面接では、応募者の適性を図るためにさまざまなことを聞かれます。
「最後に一言」は、面接でよく聞かれる質問のひとつです。
「最後に一言」と言われたときになんと答えればいいかわかりません。
という方のために本記事では、面接で「最後に一言」と聞く理由や効果的な例文を紹介します。
「最後に一言」以外の面接時でよく聞かれる質問について知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
面接の最後に強い印象を残すための一言をマスターしましょう!
面接で「最後に一言」と聞く理由【3つ】
ここからは、面接で「最後に一言」と聞く理由を3つ紹介します。
把握できなかった一面を知るため
採用担当者は、応募者の人柄をさらに把握するために「最後に一言」を聞きます。
多くの回答は事前に準備されていますが、この質問は準備されていないことが多く、自然な反応や個性、熱意を引き出せます。
また、応募者が自由に回答できるため、自己PRや志望動機のように練習された答えではなく、その場で感じたことや考えを表現しやすくなるでしょう。
これにより、採用担当者は、応募者が自社に適しているかどうか、またどのような人柄を持っているのかを短時間でより深く理解しようとしています。
アピールするチャンスを与えるため
応募者に追加のアピールの機会を提供することも「最後に一言」と聞く目的のひとつです。
面接中の緊張や準備不足で、自分の強みや熱意を十分に伝えられないことがあります。
そのような場合でも、採用担当者は、「最後に一言」でその不足を補うチャンスが与えられます。
応募者は、面接の終盤でリラックスしているため、自分らしさを出しつつ、自分の強みや入社意欲を再度アピールできるでしょう。
|「最後に一言」は、採用の判断材料として考慮されることもあるため、面接中に伝えきれなかった自分の魅力や企業への思いを明確に伝えてください。
応募者の疑問や不安を解消するため
応募者が入社に対して疑問や不安を抱えたままでは、内定を出しても辞退される可能性があります。
そのため、企業は、面接を通じて応募者の不安をできる限り取り除きたいと考えています。
「最後に一言」と聞くことで、応募者が面接中に気づかなかった点や、さらに確認したいことを解決できるでしょう。
「最後に一言」で伝える内容と効果的な例文【5選】
「最後に一言」と聞かれたからといって何でも話してもいいというわけではありません。
伝える内容によっては、不採用の可能性が高まります。
ここからは、「最後に一言」で伝える効果的な内容を例文とともに5つ紹介します。
入社への熱意
「最後に一言」と聞かれたら、入社への熱意を伝えましょう。
選考が進むにつれて、応募者の志望度が重要な判断基準となります。
応募者の「この応募者は本当にこの企業に入社したい」という意思が強いことを採用担当者へアピールできれば、選考通過率も高くなるでしょう。
|入社への熱意を伝える際は、エントリーシートや面接で話した内容を繰り返すのではなく、自分が最も伝えたい企業の魅力や自分がどのように貢献できるかを強調してください。
最終的に、入社への熱意を強調し、選考でのアドバンテージを得ましょう。
回答例①
本日は、お時間をいただきありがとうございました。
私は、金融に興味を持っており、小学校の頃から地域で開かれているお金に関する子ども向けセミナーへ積極的に参加していました。
また、大学時代には、金融系の資格獲得に独学で挑戦し、大学1年生にファイナンシャル・プランニング技能士2級、大学3年生には日商簿記検定1級に合格しました。
現在も日本経済新聞や参考書などで金融の知識を得ています。
これまでに身につけた金融の知識や行動力をさらに磨き、御社へ貢献します。
回答例②
本日は、お時間をいただきありがとうございました。
今回の面接を通じて、御社のやりたいことが明確になり、より一層御社で仕事したいと感じました。
私は、大学時代に所属していた子育て支援のボランティアサークルでの経験から、子供たちを笑顔にすることへの喜びを実感しました。
たくさんの子供たちに愛されている玩具を生み出し続けてきた御社に貢献し、ひとりでも多くの子供たちを笑顔にしたいと考えています。
本日の面接で御社が海外進出を検討しているというお話を聞けたため、改めて入社したいと強く感じました。
採用担当者への感謝
面接で「最後に一言」と尋ねられた際に、採用担当者への感謝の気持ちを伝えることも効果的です。
感謝の意を示すことで、礼儀正しさや真面目さをアピールできます。
|お礼を述べる際には、単に「ありがとうございました」と言うだけでなく、面接の中で学んだことや自身の思いを加えましょう。
