今の職場から転職したいと思っても、転職先が決まる前に退職するのはなかなかハードルが高いものです。
中には、今の職場で働きながら転職活動することを検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、働きながらの転職活動について、詳しく解説していきます。
在職中に転職活動を成功させるための戦略をしっかり押さえよう!
働きながら転職するメリット
まずは、働きながら転職活動するメリットを見ていきましょう。
主なメリットは次の4つです。
経済的な不安が少ない
働きながら転職活動をする大きなメリットは、経済的な不安が少ないことです。
もちろん、仕事を辞めてから転職しても、失業保険を受けることができるので、収入がゼロになることはありません。
しかし、もらえる金額は当然在職中と比べて少なくなる上、受給できる期限もあります。
転職活動中も今の仕事を続けることで、安定した収入を保つことができ、不安も少なくなります。
職歴に空白期間ができない
一度仕事を辞めてから転職活動をすると、職歴に空白期間ができてしまいます。
これは経歴としていつまでも残ってしまうため、転職先がなかなか決まらずブランクが長くなると、次回以降の転職にも響く可能性があります。
働きながらの転職活動では、ブランクができる心配もありません。
途中で転職をやめることもできる
転職先が決まる前に仕事を辞めてしまった場合、もし転職活動が上手くいかなくても、途中でやめることはできません。
場合によっては、前職よりも条件の悪い仕事に就職することになってしまうかもしれません。
一方働きながら転職した場合、今より条件の良い仕事が見つからなかったら、転職をやめて今の会社で働き続けるという選択肢を残せます。
家族からの理解を得やすい
一度仕事を辞めるとなると、家族にも大きな負担がかかります。
特にパートナーが正社員ではなかったり、子供がいたりすると、転職のために仕事を辞めるというのは、なかなか理解を得にくいでしょう。
今の仕事を続けながらより条件の良い仕事を探す、ということであれば、家族からも理解してもらいやすくなります。
働きながら転職するデメリット
今の仕事を続けながら転職活動をすることは、精神面や経歴面、経済面で大きなメリットがあります。
その一方で、一度仕事を辞めてから転職活動をする人も一定数います。
働きながらの転職活動にはさまざまなデメリットもあるからです。
主なデメリットは次の2つです。
ハードスケジュールになる
働きながら転職活動をする場合、基本的には仕事以外の自由時間を就職活動に充てることになります。
休日も面接や準備で予定が埋まってしまうでしょう。
趣味や休息の時間がなかなか取れず、ストレスが溜まってしまう人も多くいます。
次の仕事を始めるまでに時間がかかる
仕事を辞めてから転職活動をする場合、希望の会社から内定をもらえれば、すぐにでも働き始めることができます。
しかし、内定が出てから今の職場を辞職する場合、退職するまでには時間がかかります。
退職の意思を伝えてから実際に退職できるまでには、法律では2週間と定められていますが、多くの場合会社の就業規則で1〜3ヶ月とされています。
また、会社によってはしつこく引き止められてトラブルになってしまうこともあるようです。
いずれにしても、内定が出た時点で働いている人は、そうでない人よりも次の職場で働き始めるまでにどうしても時間がかかります。
そのため、急募の求人では既に退職している人が優先される傾向にあります。
働きながらの転職はこんな人におすすめ
働きながらの転職活動には、メリットとデメリットの両面があります。
一度仕事を辞めてから転職活動をする方が上手くいく人もいるでしょう。
それでは、自分はどちらを選べばいいのか、と迷う方も多いと思います。
一般的に、働きながらの転職がおすすめなのは次のような人です。
若い人
新卒入社してから間もない若い人の場合は、ブランクを作らないためにも働きながら転職することがおすすめです。
最初の仕事を始めてからすぐに無職の期間があると、「仕事が長続きしない人」という印象を持たれてしまいがちだからです。
管理職に転職したい人・40代以上の人
管理職などの求人は、採用基準が厳しく、数も少ない傾向にあります。
そのため、管理職への転職は難易度が高く、長期化する可能性があり、仕事を辞めている状態では大きなプレッシャーになってしまうでしょう。
また、特に管理職を望んでいない人であっても、40代を超えるベテランの方の場合、管理職以外の求人は年齢制限で応募できなくなってきます。
40代以上では今の職場でそれなりの待遇になっている人も多く、それよりも条件の良い仕事に転職することも難易度が高いでしょう。
いきなり仕事を辞めてしまうのではなく、少なくともある程度めどが立ってから退職するのが無難です。
貯金が少ない人
転職のために退職する場合、基本的に自己都合での退職となります。
その場合、失業保険の支給開始までに9週間ほどの時間がかかります。
そのため、退職してから転職活動をするには、少なくとも9週間分の生活費を確保しておく必要があるのです。
また、失業保険の支給が始まった後も、支給額はもとの給与の5〜8割となります。
十分な貯金がない人や、今の給与でも貯金するだけの余裕がない人は、転職のために仕事を辞めてしまうと経済面で苦しくなってしまうでしょう。
扶養家族がいる人
