料理が好きな方の中には、スーパーやデパ地下で見かけるお惣菜の調理や販売に興味を持ったことがある方も多いのではないでしょうか。
惣菜スタッフはバイトやパートでも気軽に働くことができる職種ですが、実際に惣菜スタッフとして働くためにはどのような仕事内容やスキルが必要なのでしょうか。
また、そして将来性についても気になるところです。
この記事では、惣菜スタッフに興味がある方に向けて、詳しく解説していきます。
惣菜スタッフの仕事に興味がある方や、キャリアを積みたい方は、
ぜひこの記事を参考にして一歩踏み出しましょう。
惣菜スタッフの仕事内容
惣菜スタッフのメインの仕事は、惣菜の調理と販売がメインとなります。
細かく見ていくと次のような仕事があります。
惣菜の調理
惣菜やお弁当のおかずの調理を行います。
料理が好きな人ならとても楽しい作業になると思います。
料理の経験がないとハードルが高いと思われるかもしれませんが、詳しいレシピや詳しい調理手順がある場合がほとんどなので、手順通りに作業できればそれほど難しくありません。
また、料理の業務がない惣菜スタッフの求人もあります。
盛り付け
出来上がった料理をパック詰めしていく仕事です。
お惣菜の種類によってパックの種類や盛り付け方、盛り付ける量などが決まっているため、種類ごとにやり方を把握しておく必要があります。
陳列・値引き
パック詰めした後は、お惣菜やお弁当を売り場に陳列していきます。
並べた商品が減ってきたら、お客様が取りやすいように整理したり、商品を補充したりすることも惣菜スタッフの役割です。
また、お惣菜やお弁当は一般的にその日中に販売しなければならないため、陳列してから時間が経った商品に値引きシールを貼って販売を促進することも大切な仕事です。
清掃
食品を扱う調理場は毎回清掃し、清潔に保っておく必要があります。
また、始業前や閉店後には商品を陳列する棚の掃除も行います。
惣菜の量り売り
デパ地下の惣菜店などでは、量り売りを行っているところもよく見られます。
ショーケースに並べられた惣菜の中から、その場でお客様が希望した量をはかってパック詰めし販売する仕事です。
最初のうちは食材の重さがわからないため、なかなか難しいようですが、1ヶ月ほど勤務すると慣れてきます。
レジ業務
惣菜スタッフの求人の中には、調理よりもむしろ接客やレジ業務が中心となる仕事もあります。
特にデパ地下や惣菜専門店などで量り売りをして販売する場合は、手際の良さが求められます。
お昼時や夕方の14-16時、多くの商品が値引きされている閉店前はかなり混雑してくるので、意外に大変な業務です。
商品説明
お客様から商品の味や賞味期限などについて質問されることもあります。
販売しているお惣菜について、よく理解しておくことが大切です。
お店によっては新商品の販売促進などのために、試食を提供することもあります。
資格がなくても大丈夫?必要なスキルは?
惣菜スタッフの仕事は調理が必要になるため、料理の経験や特別な資格・スキルが必要だと思う方も多いかもしれません。
しかし、未経験や無資格でもOKな惣菜スタッフの求人はたくさんあります。
料理に自信のない方は、簡単な盛り付けや調理補助のみのお仕事から始めてみると良いでしょう。
惣菜スタッフで優遇される資格
惣菜スタッフとして働くために特別な資格は必要ありませんが、あると優遇される資格として以下のようなものがあります。
調理師免許
栄養士免許
リテールマーケティング(販売士)検定試験
それぞれの資格について、簡単に解説していきます。
調理師免許
調理師免許は国家資格の一つです。
取得するためには各都道府県の調理師試験に合格する必要があります。
試験自体の難易度は低いので、独学でも数ヶ月勉強すれば合格できると言われていますが、試験を受けるためには調理師養成施設を卒業しているか、調理業務における2年以上の実務経験が必要になります。
この資格を取得すれば、プロの調理師以外にも様々な現場で調理師として働くことができるようになります。
栄養士免許
栄養士も国家資格の一つで、栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門大学を卒業することで取得することができます。
勉強する内容が多く、実習も必要なため、夜間学校や通信教育はなく、上記の方法以外で取得することができないため、比較的難易度の高い資格です。
栄養士資格を持っていれば、食事や栄養についてのアドバイスをしたり、学校給食などの献立を立てたりする仕事も可能になります。