採用担当者への感謝を伝えることで、採用担当者に対して良い印象を残せます。
回答例①
本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
お話を通じて、貴社の魅力や業務内容について理解が深まりました。
私の経験とスキルを生かし、貴社でぜひ貢献したいと強く感じております。
引き続きご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
回答例②
本日は、お時間を割いていただき、誠にありがとうございました。面接を通じて、貴社での業務にますます魅力を感じました。
もしご縁をいただけるならば、全力で貢献していきたいと考えております。
よろしくお願い申し上げます。
再現性
再現性とは、同じ条件下で同じ手法やプロセスを繰り返すことで、一貫して同じ結果や成果を得られる能力です。
面接では、ガクチカや自己PRなどを通じて、入社後にどのように活躍できるかというような再現性を確認します。
面接中に自分の強みを十分にアピールできなかった場合や、伝えたいポイントが漏れてしまった場合に、「最後に一言」で不足分を補うのは有効です。
|再現性をアピールする際は、具体的な実績や再現性の高い能力を改めてアピールしましょう。
具体的なエピソードなどを交えることで、採用担当者に強い印象を与え、自分がどれほど企業に貢献できるかを明確に伝えられます。
回答例①
本日は、面接の機会をいただきありがとうございます。
私は、これまでのキャリアで培ったスキルと経験を通じて、さまざまな成果を再現することに自信があります。
一例として、私は前職で営業部のリーダーとしてチーム売り上げで社長賞を獲得した際のリーダーシップと計画性は、こちらでも実現できると考えています。
御社で同様の貢献ができるよう、尽力いたします。
回答例②
本日は、お時間をいただきありがとうございました。
私はこれまでに、中学時代に英語のスピーチコンテストの関東大会で7位に入賞したり、高校時代に所属していたサッカー部で国体へ出場したりと、多様な環境で成果を上げてきました。
その経験をもとに、御社のニーズに応じた成果を再現することが可能だと確信しています。とくに、チームビルディングや顧客対応において、これまで培ったノウハウを活かし、貢献できればと考えています。
企業への質問
「最後に一言」で伝えることがない場合は、企業情報を収集した際や面接時に出た不明点について質問してみましょう。
採用担当者へ積極的に質問することで、自分が企業や業務に対して真剣に興味を持っていることを示せます。
|とくに、社内の人でなければ答えられないような具体的な質問することで、採用担当者に対する関心や意欲を強調できるでしょう。
一般的な情報やインターネットで調べられる内容を質問するのは避けてください。
逆質問がうまくできれば、単なる受け答えに留まらず、自分の前向きな姿勢や成長意欲も伝わります。
逆質問のポイントを押さえたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
回答例①
本日は、お時間をいただきありがとうございました。
最後に一つ質問させていただければと思います。
御社で成功するためには、どのようなスキルや特性が特に重要と考えられているのでしょうか。
また、そのために私が今から準備できることがあれば、ぜひ教えていただきたいです。
回答例②
お忙しい中、面接の機会をいただきありがとうございました。
御社で働くことを非常に楽しみにしております。
最後に、御社でのキャリアパスや成長の機会についてお伺いしたいのですが、特に新入社員が最初の数年でどのように成長できるのか、具体的な事例があれば教えていただけると幸いです。
面接のフィードバック
採用担当者へ伝えたいことや企業への質問がない場合は、面接のフィードバックを求めてみましょう。
採用担当者に対して具体的な質問や回答についての評価を求めることで、自分が真剣に学び成長しようとしている姿勢を伝えられます。
漠然とした質問よりも、具体的な部分についてのフィードバックを求めることで、採用担当者も答えやすくなり、配慮が感じられるため好印象を与えられるでしょう。
回答例①
本日は、お時間をいただきありがとうございました。
今回の面接を通じて、非常に貴重な経験をさせていただきました。
つきましては、今後の自己成長のためにフィードバックをいただけますと大変ありがたいです。
よろしくお願い申し上げます。
回答例②
本日は、お忙しい中、面接のお時間をいただきありがとうございました。