扶養家族がいると、転職前に必要な貯金もその分多くなります。
また、もし転職が上手くいかなかったら…というプレッシャーも大きくなるでしょう。
共働きのパートナーがいる場合は金銭面を助けてもらうことができるかもしれませんが、そうでない場合は働きながらの転職がおすすめです。
今の職場に大きな不満がない人
今の職場でハラスメントがある場合や、労働時間が長すぎる場合など、職場環境に大きな不満や問題がある場合は、転職先が決まる前に辞めるのももちろん一つの手です。
そのような職場では、忙しすぎたり休みが取れなかったりして、転職活動が思うように進まなかったり、転職活動がばれた場合にトラブルになったりする場合も多いようです。
しかし、職場に特に問題がない場合は、仕事を上手くやりくりしながら転職活動を進めることができるでしょう。
プレッシャーに弱い人
仕事を辞めてから転職活動をする場合、経済的な不安やプレッシャーが大きくなります。
もらえる失業保険は働いていた時代より少なく、基本的に貯金を切り崩しながらの生活になるでしょう。
また、失業保険には受給できる期限もあります。
このようなプレッシャーが上手く働いて、転職活動を頑張れるタイプなら良いのですが、プレッシャーに耐えられず、転職先を慌てて決めてしまって後悔する人もいます。
このようなタイプの場合、今の職場というセーフティーネットがある環境の方が、転職が上手くいきやすいでしょう。
働きながら転職活動する時のよくある失敗
ここからは、働きながら転職活動をすることを決めた人に向けて、転職活動のコツや方法を紹介していきます。
まずは、働きながらの転職活動で気をつけるべき、よくある失敗を見ていきましょう。
会社にバレてトラブルになる
働きながら転職する大きなメリットのひとつは、今の会社が転職活動が失敗した際のセーフティーネットになるということです。
しかし、そのためには転職先が決まるまで、今の会社には知られないようにした方が無難です。
また、転職活動がバレてしつこく引き止められてしまうこともあるようです。
自分から転職を伝えなかったとしても、転職活動のために頻繁に休んだりと、転職活動の方を優先しすぎると、そこから知られてしまう可能性があります。
また、会社の端末やアドレスを転職活動に使ってしまうというミスもありがちなので注意しましょう。
転職活動の期間がダラダラと長引いてしまう
退職してからの転職活動では、良くも悪くも「早く次の仕事を決めなければ」というプレッシャーがかかるので、転職活動に力を入れることができます。
しかし、働きながら転職活動をしている場合、もし転職活動が長引いたとしても、今より状況が悪化することはありません。
そのため、今の仕事が忙しくて時間が作れないことを言い訳にしてしまったり、転職先の企業の理想を追求しすぎてなかなか決まらなかったりと、転職活動の期間が長引いてしまいがちです。
転職活動と仕事を両立するには
働きながら転職活動することはメリットもたくさんありますが、上で見たように失敗してしまう人もいます。
その主な原因は、転職活動と仕事を上手く両立できていないということにあるでしょう。
ここでは、転職活動と仕事を両立させるコツを7つ紹介します。
転職までの期限を決める
働きながらの転職活動でよくある失敗として、転職活動がダラダラと長引いてしまうことを挙げました。
特に今の職場に大きな不満がない場合は、つい怠けてしまいがちになります。
それでも転職を成功させるためには、自分で期限を定めることが有効です。
|「1年以内に転職する」などのタイムリミットを決め、そこから逆算して、いつまでに何をするのか目標を立てましょう。
複数の求人に応募する
特に働きながらの転職活動では、忙しくなることも考えて、良い企業から順番に一社ずつ応募して進めていこうと考えている人もいるかもしれません。
しかし、そのようなやり方はあまりおすすめしません。
理想的な企業はそれだけ採用基準も厳しい場合が多く、なかなか転職先が決まらなくなってしまうかもしれません。
また、選考中に見えてくるものもあり、進めていく中で志望順位は変わるかもしれません。
選考を同時進行すると確かに忙しくなりますが、応募書類をまとめて作成したり、休日に複数の面接を受けたりと、効率化できる部分もあります。
|複数企業の選考を並行して進めることで、より早く、自分に合った転職先を見つけられる可能性が高まるのです。
Web面接を実施している企業を探す
特にコロナ禍以降、Web面接や説明会を取り入れている企業が増えてきました。
|働きながらの就職活動では就活のための時間の確保が課題になりますが、オンラインを活用することで、スケジュールの調整がしやすくなります。
基本的に現在の仕事を優先する
働きながらの場合は、あくまでも現在働いている職場に配慮して転職活動をしましょう。
もちろん、面接のために有給休暇などを取得するなど、現在の仕事をセーブする必要も出てくるものです。
しかし、自分の転職活動を最優先にしてしまうと、今の職場に迷惑がかかってしまうことがあります。
これが原因で職場での印象や人間関係が悪化すれば、もし転職活動が上手くいかなかった場合でも、職場に残りづらくなってしまうかもしれません。
これでは、せっかく働きながら転職活動をしたメリットも半減してしまいますよね。
|休暇取得の時期を繁忙期と被らないようにするなど、現在の職場のスケジュールに合わせる形で転職活動の予定を調節することが大切です。
