鮮魚加工の仕事を知ろう!仕事内容、必須スキル、求人情報など紹介

鮮魚加工の仕事を行う作業員が新鮮な魚をさばいている様子を捉えた画像。鮮魚加工の仕事内容や必要なスキル、求人情報を紹介する記事用の素材。

食品業界への就職・転職を考えている方の中には、季節によって様々な旬のお魚を扱える鮮魚加工に興味のある方も多いと思います。

しかし、鮮魚加工業に関わる人が身近にいない場合、鮮魚加工の就職やその仕事内容についてはあまり知る機会がないのではないでしょうか。

この記事では鮮魚加工業に興味がある方に向けて、詳しく解説していきます。

鮮魚加工の仕事に興味がある方、この分野でキャリアを積みたい方は
ぜひこの記事を活用して新たな挑戦を始めましょう。

スーツを着た4人
目次
鮮魚加工の現場で魚を捌いている様子。包丁で丁寧に魚をフィレにしている作業風景。

まずは鮮魚加工にはどのような求人があるのか見ていきましょう。

鮮魚加工業に携わる場合、就職先は鮮魚加工工場、スーパーの鮮魚部門、魚屋さんなどが一般的です。

特に鮮魚加工工場に就職する場合は、以下で紹介するような大手の水産加工企業の業務に携わることになるかもしれません。

鮮魚加工の代表的な企業

日本の代表的な鮮魚加工関連の企業として、次の3つの企業を紹介していきます。

マルハニチロ株式会社

マルハニチロは水産が特に強い企業ですが、グローバルなバリューチェーンを構築することで、加工食品や畜産を含め、食品関連の幅広い事業を展開しています。

詰などの加工食品、冷凍食品、オンラインショップなど、時代のニーズに合わせた事業を行っているという意味でも、今後も第一線で活躍していくと考えられる企業です。

魚介類に関しては、クロマグロなどの養殖、漁業などの生産から、世界各地からの買い付け、国内の卸売市場で取引される水産物の市場ない流通など、一連の過程に関わっており、日本の水産業界において非常に重要な役割を果たしていると言えます。

株式会社ニッスイ

ニッスイも日本の大手水産関連企業です。現在はその他の食品も販売・開発していますが、今でも水産事業に最も力を入れています。

漁獲や養殖から水産資源を生産し、鮮魚、冷凍魚、水産加工品を販売しています。

また、水産資源の活用や海の環境保護にも力を入れており、魚の加工後に残る食べられない部分を、魚粉、魚油、配合飼料などに加工したりと、持続可能な養殖業への取り組みを行っているのも大きな特徴です。

東洋水産

マルちゃん正麺や赤いきつねと緑のたぬきなどで知られる東洋水産も、実はその名が示す通り、冷凍マグロの輸出事業から始まった水産企業でした。

現在では主要事業は有名な即席麺となっていますが、水産企業としても日本国内で上位を占めています。

特に簡単に料理に利用できる加工食品や、減塩などの健康を意識した商品の開発に力を入れており、今後加工食品の需要が増加していくと考えられる中で、顧客のニーズに対応できる企業であると言えます。

鮮魚加工の給料と待遇は?

鮮魚加工やスーパーの鮮魚部門でもらえるお給料には、就職先によって大きな違いがありますが、平均年収は350-600万円ほどが目安になります。

スーパーの店員の平均年収は354.8万円なので、魚に関する専門的な知識や技術が必要になる鮮魚部門は給料が高めの傾向にあるようです。

また、時給では920-1000円くらいが一般的です。

給与や待遇のイメージがしやすいよう、実際の求人情報を見てみましょう。

鮮魚加工の求人例

スーパーの鮮魚部門での正社員としてのお仕事の求人。

【仕事内容】

  • 鮮魚の調理、加工
  • 売り場への品出し、商品補充
  • パック詰め

【待遇】

  • 給与:年収400万円〜(経験者は優遇)
  • 雇用形態:正社員
  • 勤務形態:7:00-19:00の実働8時間、シフト制
  • 休日:週休2日
  • 社会保険完備
  • 交通費支給
  • 制服貸与
  • 社員買物割引制度あり
フードマッチCTA
鮮魚加工の現場で初心者歓迎をアピールする作業員たち。作業服を着用し、初心者マークを持ちOKサインを出している様子。

