就職活動の面接は、人生でそう何度も経験するものではありません。
その一方で、面接中のマナーは選考にも関わってくる重要なものになります。
これから面接を控えている方は、面接中のマナーがしっかりできるかどうか、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、面接の際に必ず押さえておくべき基本的なマナーを、面接の流れに沿って解説していきます。
面接マナーをマスターして、自信を持って面接に臨みましょう!
受付・待機の仕方
まずは、面接会場に到着してから面接までの受付・待機について解説していきます。
面接では、面接室で面接官と話す時間だけでなく、その前後でも基本的なマナーを守ることが大切です。
特に次のようなポイントに注意しましょう。
到着時間は早すぎず・遅すぎず
面接会場への到着時間は、面接開始時間の5〜15分前になるようにしましょう。
遅刻しないというのは当たり前ですが、面接をする会社側の準備の都合などもあるため、あまりにも早い時間に到着すると迷惑をかけてしまう可能性があります。
交通機関の都合などで、余裕を持って到着するとどうしても早い時間になってしまう場合は、面接会場周辺のカフェなどで時間を潰しましょう。
身だしなみを整える
面接会場に入る前に、身だしなみの最終チェックを行いましょう。
面接会場の中で身だしなみを整えていると、面接官の目に入ってしまう場合があります。
最終チェック!
- スーツや髪型の乱れを整え、ネクタイ・ボタンの締め忘れがないかの確認をする
- 携帯電話の電源を切って鞄にしまっておく
- 冬場でコートやマフラーを着用している場合は、面接会場に入る前に脱いで鞄と逆側の腕にかけて持って持って入る
受付で挨拶する
受付では、
本日⚪時に〇〇様と面接の約束をさせて頂きました。〇〇と申します。
と、用件を伝えましょう。
受付に人がいない場合は、インターホンや内線電話で呼び出す場合もあります。
その場合の手順については、企業から事前に連絡が来ている場合が多いので、必ず確認しておきましょう。
担当者の方が来るまでは、姿勢を正して待ちます。
担当者の方が来たら、改めて
本日⚪︎時に面接の約束をさせて頂きました。〇〇と申します。よろしくお願いいたします。
と挨拶し、お辞儀をしましょう。
この時、受付の方などから指示があり、椅子に座っていた場合は、必ず立ち上がってから挨拶することが大切です。
担当者の指示に注意する
担当者の方から、面接までの待機場所や手荷物について指示があることがあります。
正しく指示に従えるよう、担当者の方から話があった場合は注意して聞くようにしましょう。
入室の仕方
次に、面接室に入室する際のマナーを解説します。
就職活動の面接では、面接官が待機している部屋に自分が後から入室する場合と、自分が先に面接室に案内され、面接官が後から入室してくる場合があります。
自分が後から入室する場合
まずは、自分が後から入室する場合について見ていきましょう。
この場合、入室のおおまかな流れは以下の通りです。
- 荷物がある場合は、ノックをしない方の手で持つようにします。
- ドアがない場合でも、入室の許可を求めるという意味でノックをするのが無難です。
- 日本企業ではノックの回数は3回が一般的ですが、世界基準では4回がマナーとされているため、外資系の企業の場合は4回ノックしましょう。
- 集団面接などで自分の前に人がいる場合、一番前の人が開けたドアから入室することになるため、ノックは不要です。
- 面接官からの返事が聞こえたら、「失礼いたします。」と言ってからドアを開けましょう。
- 部屋に入ったら、ドアの方を向いてドアを閉めます。
後ろ手でドアを閉めるのはマナー違反です - ドアが完全に閉まるまで手を添えて、静かにドアを閉めるようにすると丁寧な印象になります。
- 集団面接では、前の人が開けたドアから「失礼致します。」と言った後に入室し、最後の人がドアを閉めます。
ドアを閉めたら面接官の方を向き、目が合ったタイミングで「〇〇と申します。本日は面接の機会をいただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。」と言ってから、深くお辞儀をしましょう。
挨拶とともに必ずフルネームを名乗ることが大切です。
- 挨拶をした後、椅子の横まで歩き、立ったまま面接官の指示を待ちましょう。
- 会議室などの場合で自分の席がどこかがわからない時は、下座へ向かうのがマナーです。