リテールマーケティング(販売士)検定試験
惣菜スタッフに限らず、接客に関する基礎知識や売り場・店舗を管理する能力、店舗経営の仕方を身につける目的で受験できる検定試験です。
1級から3級までのレベルがありますが、3級を取得すれば惣菜スタッフとしての仕事に十分役立てることができます。
2級はマーケティングなどに関する専門知識を身につけることができ、管理職への昇進条件になっている場合もあります。
1級レベルになると、店長や責任者ができるだけの知識や能力が身につけられます。
惣菜スタッフが向いている人
惣菜スタッフになるために特別なスキルは必要ありませんが、向き不向きはあるかもしれません。
特に次のような方が惣菜スタッフに向いていると言えます。
食に興味がある
惣菜スタッフの仕事では、お惣菜の作り方をはじめとして、食材の扱い方や調理方法などについての知識を身につけていく必要があります。
また、接客の際にお客様に商品の魅力を伝える力も求められます。
食への興味は必須ではありませんが、興味のある人の方がスムーズに必要な知識を身につけられ、魅力も伝えやすいはずです。
人と話すのが好き
惣菜スタッフは食品業界の他の仕事の中でもお客様と接する機会が多くなります。
お客様の中には、お惣菜を買うかどうかや買いたい商品が決まっておらず、とりあえず惣菜スタッフに話を聞いてみるという方も多く、接客の役割が大切になります。
お客様と会話を楽しみながら、その人に合わせて商品をお勧めできるコミュニケーション能力があると有利です。
料理が好き
惣菜スタッフとして調理を担当する場合、毎日大量のお惣菜を調理することになります。
さらに、「ピーク時までにこれくらい作っておかないといけない」など、時間に追われるような部分もあり、料理が好きでないと少しつらいと感じてしまうかもしれません。
また、惣菜スタッフが新商品を提案する職場もあります。
日常生活で料理をする人の方が、旬の味やトレンドを取り入れやすく、新商品の開発も上手くいきます。
仲間と助け合いができる
惣菜スタッフの仕事はピーク前からピーク時にかけて非常に忙しくなるため、ノルマを達成するためにチームで協力する必要があります。
状況に応じて柔軟にヘルプに入ることができるなど、助け合い精神を持つ方に向いている仕事と言えます。
惣菜スタッフの給料と待遇
惣菜スタッフとして働く場合、正社員、派遣社員、アルバイト・パートなど、様々な雇用形態があります。
給与の目安は以下の通りです。
・正社員:19〜25万円
・派遣社員:時給1300円〜
・アルバイト、パート:時給920円〜
アルバイトやパートでは、調理の業務はなく、盛り付けやレジ打ちが主な業務である求人もあるため、その分時給は低めになる傾向があるようです。
惣菜スタッフの仕事内容や待遇の感覚を掴むため、いくつかの求人を紹介します。
スーパーで主に惣菜の販売をするアルバイト・パートの求人です。
【仕事内容】
- レジ打ち
- 品出し
- お客様対応
- 商品管理
【待遇】
- 時給:923円〜
- 経験により昇給あり
- 賞与:年2回(パートの場合)
- 制服貸与
- 雇用保険あり
- 社員登用あり
- 慶弔見舞金制度あり
- 未経験、学生、フリーター、主婦、シニア、ダブルワーク歓迎
惣菜スタッフの魅力とやりがい
人によってはつらいと言われることもある惣菜スタッフですが、多くの方は楽しんで働いている魅力の多いお仕事です。
多くの惣菜スタッフの方が上げる魅力とやりがいには以下のようなものがあります。
料理スキルが身に付く
惣菜スタッフとして働くと、毎日様々な料理を作ることになります。
仕事をするうちに、おのずと料理のスキルが上がっていくのがこの仕事の大きな魅力の一つです。
スーパーやデパートのお惣菜は、日々のおかずとして取り入れやすいものも多いため、プライベートの食生活に非常に役立つスキルになります。
社員割引を利用できることがある
お店によっては、社員割引を利用して商品を安く買うことができる場合もあります。
スーパーの場合、お惣菜以外にもお肉や野菜、日用品などまで割引で買えるところがあり、生活の大きな助けになります。
お惣菜やお弁当は翌日に持ち越して売ることができないものも多いので、その日に余った分を持ち帰ることができる場合も多いようです。
お客さんからの感謝の言葉
惣菜スタッフは接客に関わることが多く、商品を買ってくれるお客様の顔を直接見られることが大きなやりがいです。