私自身も成長の機会と考えておりますので、率直なフィードバックをいただけますと非常に助かります。
改善点などございましたら、ぜひご教示ください。
「最後に一言」と聞かれたときに意識すること【5つ】
ここからは、「最後に一言」と聞かれた時に意識することを5つ紹介します。
「特にありません」は避ける
「最後に一言ありますか?」と聞かれた際に、「特にありません」と答えることは避けましょう。
「特にありません」と答えることで、採用担当者に「志望度が高くない」と受け取られる可能性があります。
「最後に一言」は、応募者にとって最後のアピールのチャンスです。
何も伝えないことは、採用担当者に対して関心や意欲が欠けている印象を与えかねません。
何らかの言葉を用いて、前向きな姿勢を示しましょう。
既に面接で伝えたことは繰り返さない
「最後に一言」と聞かれたら、面接中に伝えた内容を再度伝えるのは避けましょう。
既に話した内容を再度繰り返すと、採用担当者に対して新しい情報を提供する機会を逃してしまう可能性があります。
伝えたいことや質問などがない場合は、採用担当者への感謝を伝えたり、面接のフィードバックを求めたりしましょう。
回答が冗長にならないようにする
「最後に一言」の回答に伝えたいことを詰め込みすぎると、採用担当者へ伝えたいことがうまく伝わらない可能性があります。
また、短すぎると伝えたいことが不十分になり、採用担当者に誤解される恐れもあります。
「最後に一言」と言われた際は、約1分を目安に回答してください。
ありふれた発言は避ける
「最後に一言」と求められたときには、ありふれた発言を避けてください。
企業の基本情報やホームページに載っている内容についての質問は、簡単に調べられます。
そのため、安易に誰でもわかるようなことを聞くと、採用担当者は応募者の準備不足や企業への関心が希薄だと感じるでしょう。
逆質問の機会を最大限に活用するためには、より深い情報や実際の業務に関連したことを聞いてみてください。
面接で話した内容について深掘りするのも有効です。
ネガティブな発言は避ける
面接で「最後に一言」と聞かれた際は、ネガティブな発言を避けましょう。
採用担当者は、入社後に長く活躍できる人材を求めています。
ネガティブな発言で採用担当者に志望度が低いと見なされてしまうと、企業側に「この候補者はあまり熱心ではない」と思われてしまうかもしれません。
「最後に一言」では、熱意や貢献したい意欲を伝えましょう。
「最後に一言」と聞かれなかった場合の対応
面接の時間が限られているため、質問の数や採用担当者の判断によって「最後に一言」と聞かないこともあります。
面接で「最後に一言」と聞かれなかったとしても、落ち込む必要はありません。
面接後に「伝えたかったことが伝えきれなかった」と感じた場合は、自分から「最後に一言だけお時間いただけますでしょうか?」と切り出してみましょう。
「最後に一言」の時間を設けてもらった際に、長々と話すのは逆効果になることがあるため注意しましょう。
どうしても時間をつくれない場合は、感謝の意を端的に述べて、採用担当者の印象を良くしましょう!
面接当日に気を付けること【8つ】
面接では、受け答えが良くても、他の要素によっては選考を通過できない可能性があります。
ここからは、面接当日に気を付けることを8つ紹介します。
面接当日の流れや面接に持っていくものについて知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
到着時間
面接では、会社に到着する時間を面接開始の15分前に設定し、受付には10分前までに到着するのが理想です。
これにより、万が一の遅延や受付の手続きに余裕を持てます。
ギリギリの到着や遅刻はもちろんNGですが、到着するのが早すぎると、会社の業務を中断させたり、準備が整っていなかったりすることもあります。
会場に早く着いたら、近くのカフェやレストランで身だしなみや回答内容をチェックし、リラックスして面接に臨みましょう。
身だしなみ
面接時の身だしなみは、ビジネスマナーの基本です。
不潔な印象やTPOに合わない格好は評価を下げる原因となります。
面接には、清潔感のあるリクルートスーツやオフィスカジュアルで挑みましょう。
リクルートスーツやオフィスカジュアルは、シンプルで無地のものを選んでください。
また、髪型やひげも整え、ネクタイや靴などの小物もシンプルで控えめなデザインを選びましょう。
待機室での態度
面接における待機室での態度は、直接的な評価項目ではないものの、採用担当者に与える印象に影響を及ぼす可能性があります。
スマホやタブレットの使用、音楽の再生、居眠りなどは控え、姿勢よく、静かに過ごしましょう。
