【育休中の転職】円滑に進めるためのステップと注意点を徹底解説

出産・育児による生活環境の変化や復帰後の職場での待遇の変化など、様々な理由から育休中に転職したいと考える女性は多いと思います。しかし、育休中の転職には障害も多々あり、よく準備していないと失敗に終わってしまうことも少なくありません。この記事では、育休中の転職を成功させるために、次のようなポイントで解説していきます。

この記事のポイント

  • 育休中の転職は違法か?
  • 転職すべきかどうかの判断基準
  • 育休中の転職が難しい理由
  • 円滑に進めるためのステップ
  • 注意点と成功のコツ

この記事を参考に、自分に合った仕事を見つけ、キャリアアップを目指しましょう。

スーツを着た4人
目次

結論から言うと、育休中に転職活動をしても法的には問題ありません。しかし、会社としては育休中の社員がいずれ復帰することを前提としています。そのため、育休中に転職して結局復帰しないとなると、多かれ少なかれ会社に迷惑をかけてしまうことになります。マナー違反と思われてしまうこともあり、会社の人からは良く思われない傾向があると言えるでしょう。

転職したいと思う理由があっても、会社からの印象などを考えると躊躇してしまう方も多いと思います。しかし、状況によっては会社からどう思われるかは気にしないで、転職をしてしまった方が良い場合があります。ここでは育休中に転職するべきかどうか判断する基準を紹介していきます。主に次のような場合は、育休中でも転職に踏み切っても良いと言えます。

仕事が忙しすぎて育児と両立できない

独身や子供が生まれる前は問題ない程度の忙しさでも、子供が生まれるとその許容範囲が大きく狭まるものです。特に残業、休日出勤、出張などが多い職場は、子供のいる方には働きにくい環境と言えるでしょう。もちろん、このような会社でも子育てに十分な理解があり、残業や休日出勤を免除してくれるのであれば、働き続けることができるかもしれません。しかし、その場合でも性格によっては申し訳ない気持ちで苦しんでしまうこともあるでしょう。仕事と育児の両立が難しい環境の会社や、育児のために他の人と同じように仕事ができないことに申し訳なさを感じるのであれば、転職した方が良いと言えます

復帰後の待遇が悪い

育休に対して十分な理解がない会社の場合、育休後に出世コースから外されてしまったり、給料が減額されてしまったりすることがあります。実は、育休後の正当な理由のない降格や減給は違法とされているため、会社の労働組合や都道府県の労働局に相談することで解決する可能性があります。しかし、全ての場合で違法性が認められるわけではなく、育児により勤務時間が短くなることなどが理由で、ポジション替えや減給が正当なものとみなされるケースも少なくありません。また、そのような子育てへの理解のない会社で働き続けると、今後も様々な面で苦しむことになる可能性が高いです。絶対に今の職場で働き続けたいという思いや事情がない場合は、転職してしまった方が後々のためにも良いでしょう

家族に子供を任せることができる

特に女性の場合は仕事中に子供の預け先を作ることが、転職を成功させるために非常に大切です。しかしこの後で説明しますが、実は育休中の転職では、転職後に子供を預ける保育園をあらかじめ確保することが非常に難しくなる場合があります。近所に両親や親戚が住んでいたり、パートナーに子供を任せることができる人であれば、子供の預け先についての懸念が少なくなります。そのため、育休中であっても比較的スムーズに転職することができるでしょう。

転職した方が良い状況であっても、育休中の転職が難しそうという理由から、転職できるかどうか不安に思う方もいると思います。実際、育休中の転職には通常の転職とは異なる様々な困難があるのも事実です。ここでは、育休中の転職が難しいと言われる理由を見ていきましょう。