転職エージェントを活用する
働きながらの転職活動では、実現可能な計画を立て、スケジュールを調節し、時間をやりくりしながら就活の準備・エントリーを行うことになります。
これを1人で実行していくのはなかなか難しいですよね。
キャリアアップのためにも転職したいけど、1人でやるとどうしても怠けてしまう…
スケジュール調整や企業選びをちゃんと1人でできる自信がない…
という方は、転職エージェントの活用を検討してみましょう。
転職エージェントは、職務経歴書などの応募書類の作成、模擬面接などの面接対策、スケジュール調整などをサポートしてくれます。
忙しい中で転職活動を進めなければならない方には、大きな助けになるでしょう。
また、就職・転職エージェントは、企業の内部情報や選考過程に精通しており、求職者に最適なアドバイスを提供してくれるでしょう。
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情報収集を効率化する
転職活動は、工夫次第で情報収集にかかる時間を削減することができます。
例えば、複数企業が参加する転職イベントや合同説明会に参加することで、様々な企業の情報を一度に収集できます。
|また、自分の経歴や企業に求める条件を登録することでスカウトを受け取れる転職サイトを利用するのもおすすめです。
休日に面接の予定を固める
企業の情報収集や応募書類の作成などは、平日の夜などを活用して好きな時間に行えますが、面接となると当然そうはいきません。
応募先の企業と相談して、仕事が休みの土日などに面接の日程を調節してもらったり、場合によっては有給休暇を取得して休みを作る必要があります。
|複数企業の選考を同時進行で進めていくことで、貴重な休日に面接の予定を固め、なるべく今の仕事に影響が出ないように転職活動を進めることができます。
働きながら転職する時の流れ
最後に、働きながらの転職活動のやり方を具体的に解説していきます。
次の会社に内定をもらってから退職する場合、次のステップで転職活動を進めていくことになります。
会社の就業規則を確認する
上でも説明した通り、多くの会社は退職の1-3ヶ月前に退職を申し出るように、就業規則で定めています。
特に3ヶ月となると転職先が求める入社時期よりも長くなってしまう場合があり、転職先との相談など、工夫する必要が出てきます。
もちろん、法的には2週間前に申し出れば退職できるので、就業規則に従わず2週間で辞めても違法ではありません。
しかし、引き継ぎなどの関係でもとの会社に大きな迷惑をかけてしまうことになります。
転職先の企業の条件を可視化する
まずは何のために転職したいのかを明確にしましょう。
収入を増やしたいのか、今の会社ではできないやりたいことがあるのか、など、目的によって転職先の企業の選び方は変わってきます。
なんとなく今の会社ではダメだ、という漠然とした気持ちで転職してしまうと、次の会社でも結局ミスマッチが起きてしまう可能性があります。
逆に、転職先の企業の理想が高すぎるとなかなか転職できなくなってしまいます。
転職の目的を明確にしたら、その優先順位を考えましょう。
絶対に譲れない条件と、妥協しても良い条件を決めることで、転職先のミスマッチを防ぎつつ、いつまでも転職先が決まらないという問題も発生しにくくなります。
自己分析する
新卒の時にもやったことだと思いますが、就職活動では自分に合った企業を選ぶためにも、面接などで自己PRをするためにも、自己分析・自己理解が大切です。
社会人として経験を積んだ今、改めて自分の能力やこれまでの経験を分析しましょう。
応募する企業を決める
転職先の企業の条件や自己分析の結果をもとに、応募する企業を決めましょう。
新卒の就活と同じように、理想的な企業だけでなく、妥協してもよい条件は妥協して、複数の企業に応募しましょう。
ただしSTEP1で考えた、「絶対に譲れない条件」は最低限満たしている企業を選ぶことが大切です。
企業に応募し、選考を受ける
応募する企業が決まったら、履歴書や職務経歴書を作成してエントリーします。
そして、書類選考を通過したら、面接日を調整しましょう。
働きながらの転職活動では、休日や有給休暇などの際に、1日に複数社の面接を受けるのもひとつの手です。
中途採用では新卒と比べて即戦力を求める傾向にあります。
応募先の企業が求める人物像を把握し、自分のこれまでの経験やスキルをアピールすることが大切です。
引き継ぎと退職手続き
希望の企業から内定がもらえたら、直属の上司に退職を伝えましょう。
その後、退職日を決め、退職手続きと引き継ぎを進めることになります。
マナーを守って上司としっかり話し合い、最後まで責任を持って働くことで、円満に退職することができます。
ーまとめー
働きながらの転職は計画的に進めよう
働きながらの転職活動には、経済的な安定や職歴に空白ができないなどのメリットがありますが、計画的な進行が鍵となります。
デメリットを理解し、効率的に進めることで、より良い転職を目指しましょう。
本記事を参考に、自分に合った方法で成功をつかんでください。
まとめ
働きながらの転職は計画的に進めよう
働きながらの転職活動には、経済的な安定や職歴に空白ができないなどのメリットがありますが、計画的な進行が鍵となります。
デメリットを理解し、効率的に進めることで、より良い転職を目指しましょう。
本記事を参考に、自分に合った方法で成功をつかんでください。