鮮魚加工の仕事は、未経験や資格がない方でも募集している求人が多く、

特別な資格やスキルがなくても就職が可能と言えます。

しかし、持っていると転職に有利になったり、給与や待遇が良くなったりする資格もあります。

鮮魚加工の場合、鮮魚士という資格を持っていると非常に重宝されます。

証明書

鮮魚士


鮮魚士とは、スーパーや小売店の鮮魚部門の担当者の育成を目的として設けられた資格です。

魚に関する知識や加工技術だけでなく、鮮魚管理、販売、接客などの幅広い知識や技術を身につけることができます。

これらはスーパーの鮮魚部門担当者が、業務で必要とされる知識となります。

以前は1級〜3級というレベルがありましたが、現在は「鮮魚取扱者実務通信講座」の受講によって取得できるため、手軽に挑戦できるようになっています。

ペンを持ちながら考え込む男性のイラスト。鮮魚加工に関する疑問や不安を表現したビジュアル。

ここまで鮮魚加工の求人や就職について見てきましたが、そもそも鮮魚加工業について詳しく知らない方も多いと思います。

鮮魚加工とは、生の魚を捌いて料理などに使いやすい形の切り身にしたり、鮮魚加工品をつくることを言います。

魚は未加工の形で販売されていることもありますが、そのような魚を料理に使うには、多くの場合魚を捌く技術や手間が必要になります。

魚を自分で捌ける人が少なくなってきている昨今、未加工の魚は敬遠されがちです。

そこで、魚を誰でも使いやすい形に加工する鮮魚加工の需要は高まってきていると言えます。

鮮魚加工品とは

鮮魚加工品とは、魚介類を主原料とする加工食品です。

分かりやすい商品としては、ツナやマグロなどの缶詰や、瓶詰めの鮭フレークなどがあります。

加工することで足の速い魚介類を長期保存できることや、捌いて骨が取り除かれているため、料理にも使いやすくなっていることが鮮魚加工品の魅力です。

鮮魚加工工場のラインで整然と並ぶ切り身の鮭。鮮魚加工工程を示す工場内の風景。

ここからは鮮魚加工業に就職するとどのような仕事をすることになるのか、詳しく見ていきましょう。鮮魚加工工場での仕事には次のようなものがあります。

仕事

仕込み

まずは加工しやすいように入荷した魚を分別します。

魚の大きさが違いすぎると加工しにくいため、基準より大きい魚、小さい魚を仕分けします。

また、規定の分量に分けるなどの準備もこの段階で行います。

仕事

魚の加工・調理

まずは魚の下処理をします。

  • 内臓を取り出す
  • エラやうろこを落とす
  • 頭を落とす
  • 骨をとる

など、魚を捌いて余分なものを取り除き、調理しやすい形にします。

その後、魚の味付けをしたり、加熱したりといった調理を行います。

仕事

包装・検品・出荷

調理後の食品のパック詰めや缶詰作りをしていきます。

また、異物混入がないかどうか、目視や機械を使って検品作業を行います。

食品への異物混入は大問題になってしまうので、検品基準は他の業種と比べて特に厳しくなります。

この工程はベルトコンベアに乗って商品が流れてくるライン作業になっている工場も多いようです。

検品が終わったら、商品を出荷します。

スーパーの鮮魚売り場の様子。魚の切り身やパック詰めされた商品が並び、販促ポスターや値引き表示が目立つディスプレイ。

次に、スーパーの鮮魚部門の仕事内容を解説していきます。工場の場合と共通する部分もありますが、主な仕事内容は以下の通りです。

仕事

魚の仕入れ

卸売市場や漁港から新鮮な魚を買い付けることも、スーパーの鮮魚部門の仕事です。

あらかじめ契約している漁港から直接仕入れたり、自社が運営している卸売市場から仕入れたりする方法が主流ですが、担当者が早朝の市場に行って魚を競り落とす場合もあります。