そもそも女性は子供がいると転職が難しい

育休中かどうか以前に、女性の場合そもそも子供がいると転職、就職、再就職の難易度が上がってしまう傾向にあります。今日では昔に比べると、男性も育児に参加するべきという風潮が広まってきていますが、それでもやはり社会には「子育ては女性が中心になってするもの」という認識が根深く残っています。男性で子供がいても就職活動にはほぼ影響しないのに対し、子供がいる女性は子育てとの両立ができないのではないかという懸念から、採用を躊躇されてしまうことが多々あります。このような懸念を減らすためには、保育園や家族、近所に住んでいる親戚などに子供を任せることができるという説明をすることが有効です

育休中の転職では保育園も確保しにくい

しかし、育休中の転職では保育園の確保も難しくなってしまうことがあります。というのも、詳しくはこの後説明しますが、自治体によっては申請時と職場が変わったことが原因で、育休中に確保した保育園に転職後に入園できなくなってしまう可能性があるからです。転職中であることをあらかじめ説明したり、元の職場の勤務証明書を利用しないで申請したりすることで、入園取消を避けることもできます。しかしこの場合、入園の優先順位が下がってしまうため、入園自体が難しくなってしまうかもしれません。そのため、保育園に入りやすい自治体に住んでいたり、家族や親戚に頼ることができたりするのでなければ、女性の育休中の転職は難しいと言えるでしょう。

育児と転職活動の両立が難しい

転職活動では、企業のリサーチや応募書類の準備、そして面接など、やることがたくさんあります。育休を取得している方は転職活動を始めるまでの間、家事や子育てだけに専念する生活を送っていた方が多いと思いますが、育休中に転職するとなると、それに転職活動が加わることになるのです。特に子供がまだ小さい頃は育児だけでも手一杯の方が多く、それに加えて転職活動までしようとするとパンクしてしまうかもしれません。さらに、労力の問題だけでなく、転職活動の関係で企業説明会や面接に行っている間に、子供を預けておく場所を確保する必要もあります。しかし、そもそも転職活動が成功したら、そう遠くないうちに子育てをしながら働き始めることになります。転職活動自体、すぐにでも働き始める準備が整ってから始めるべきなのです。そのため、育児がまだ忙しく、子供の預け先もない状態の間は、転職活動を始めるのは見送った方が良いでしょう。

育児に適した条件で転職することが難しい

育休中に転職を考える人の中には、上で見てきたように、現職では育児と仕事を両立しにくいということや、待遇が悪くなってしまうということが理由となっている方も多いと思います。このような理由で転職をする場合、当然転職先の職場では現職よりも育児と両立しやすかったり、待遇が良かったりするのでなければ、苦労して転職する意味がありません。しかし、ただでさえ転職が難しい育休中に、良い条件の会社に転職することはさらに難易度が高いでしょう。育休中に転職活動をする場合、今の職場をセーフティーネットとして残しておくという前提で進めた方が良いかもしれません。

次に、育休中に転職する場合に必ず知っておくべき注意点を紹介します。次のようなことを知らないと、せっかく転職に成功しても結局働くことができなくなってしまう場合もあるので、必ず事前に考えておきましょう。

保育園に入れなくなることがある

上でも説明したように、女性の場合は子供を預けられる場所をあらかじめ確保しておくことが大切です。家族や親戚に任せられない場合は保育園に入園できるようにする必要がありますが、育休中の転職では、この保育園の確保が上手くいかない可能性があります。というのも、勤務証明書を提出することで希望の保育園に入園できる可能性が高まりますが、育休中に保育園を確保すると、この勤務証明書に記載されている勤務先が前の職場ということになります。そして、自治体によってはあらかじめ提出した勤務証明書と実際に働き始めた勤務先が一致していないと、保育園の入園が取り消されてしまう場合があります。特に保育園への入園希望者が多いいわゆる「激戦区」では、取消される可能性が高いようです。育休中に保育園を確保するなら、自治体の状況やルールをしっかり確認しておくことが大切です。

転職した直後は有給休暇が使えない

育休を取るような年齢の子供がいると、子供の体調不良によって急遽仕事を休まなければならなくなることも少なくありません。しかし、有給休暇の制度を利用できるのは、入社後半年以上継続して勤務している人だけです。つまり、転職してしまうと半年間は有給休暇を利用できなくなるため、注意が必要です。

