必要ですが、これにより常に新しい知識を得られ、知的刺激を保ち続けられます。

黒板にポイントと書いている

ここからは、シニア層が転職を成功させるポイントを3つ紹介します。

これまでのキャリアを活かす

シニア層が転職する際は、これまでのキャリアを活かせる業界や職種を選びましょう。

シニア層の転職では、豊富な経験や専門知識が大きな強みになります。

これまでのキャリアを活かすことで、企業に対する価値提案がしやすくなり、即戦力としての信頼を得やすくなるでしょう。

また、経験を活かすことで、業界内の知識やネットワークも活用でき、スムーズな転職成功につながります。

リカレント教育を始める

リカレント教育は、シニア層の転職を成功させるために有効です。

リカレント教育とは、仕事を続けながら新しいスキルや知識を習得することを目的とした学び直しの制度です。

職業能力の向上やキャリアの幅を広げるために活用されます。

シニア層がリカレント教育を受けることで、最新のビジネス知識や技術を学び直せます。

それにより、転職市場での競争力を高められるでしょう。

職パレtips
また、加齢によるスキルの陳腐化や業界の変化に対応するために、リカレント教育を通じて得た新しい資格やスキルは、転職先でのアピールポイントとなります。

さらに、リカレント教育を受けることで、今後のキャリアを自分でコントロールしやすくなり、高待遇・高収入を実現する可能性が広がります。

前向きな姿勢をアピールする

シニア層が採用選考を受ける際には、前向きな姿勢をアピールしましょう。

企業は、経験豊富なシニア層に対し、現場での柔軟性や意欲を求めています。

前向きな態度を示すことで、変化に対応し、チームに貢献する意欲を伝えられます。

これにより、企業にとって価値ある人材として評価され、転職成功の可能性が高まるでしょう。

弁護士が法律に関する本を読んでいる

現代の日本では、シニア層の雇用を促進する取り組みが進められています。

一例として、高齢者が活躍できる環境の整備を目指して制定された「高年齢者雇用安定法」の1条では、シニア層の就業機会について以下のように定めています。

この法律(高年齢者雇用安定法)は、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保の促進、高年齢者等の再就職の促進、定年退職者その他の高年齢退職者に対する就業の機会の確保等の措置を総合的に講じ、もつて高年齢者等の職業の安定その他福祉の増進を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。
引用元:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律|法令リード

政府は、高年齢者雇用安定法に基づき以下のような取り組みを進めています。

70歳未満の労働者への高年齢者雇用確保措置

少子高齢化が進む中で、高年齢者が持つ労働力を活かし、経済社会の活力を維持するために高年齢者雇用安定法が改正されました。

高年齢者雇用安定法の改正により、事業主は70歳までの就業機会を確保するための措置を講じるよう努めることが求められるようになりました。

具体的には、70歳までの定年引上げ、定年制の廃止、または継続雇用制度の導入、70歳までの継続的な業務委託契約や社会貢献事業への従事が含まれます。

高年齢者雇用確保措置は、義務ではなく努力義務です。

企業は、70歳まで働く意欲のある高年齢者のニーズに対応するため、柔軟で多様な選択肢を提供することが期待されています。

このような環境整備により、高年齢者がより長く就業できる機会が広がっています。

中高年齢者の再就職援助

45歳以上70歳未満の従業員が解雇などで離職を予定している場合、再就職を希望するなら事業主が必要な支援を提供しなければなりません。

具体的には、経済的支援、求人情報の提供や再就職のあっせん、再就職に役立つ教育訓練の実施や受講の支援などが含まれます。

これらの措置は法律で義務付けられているわけではなく、あくまで努力義務とされています。

求職活動支援書の交付

事業主は、高年齢者雇用安定法第17条に基づき、解雇などにより離職が予定されている45歳以上70歳未満の従業員が希望した場合、「求職活動支援書」を作成し、本人に交付しなければなりません。

求職活動支援書は、離職することが決まった後に速やかに作成され、氏名、年齢、性別、離職予定日、職務経歴、保有資格、技能や知識、その他再就職に有用な情報などが記載されます。

求職活動支援書は、ジョブ・カードを活用して作成することも可能であり、これにより労働者のキャリアプランや職業能力を見える化することも可能です。

ジョブ・カードを使用する場合、再就職援助措置関係シートを添付する必要があります。

求職活動支援書のテンプレートは、厚生労働省の公式HPで公開されています。

高年齢者雇用状況等の報告

事業主は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。

高年齢者雇用状況等の報告は、高年齢者雇用安定法第52条に基づき、65歳までの雇用確保措置や70歳までの就業確保措置の実施状況を把握するために行われます。

事業主は、報告書を7月18日までに提出する必要があり、記入にあたっては所定の要領に従わなければなりません。

高齢者雇用状況等報告書の提出は、紙媒体だけでなく、電子申請も可能です。

高年齢者雇用状況等の報告を通じて得られた情報は、公共職業安定所が各企業に対する適切な助言や指導に必要な基本情報として活用されます。

高齢者雇用状況等報告書のテンプレートは、厚生労働省の公式HPで公開されています。

多数離職届の提出

事業主は、45歳以上70歳未満の従業員を1カ月以内に5人以上解雇する場合、「多数離職届」を事前にハローワークに提出しなければなりません。

多数離職届は、高年齢者雇用安定法第16条に基づいており、対象となる高年齢者の離職予定日、人数、関連する情報を含めて、離職予定日の1カ月前までに届出ます。

離職日が異なる場合は、最後の離職予定日を基準にしてください。

届出を怠ると、事業主は過料の対象となる可能性があるため、法令に従って適切に対応することが求められています。

多数離職届のテンプレートは、厚生労働省の公式HPで公開されています。

有期雇用労働者の無期転換申込権の特例

有期労働契約が通算5年を超えて更新された場合、労働者は無期労働契約への転換を申請する権利を得ます。

しかし、高度な専門知識を持つ労働者や定年後に再雇用される労働者については、特定の条件と手続きを満たす場合に限り、この申込権が発生しません。

この特例は、これらの労働者がその能力を最大限に発揮できるよう、事業主が適切な雇用管理を実施することを求めています。

特例の適用には、計画の作成と労働局長の認定が必要です。

ぐーの手をした男性
オッケーの手をした女性

今回は、60代から転職活動を始める際に自分に合ったキャリアの見つけ方などを紹介しました。

60歳代のシニア層は、豊富な経験と知識を活かし、企業に安定感や深い洞察を提供できます。

また、長年の経験が新しい視点や価値をもたらすため、シニア層の存在を重宝している業界や職種も少なくありません。

年齢が原因で転職活動が上手く進んでいないという方は、転職エージェントにご相談ください。

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男性と女性

今回は、60代から転職活動を始める際に自分に合ったキャリアの見つけ方などを紹介しました。

60歳代のシニア層は、豊富な経験と知識を活かし、企業に安定感や深い洞察を提供できます。

また、長年の経験が新しい視点や価値をもたらすため、シニア層の存在を重宝している業界や職種も少なくありません。

年齢が原因で転職活動が上手く進んでいないという方は、転職エージェントにご相談ください。

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