大手のスーパーの場合、鮮魚士資格をもつ担当者が漁港で直接鮮魚を買う場合もあります。

仕入れの仕事では魚の目利きの技術が重要になるので、仕入れの現場に携わることで、この技術を身につけることができます。

仕事

魚の加工・切り分け

仕入れた魚の品質をチェックした後、作業場で魚を捌いていきます。

内臓と骨、皮やエラ・ウロコを取り除くなどの下処理を行った後、様々な形に切り分けます。

スーパーで売られている魚は色々な形に切り分けて販売されていますが、魚の種類や季節によって、お客様のニーズに合うように切り方を工夫することが大切です。

魚の切り方ひとつとっても、次のように様々な種類があります。

  • 2枚おろし
  • 3枚おろし
  • 切り身
  • 刺身
仕事

魚の調理

スーパーで売っている魚には、生魚だけでなく、下味がついているものや焼いたり煮たりしてあるものもありますよね。

そのような魚の調理を行うのも鮮魚部門の仕事になります。

こちらも魚の種類や季節に応じて適切な調理方法を選びます。

仕事

パック詰め・陳列・販売

魚の切り分け・調理などが終わったら、パックに盛り付けて梱包していきます。

特にお刺身などは綺麗に盛り付けることも大切です。盛り付けた際の彩りや季節感にも注意する必要があるのです。

パック詰めの作業が終わったら、売り場に陳列して販売します。

ここまでがスーパーの開店前に行う仕事です。

魚は種類が豊富なため、季節やトレンドを考えて、お客様が手にとりやすいような陳列の工夫をします。

陳列した後も、商品の鮮度を保つための温度管理や、見切り・値下げなどの在庫管理を行います。

陳列棚の整理をしている際に、お客様に魚の調理方法や旬などについて質問されることもあります。

そのため、販売中の魚についての幅広い知識も必要です。

やりがいもある鮮魚加工業ですが、つらいと言われることもある業種です。

人によっては耐えられないかもしれませんが、逆にそれほど気にならない人もいます。

指をさしている女性

鮮魚加工への就職を考えている方は、鮮魚加工のどこがつらいと言われるのか、自分はそれに耐えられそうか確認しておくと良いでしょう。

鮮魚加工がつらいと言われるよくある理由には次のようなものがあります。

生臭いにおい

魚には独特のにおいがあります。

一般的に食品加工業の現場ではどの業種でもにおいはありますが、魚特有の生臭いにおいに敏感な方もいるため、つらいと感じてしまうのでしょう。

部屋が寒い

鮮魚加工では生のお魚を扱うので、傷まないように現場の温度は常に低めに設定されています。

冷凍食品を扱う工場の場合は、冷凍庫の中の作業になることもあります。

カイロを貼っておくなど、工夫できる部分ではありますが、どうしても冷房が苦手な方は身体的な負荷も大きいかもしれません。

立ち仕事が多い

鮮魚加工業の仕事は基本的に立ち仕事が中心になります。

普段あまり運動をする習慣がなかった方では、特に最初の頃は1日の終わり頃になると足腰がつらくなってくるかもしれません。

多くの場合は、1ヶ月も勤務すると慣れてきてあまりつらさを感じなくなるようですが、元々腰や膝が弱い方には負担が大きいかもしれません。

単純作業が多い

特に鮮魚加工工場では、決められた同じ作業を淡々とこなしていく仕事となる傾向にあります。

単純作業を集中して黙々とできる方もいますが、単調な仕事に物足りなさ、つまらなさを感じるタイプの方は、つらくなってしまうかもしれません。

職パレtips
同じ鮮魚加工業でも、スーパーの鮮魚部門や魚屋さんでの仕事は、鮮魚加工作業以外に接客があったり、季節や顧客のニーズ・トレンドに応じて売り出し方や加工の仕方を工夫していくことができたりと、単純作業以外の部分も多くなります。