転職した直後は時短勤務もできない可能性がある

3歳以下の子供を持つ人は、1日の勤務時間を短縮する時短勤務の制度を利用できますが、これも転職した直後には利用できない可能性があります。こちらは有給休暇とは違い、会社の制度によって異なるので、転職してすぐに時短勤務できる職場もあります。しかし多くは1年以上勤務している人が対象になっています。フルタイムで働くことがしばらく難しそうな方は、入社後すぐに時短勤務できるかどうか面接時に確認しておくようにしましょう。

育児休業給付金は満額受給できなくなる

育児休業給付金は、現職を退職すると支給がストップします。そのため、転職によって育児休業給付金の満期より前に退職をすると、その分だけ合計の受給額が減少することになります。満額受給したい場合は、満期を迎えてから退職するスケジュールで動くようにしましょう。

育休中の転職活動は、普通の転職と比べて難易度が高く、準備しなければいけないことや注意すべきことが多々あります。それでも育休中に転職したいという方向けに、転職活動を円滑に進める方法を次の4つのステップで紹介していきます。

子供の預け先を決める

これまでもお話ししてきたように、育休中の転職活動では子供の預け先があるということが最も重要な条件の一つと言っても過言ではないでしょう。採用する企業に子育てに対する理解があっても、仕事中に子供の預け先がないとなると、本当に働いてくれるか確証が持てないため、なかなか採用に踏み切ることができません。子供の預け先は、転職活動を始める前に必ず確保しておきましょう。子供の預け先が決まらないのであれば、転職活動をしないで一度職場に復帰し、子供を預けるあてができてから転職活動を始めるというのもひとつの手です。

転職活動や仕事ができる環境を整える

子供の預け先が決まったら、転職活動やそれが成功した場合に仕事ができる環境を整えていきましょう。転職活動や仕事を始めると、当然育休中のように家事や育児をすることはできなくなります。パートナーとの家事・育児の分担を考え直したり、web面接や在宅勤務ができる場所を確保したりと、あらかじめ準備しておくことで、転職活動を始めた際のトラブルを防止でき、円滑に進めることができます

応募書類を作成し、面接を受ける

ここからは、一般的な転職活動と同様の流れになります。転職そのものが初めての方は、転職ならではの応募書類の作成の仕方や面接対策について調べておくと良いでしょう。全員が未経験で採用される新卒と比べて、転職ではこれまでの仕事での経験やスキルがより重視され、即戦力となることを求められる傾向にあります。応募先の企業が求めているスキルや人物像を把握し、それに応えられる人材であることをアピールすることで、好印象を持ってもらいやすくなります

退職手続き・職場への挨拶をする

転職先が無事決まったら、現職に退職を報告しましょう。育休中の退職であれば特に引き継ぐべきこともなく、出社する必要がないことも多いかもしれません。しかし、退職したからといって、職場の人たちとの人間関係がそれで終わるとは限りません。特に同じ業界内で転職した場合、仕事上の意外なところで関わる可能性もあります。育休中の転職・退職は、良いイメージを持たれないことが多く、職場の人へ挨拶を行くのはできれば避けたいものだと思いますが、そのままメールや電話での挨拶だけで終わってしまっては、悪い印象だけを残すことになります。よほどの事情がない限りは、退職の連絡をしてから一度会って、お世話になった人たちに退職の報告と挨拶、今までのお礼を直接伝えることをおすすめします。

働くために子供を保育園に預けたいという方は、保育園の申し込み・入園スケジュールに転職活動のスケジュールを合わせる必要があります。ここでは、育休中に保育園探しと転職活動をする場合の1年間のスケジュールを簡単に紹介します。

4月〜:保育園の情報収集

次年度に入園を検討している方向けに、認可保育園に関する情報が出てくる頃です。提出書類やその締切などの他に、勤務先が変更になる場合の処置について詳しく見ておくことが大切です。また、自分の住んでいる自治体における保育園の競争率などを調べ、もし競争率が高い場合は認可外保育園や保育園以外の方法も合わせて検討するようにしましょう。