- 面接官に「どうぞ」と言われたら、「失礼いたします。」と言った後、軽くお辞儀をして着席します。
- 鞄を持っている場合、椅子の横に置くか、椅子の脚に立てかけましょう。
自分が先に入室する場合
次に、自分が先に入室する場合のマナーを見ていきましょう。この場合、入室の流れは次の通りです。
- 会場へ到着すると、案内係の方が部屋まで案内してくれます。
- 部屋に着いたら、案内係の方に「ありがとうございます。」と言ってから入室しましょう。
- 部屋に入ったら、椅子の横へ立ちましょう。
- 案内係の方が「おかけになってお待ちください。」と言ってくれる場合が多いので、その場合は着席して大丈夫です。
- 特に指示がない場合は、そのまま立って待ちましょう。
- 面接官が入ってきたら、自分から「〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。」とフルネームを名乗って挨拶し、お辞儀をします。
- 着席している場合は、必ず立ち上がってから挨拶するようにしましょう。
面接中の座り方
面接中は、座る姿勢にも注意しましょう。
次のポイントに注意すると、綺麗な姿勢に見えます。
- 椅子に深く腰掛けない
- 背もたれにもたれない
- 背筋を伸ばし、あごを引く
最初は綺麗な姿勢で座れていても、慣れていないとだんだん崩れてきてしまうものです。
特にひどい猫背が癖になっているなど、普段の姿勢が悪い方は、面接までの間に普段から綺麗な姿勢を心がけておくと良いでしょう。
退室の仕方
面接中に話している中で、緊張もほぐれてくることが多いものです。
しかし、その分退室時のマナーがなおざりになってしまう人も少なくありません。
面接官にいい印象を残せるよう、最後まで緊張感を保つことが大切です。
退室は次のような流れで行いましょう。
- 面接が終わったら、まずは「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。」と、お礼の挨拶をして、お辞儀をします。
- その後立ち上がって椅子の横で深いお辞儀をしてから、ドアの前に向かいましょう。
- ドアの前で面接官の方へ向き直り、「失礼いたします。」と言った後、もう一度深いお辞儀をしましょう。
- 最後に面接官と目を合わせてから、ドアを開けて退室します。
退室後に面接官が見送ってくれる場合
特に中途採用の面接などでは、面接官が出口やエレベーターまで見送ってくれる場合があります。
その場合、次のような流れになります。
- ドアを開けてくれた面接官に続いて部屋を出ましょう。
面接官が見送ってくれる場合、立ち上がって退出の準備ができると、面接官がドアを開けてくれることが多いようです。 - 他の面接官が部屋に残っている場合は、通常の退室時と同じように、一度部屋に残った面接官の方へ向き直って挨拶しましょう。
- 部屋を出たら、面接官の少し後ろを歩きます。
短い間のことなので、面接官から話しかけられない限り、無理に会話をする必要はありません。 - 他の社員とすれ違った時は、軽く会釈するようにしましょう。
出口やエレベーターに到着したら、別れる前にもう一度お礼を言います。
面接官の方に改めて向き直り、「本日はありがとうございました。」と挨拶しましょう。
面接中の注意点
面接官は、面接時のマナーで社会人としての基本スキルや第一印象を見ています。
このような観点から考えると、マナーとして教わる手順の他にも、様々な点で注意が必要ということがわかります。
面接官に良い印象を与えるために、次のようなことに注意しましょう。
お辞儀と言葉を被せない
面接中には、挨拶の後にお辞儀をするタイミングがよくあります。
普段の生活では、挨拶をしながらお辞儀をすることも多いと思いますが、面接中はしっかりと言葉を言い終わってからお辞儀をするのがマナーです。
落ち着いた動作をする
「お辞儀と言葉を被せない」にも通ずることですが、面接中は一つ一つの動作を落ち着いて丁寧に行うようにしましょう。
動作が早すぎると、「落ち着きがない人」など、悪い印象を持たれてしまう可能性があります。
また、ゆったりとした動作を心がけることで、緊張も落ち着いてくるものです。
|入室時のノックなども、ゆっくりと3回ノックするようにしましょう。
笑顔で明るくはきはき喋る
いくらマナーがしっかりしていても、ずっと無表情になっていたり、声が小さすぎたりすると、無愛想で話しにくい、コミュニケーション能力が低い、といった印象になってしまいます。
マナーをしっかり守った上で、表情や話し方にも気をつけましょう。