お客様から直接感謝の言葉をかけてもらえることもあり、モチベーションにつながります。
接客スキルが身に付く
接客の機会が多い分、仕事を通して接客スキルも身につきます。
特にデパートの惣菜店の場合はレベルの高い接客を求められることも多く、正しい敬語や立ち振る舞いについて指導がある職場もあります。
惣菜スタッフの主な就職先
惣菜スタッフの主な就職先は、次の通りです。
- デパ地下の惣菜店
- スーパーの惣菜部門
- 弁当店
- 惣菜加工工場
惣菜スタッフの仕事は、西洋料理の惣菜を意味する「デリカテッセン」から、「デリ」と呼ばれることもあります。
アルバイトやパートとして働ける職場も豊富です。
惣菜・弁当の代表的な企業
惣菜スタッフの正社員としてキャリア形成していくことを考えている方は、日本の主要な中食企業についても知っておきましょう。
日本の代表的な中食企業として、以下の3つの企業を紹介します。
シノブフーズ株式会社
シノブフーズはおにぎりやサンドイッチ、お弁当、お惣菜、チルドなど、中食事業に広く携わる企業です。
オリジナルブランドの企画や流通に力を入れるのはもちろんのこと、コンビニ向けの商品の製造にも力を入れていて、販路を拡大させています。
特徴としては多品種少量生産を心がけており、惣菜製造工場のラインに手作業も取り入れることで、効率と高品質を両立させています。
わらべや日洋ホールディングス株式会社
わらべや日洋は、中食を主要事業とする日本の代表的な中食企業の一つです。
食材調査から調達、商品開発、製造、配達までを全て担う一貫システムがあり、各行程は専門性と経験をもつグループ会社に支えられているため、常に高品質で魅力のある商品の開発・提供が可能になっています。
商品開発に力を入れているのが大きな特徴で、管理栄養士、栄養士、調理師などの専門家が食材はもちろん、パッケージや配達方法にもこだわりながら日々新商品を開発しています。
フジッコ株式会社
塩昆布のふじっ子で有名なフジッコ株式会社ですが、中食事業も主要事業の一つとなっています。
2021年にはフジッコ株式会社の惣菜部門がフジッコNEWデリカ株式会社という子会社として独立し、より柔軟に商品開発を行うようになってきました。
通年で販売するお惣菜の他、時期によって様々な商品を販売しており、種類が豊富で季節感があるのが魅力です。
お惣菜以外にも「ビビンバキット」や「弁当用煮物キット」などの店内調理向け商品も取り扱っており、幅広い需要に対応しようとしています。
惣菜スタッフの将来性は?
まずは惣菜市場の規模や動向から、その将来性を考えてみましょう。
惣菜市場の規模
経済産業省の調査によると、惣菜製造業は2022年時点で800ほどの事業所があり、2021年の出荷額は1兆928億円でした。
また、すし・弁当・調理パン製造業の2022年時点の事業所数は約860で、出荷額は1兆5451億円でした。
惣菜市場の動向
惣菜・弁当は、食品市場を内食、外食、中食に分けた時の「中食」の大半を占める市場です。
外食以外の言葉が聞き慣れないという方も多いと思いますが、それぞれの定義は以下の通りです。
- 内食:家庭内で調理して食べるもの
- 外食:家庭外の飲食店などで調理して提供されるもの
- 中食:家庭外で調理して販売されている食品を家庭内などで消費するもの
中食業界は近年、単身世帯や共働き世帯の増加により成長してきていましたが、軽減税率によってさらに大きく成長しました。
外食の場合は消費税率は10%ですが、家庭内で消費するお惣菜やお弁当の消費税率は8%であり、家庭内で調理する余裕がない人により選ばれやすくなったという背景があります。
スーパーの惣菜販売は11年連続で増加している
日本チェーンストア協会によると、2023年のスーパーの惣菜販売額は1兆2754億円で、前年とくらべて4.9%増加したそうです。
これで販売額は11年連続で増加したことになり、最近成長しつづけている業界であることがうかがえます。
惣菜スタッフの将来性
惣菜やお弁当の市場の成長要因となった、単身世帯や共働き世帯の増加というトレンドは、今後も続いていくと考えられます。
また、少子高齢化などの影響で今後は消費税率がさらに引き上げられると考えられますが、ここでも中食が軽減税率の対象となれば、惣菜やお弁当のニーズはさらに増加すると考えられます。
惣菜スタッフは十分に将来性のある仕事と言えるでしょう。
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