採用担当者が見ていないようでも、待機室での態度が全体の印象に影響を与える可能性があるため、注意してください。
入室
面接の入室方法にも、基本的なビジネスマナーが求められます。
入室時の基本的マナー
- 面接会場へ入室する際は、ドアを3回ノックしてから入室の許可を待ちましょう。
- ドアを開けたら「失礼いたします」と声をかけ、静かにドアを閉めてください。
- 入室後は、採用担当者に向かって30度の角度でお辞儀し、自己紹介してから着席します。
- この際、カバンは指定された場所に置くか、椅子の横に置きましょう。
全体を通して、姿勢を正し、礼儀正しく振る舞うことが重要です。
面接時の姿勢
面接での座り方は、採用担当者へ良い印象を与えるために重要です。
好印象を与える座り方
- 椅子に座るときは、背もたれから握りこぶし1つ分ほど離れ、浅すぎず深すぎない位置を心がけましょう。
- 姿勢は背筋を伸ばし、顎を引いて、前かがみにならないようにします。
- 男性は手を太ももの上に軽く置き、女性は膝の上で重ねておきます。
- 足は肩幅程度に開き、膝とつま先は前に向けましょう。
これらの基本マナーを守ることで、採用担当者に対して誠実で礼儀正しい印象を与えられます。
退室
面接では、退室時もマナーを守らなければなりません。
退室時の基本的マナー
- 面接が終了したら、椅子に座ったまま「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝の意を示し、お辞儀してください。
- 次に立ち上がり、椅子の横で再度お辞儀し、ドアの前まで移動してから採用担当者に向き直り「失礼します」と言い、もう一度お辞儀します。
- ドアは静かに開閉し、音を立てないように気を付けましょう。
- 退室後は、まっすぐ建物の出口に向かってください。
また、採用担当者が見送りしてくれる場合は、静かに笑顔で対応し、質問には感謝の気持ちを込めて答えましょう。
トラブル発生時の対応
面接当日は、遅刻や体調不良などのトラブルが発生する可能性があります。
面接当日にトラブルが発生した場合、迅速かつ適切に対処することが重要です。
交通機関の乱れで遅刻する場合は、遅刻が確定した時点で採用担当者に電話をかけ、理由と到着目安時間、お詫びを伝えましょう。
体調不良で面接を受けられない場合も、事前に連絡することが望ましく、当日になってからでも熱意を伝えた上で相談してください。
いずれのケースでも、企業の電話番号を事前に確認しておくことが求められます。
お礼メール
面接が終了したら、お礼メールを送りましょう。
お礼メールにて採用担当者への感謝の意を伝えることで、礼儀正しさや社会人としてのマナーをアピールできます。
また、面接の振り返りを通じて、志望の熱意や興味も示せるでしょう。
さらに、担当者に自分の名前や印象を再認識してもらうことで、他の候補者との差別化を図れます。
例文
件名: 面接の御礼([応募職種名])
[採用担当者様の名前] 様
本日、[応募職種名]の面接にご対応いただきました[自分の名前]です。
本日はお忙しい中、貴重な面接の機会をいただき、誠にありがとうございました。
面接を通じて[貴社の業務や方針の具体的な内容]について直接お話を伺い、自身のスキルや経験がどのように貴社に貢献できるか、より明確にイメージすることができました。
貴社の一員として[貴社の理念や業務への貢献意欲]を実現したいという思いをさらに強くしております。引き続きご選考いただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
[自分の名前]
[連絡先]
ーまとめー
面接の準備をしっかりして自信を高めよう
今回は、面接で「最後に一言」と聞く理由や回答例を紹介しました。
面接の回答を事前に考えることで、質問に対して的確かつ自信を持って答えられ、面接官に良い印象を与えやすくなります。
また、予想外の質問にも冷静に対応でき、自己アピールの効果が高まります。
「最後に一言」をはじめとした面接の回答に不安がある方は、エージェントや大学のキャリアセンターなどに相談してみてください。
まとめ
面接の準備をしっかりして自信を高めよう
今回は、面接で「最後に一言」と聞く理由や回答例を紹介しました。
面接の回答を事前に考えることで、質問に対して的確かつ自信を持って答えられ、面接官に良い印象を与えやすくなります。
また、予想外の質問にも冷静に対応でき、自己アピールの効果が高まります。
「最後に一言」をはじめとした面接の回答に不安がある方は、エージェントや大学のキャリアセンターなどに相談してみてください。