面接官と目を合わせて話す
これもコミュニケーション能力を示すためのポイントですが、面接官が話している時や答える時に、相手の目を見ることが大切です。
常に目を合わせていなくてはいけないわけではありませんが、全く目を合わせないと自信なさげな印象を与えてしまうことになります。
|どうしても目を合わせて話すのが苦手な人は、口元や眉間を見るようにすると良いでしょう。
最後まで態度を変えない
最初はしっかりとマナーを守れていても、緊張がほぐれていくとだんだんボロが出てしまうことがあります。
面接官は、面接中の応募者の態度の変化も注意して見ています。
特に、面接が終了した後の退室時のマナーや、退室後に気が抜けて失敗してしまう人は多いようです。
退室までしっかりと流れを守り、退室した後も、会場を出るまではスマホを触るなど、不必要な行動をしないように注意しましょう。
また、少しくらい緊張が解けてしまっても失礼な態度を取らないよう、普段から言葉遣いや行動に気を遣っておくことも大切です。
こんな時どうする?面接中のトラブルシューティング
面接前には、入退室の基本的な流れをスムーズに行えるよう、練習して行くことが大切です。
しかし、面接では想定していた流れにはないことが起こる場合もあります。
そんな場合にも慌てず対処できるよう、よくある想定外の状況とその対処法を紹介します。
入室時、ノックをしたのに返事がない
入室する際には、ノックの後に面接官の返事を待ってから入室するのが基本です。
しかし、稀に面接官の返事がなかなか聞こえてこないこともあります。
この場合、まずはノックや面接官の返事が聞こえなかったという可能性を考え、もう一度3回ノックしてみましょう。
それでも返事が聞こえない場合は、「失礼します。」と言ってから入室します。
面接官に名刺を渡された
一般的な面接の流れでは、面接官に名刺を渡されることは想定されていません。
しかし、面接開始前に面接官が名刺を渡す会社もあります。
この場合、自分の名刺を差し出す必要はありませんが、名刺の受け取りのマナーには注意しましょう。
名刺の受け取りマナー
- 名刺を渡されたら、「ありがとうございます。」とお礼を言い、丁寧に両手で受け取ります。
- 面接官との間に机がある場合は、その場で受け取るのではなく、机を挟まないように面接官の隣に移動してから受け取りましょう。
- 受け取った名刺は、机などがある場合は机の上に並べましょう。
- 一番役職が高い方の名刺は自分の名刺入れの上に置くと丁寧です。
- 机がない場合は、名前をしっかり確認してから名刺入れへ入れましょう。名刺をもらった以上、面接官の名前を把握しておくことが大切です。
遅刻してしまった
遅刻は絶対にしてはいけませんが、交通機関の都合などでやむを得ず遅れてしまう場合もあるかもしれません。
万が一面接の時間に間に合わない場合は、それがわかった時点で電話連絡をしましょう。
遅刻連絡の電話マナー
- 当日の遅刻連絡では、メールでの連絡はNGです。
遅刻のような緊急の連絡を、すぐに確認しない可能性のあるメールで連絡するのは非常識だと思われてしまう可能性があります - 電話連絡では、謝罪と共に遅れる理由を伝え、面接時間の変更をしてもらいましょう。
- 会場に着いたら、受付の時から、「〇〇により、本日⚪︎時の面接を⚪︎時に変更させていただきました。〇〇と申します。遅れてしまい大変申し訳ありません。担当者の〇〇様をお願いいたします。」
と遅刻に対する謝罪をしましょう。
防寒具が多くなってしまった
冬の寒い時期では、防寒具をたくさん身につけて行くこともあるでしょう。
その場合、面接会場での防寒具の扱い方のマナーにも気をつける必要があります。
基本的には、スーツ以外の防寒具は会場に入る前に脱いで軽くたたみ、鞄と逆側の腕にかけて持って入るのがマナーです。
ーまとめー
面接マナーを守り、落ち着いて良い印象を与えましょう
面接マナーは、社会人としての基本を示す重要な要素です。
入退室や面接中の振る舞いをしっかりと理解し、緊張を乗り越えながらも落ち着いて行動することが大切です。
この記事を参考に、万全の準備で面接に臨み、良い印象を与えられるよう心がけましょう。
まとめ
面接マナーを守り、落ち着いて良い印象を与えましょう
面接マナーは、社会人としての基本を示す重要な要素です。
入退室や面接中の振る舞いをしっかりと理解し、緊張を乗り越えながらも落ち着いて行動することが大切です。
この記事を参考に、万全の準備で面接に臨み、良い印象を与えられるよう心がけましょう。