鮮魚加工業の中でも、自分に合った職場を探してみると良いでしょう

繁忙期の忙しさ

鮮魚加工品の種類や就職先にもよりますが、鮮魚加工業の忙しさは時期によって大きく変わることがあります。

特に繁忙期はいつもより入荷量や需要が増加し、忙しくなる現場が多いようです。

鮮魚加工の現場でマグロの切り身を包丁で丁寧にカットしている作業員の手元。

人によってはつらさを感じることもある鮮魚加工のお仕事ですが、上記で紹介したことがあまり気にならない方なら、楽しんで、やりがいを持って働くことができる業界です。

鮮魚加工の魅力ややりがいには、次のようなものがあります。

一人で黙々と作業できる

特に鮮魚加工工場の仕事は、一人で黙々と行う単純作業が中心です。

それをつらいと思う人がいる一方で、単純作業が楽しいと思うタイプの方もいるのではないでしょうか。

鮮魚加工工場の仕事を楽しんでいる方には、単純作業に慣れて効率的にできるようになるのが楽しい、という方もいます。

人と喋る仕事より、一人で黙々と作業するのが好きな方は、鮮魚加工工場の仕事が向いていると言えるでしょう。

魚をさばく技術が身に付く

最近では、若い人を中心に、魚を自分で捌くことができないという方が増えてきています。

しかし、魚を捌けるようになると、一般的に切り身で売られていないような魚も手軽に料理に使えるようになり、料理の幅が広がります。

また、新鮮で美味しい魚料理を食卓に出すことができます。

鮮魚加工の仕事では、さまざまな種類の魚を捌くことになるため、自然とその技術が身についていきます。

魚を捌く技術を習得することで、日常の食生活も豊かになるでしょう。

魚についての知識が身に付く

魚には非常に多くの種類があり、種類によって旬や保存方法、美味しい調理の仕方、新鮮で品質の良い魚の見分け方などがそれぞれ異なっています。

プライベートでそのような知識を身につけようとするとなかなか難しいものですが、鮮魚加工業でお仕事として魚を扱うことで、魚についての幅広い知識を身につけることができます。

このような知識も、魚をさばく技術とともに日常の食生活に役立つはずです。

カラフルな幾何学模様で描かれた魚のイラスト。鮮魚加工業界や市場動向を象徴するデザイン。

鮮魚加工業への就職を考えている方は、魚介類や水産加工品の市場動向や、鮮魚加工の将来性も気になるところだと思います。

まずは、日本における魚介類の消費量を見てみましょう。

魚介類の消費量

日本における魚介類の1人1年あたりの消費量は、20年ほど前から減少傾向が続いています。

水産庁の報告によると、2019年の魚介類の消費量は、ピークだった2001年と比べて6割以下となったようです。

魚介類業界の今後の課題

魚介類の消費量は大きく減少してしまっているものの、魚食に関する意識についてのアンケートでは、約9割が魚料理が好きと答えています。

そのため、この消費量減少の原因は魚嫌いの人が増えたためではありません。

魚介類の価格の高さや調理にかかる手間が原因で魚を食事に取り入れにくくなっている、という調査結果もあり、魚介類を日常の料理に取り入れるためのハードルを下げていくことが、今後の課題になります。

水産加工品の市場動向

魚介類全体の消費量は減少し続けているものの、手軽に使える水産加工品の消費量の減少は緩やかになってきています。

料理に手間がかけられない傾向にある一人暮らしや共働きの世帯が増加し、魚をさばく技術を持っている人も少なくなってきている中で、今後は水産業界における水産加工品の重要性がさらに大きくなっていくでしょう。

鮮魚加工の将来性は?

水産加工品の重要性が高まる中で、水産加工品の生産に関わる鮮魚加工の仕事もますます重要なものになっていくと考えられます。

鮮魚加工の仕事の将来性は十分にあると言えるでしょう。

また、個人のキャリアを考えても、鮮魚加工に必要な魚に関する知識や技術は、仕事としての経験がないとなかなか身につけられるものではありません。

鮮魚加工の仕事から一度離れたとしても、その経験は魚に関わる業界で非常に重宝されるはずです。

鮮魚加工工場やスーパーの鮮魚部門、魚屋さんなどの他にも、寿司屋などの飲食店への転職も有利になります。

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鮮魚加工の仕事はつらいと言われることも多いため迷いもあったかもしれませんが、魅力ややりがいも大きいものです。

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