9月〜:保育園への申し込み・企業のリサーチ・書類作成など

育休中の職場から勤務証明書などの必要書類を発行してもらい、保育園に申請書類を提出しましょう。保育園の入園が決まるのは1月以降となりますが、結果がわかる前でも、応募する企業の条件決め、企業のリサーチ、書類作成、転職エージェントへの相談など、転職活動の準備を始めるのがおすすめです。

1月以降:保育園の入園決定・企業への応募

自治体によって時期は異なりますが、保育園への入園が決まったら、いよいよ本格的に転職活動をスタートすることができます。企業に応募してから転職先が決まるまでには、だいたい3ヶ月ほどかかります。入園が決まり次第すぐに候補となる企業に応募できるように準備しておくことで、早めに転職先が決まり、子供の保育園入園と同時に働き始めることができる可能性が高くなります。

〜4月:面接などの選考に参加する

書類審査に通ったら、面接などの選考に参加していきましょう。転職活動の中でも最も忙しい時期になるかもしれませんが、子供が保育園に入園する前でもあるため、面接などの間子供を預けられる場所を確保しておくことが重要になります。もしどうしても預け先がなければ、企業への応募は入園後に行うようにしても良いかもしれません。

翌年4月〜:保育園入園

子供が保育園に入園し、いつでも働き始めることができる準備が整います。このくらいのタイミングで次の職場で働き始めることを一つの目標にすると良いでしょう。

育休中の転職活動は、やるべきことや配慮すべきことがたくさんあります。そのため、転職活動を成功させるためには、自分1人で抱え込まず、周りの人を上手に頼っていくことが大切です。最後に、育休中の転職で負担をなるべく軽くし、転職活動を成功させるコツを解説していきます。

転職エージェントを利用する

昼間に子供を預けながら転職活動ができるとしても、子供のいる方は育児にかなりの時間と労力がかかるものです。転職を成功させるためには、しっかりとした企業リサーチや準備が必要になりますが、子育てで忙しい方が1人でそれをこなすのはとても大変です。また、特に女性の場合は、子供の預け先が決まっていたとしても、世の中に浸透している母親や育児に対する固定観念のため、子供のいる男性と比べて転職活動が難航するという問題がついて回ります。そこでおすすめなのが転職エージェントを利用することです。転職エージェントでは、企業リサーチや書類作成、面接対策など、様々な面で転職活動をサポートしてくれます。さらに、女性の場合は女性向けの転職エージェントを利用することで、子育てに理解があり、子供がいても就職や仕事がしやすい職場に出会える可能性が高まります。

職パレtips
転職エージェントはそれぞれ強みや特徴が異なるため、複数のサービスに登録するのがおすすめです。

家族の助けを借りる

これも特に女性に多い傾向と言えると思いますが、転職活動のために育児を家族や親戚に大きく頼ることに罪悪感を覚える方もいるかもしれません。自分でも知らず知らずのうちに、「子育ては母親が頑張らなくてはいけない」と思っているために、母親としての仕事を他人に任せることに抵抗があるのでしょう。しかし、転職活動をしてその後の仕事を頑張りたいと思っているなら、あまり罪悪感を抱きすぎず、頼れるところは頼ってしまうことが大切です。そうすることで、転職活動が円滑に進み、希望の条件で就職をかなえ、育児と仕事を両立できる職場で働ける可能性も高まるでしょう。

ぐーの手をした男性
オッケーの手をした女性

育休中の転職活動は、育児と両立しなければならないため、精神的・体力的に負担が大きくなりますが、工夫次第で理想的な企業への転職を実現できます。

育休中の転職活動でお悩みの方は、転職エージェントへ相談してみましょう!

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男性と女性

育休中の転職活動は、育児と両立しなければならないため、精神的・体力的に負担が大きくなりますが、工夫次第で理想的な企業への転職を実現できます。

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