採用選考へ臨むにあたり、面接対策は必要不可欠です。スムーズかつ的確な受け答えにより、採用担当者に好印象を与え、内定獲得の可能性が高まります。
しかし、どのような質問が来るか予測できず、十分に対策できなかったという方も少なくないでしょう。
本記事では、面接でよくある質問を模範回答とともに紹介します。
これから面接対策する方は、参考にしてください。
面接での受け答えを磨き、
次のステージへと進むための秘訣を学びましょう。
面接でよくある質問と模範回答【6選】
ここからは、面接でよくある質問を6つ紹介します。
模範回答も紹介しているので、回答集を作成する際に利用してみてください。
志望動機
採用選考では、応募者がその企業や職種に対してどれほどの熱意や理解を持っているかを知るために志望動機を聞きます。
志望動機が明確かつ具体的であることで、採用担当者は応募者の適性や会社との相性を判断しやすくなります。
また、志望動機を通じて応募者の価値観や目標が会社のビジョンと一致しているかどうかを確認できるため、採用担当者は、長期的な貢献を期待できる人材を見極めることが可能です。
模範回答①
私は、御社の高品質な製品と、持続可能な製造プロセスへの取り組みに感銘を受けました。
私は、大学で機械工学を学び、製造プロセスの効率化と品質管理について研究してきました。
研究の一環でさまざま企業の製造プロセスを調査しましたが、御社はとくにIoTを活用した生産性の向上や産業廃棄物がほとんど出ないことなど他企業よりも配慮している印象が強く感じられました。
また、御社の代表的な製品のクオリティからも製品への強いこだわりを感じました。
私は、御社の一員として、さらに優れた製品を世に送り出すために貢献したいと考えています。
模範回答②
私は、御社のお客様に対するきめ細やかなサポート体制に強く共感しました。
私は、以前御社の支店を利用したのですが、初来店で不慣れな私に御社の社員が優しくサポートしてくださり、非常に満足しました。
また、御社の経営理念からも顧客を大切にする意志が十分に伝わってきました。
私は、御社に入社後、自分の知識やノウハウを活かし、ひとりでも多くの顧客に満足していただくために貢献したいと考えております。
模範回答③
私は、御社のウェブアプリを通じて物流業界の人員不足を解消したいと考えております。
私は、大学時代に郵便配達のアルバイトをしていました。
私が担当していた区域は住宅街が多い区域でした。
そのため、配達先がわかりづらかったり、不在であることが多かったりと、さまざま不便を感じていました。
私は、御社のメイン事業である物流サービスアプリの開発に携わることで、物流業者の負担を軽減させたいと考えております。
自己PR
採用選考では、応募者の強みやスキル、経験が企業にとって有益であるかを判断するために自己PRを聞きます。
自己PRにより、採用担当者は、応募者の能力や適性、働く姿勢を把握しやすくなります。
また、自己PRを通じて、応募者の個性や価値観が企業の文化や求める人物像と一致しているかどうかを確認できるため、企業にとって長期的に貢献できる人材かどうかの見極めが可能です。
これにより、採用の成功率を高め、応募者自身も自信を持って選考に臨めます。
模範回答①
私の強みは、課題解決力です。
私は大学1年生の冬からコンサルティング会社の長期インターンシップに参加しています。
インターンシップでは、市場調査や提案営業を中心にさまざまな業務を任されてきました。
しかし、インターンシップを始めた頃は、自分の意見に自信が持てませんでした。
そのため、会議に参加しても何も話せませんでした。
そのような状況を変えるために、私はロードマップを策定し、自信を持って発言できるようになるまでの筋道を明確にしました。
ロードマップに従い、終業後に30分程度これまでの業務を振り返る時間を設けたり、会社が主催している勉強会へ積極的に参加することで、根拠立てて発言できる力が身につきました。
現在は、部署の中心メンバーとして会議で発言しています。
模範回答②
私の強みは、コミュニケーション能力です。
とくに個別指導塾における塾講師のアルバイトでこの力を発揮しました。アルバイトで指導していた生徒の中には、授業に対して緊張し集中できない生徒がいました。
私は授業を始める前に雑談を交えることで、生徒をリラックスさせました。
この取り組みにより、生徒の成績が伸び、上司からも高く評価されました。
御社に入社した際は、コミュニケーション能力を生かし、チームビルディングや新規顧客の開拓に貢献したいと考えています。
模範回答③
私の強みは、挑戦力です。
私は、大学時代に未経験の状態から文化祭のウェブサイト制作に挑戦しました。
全くの未経験から、文化祭へ行ってみたいと思えるクオリティのウェブサイトを制作することは想像以上に困難でした。
そこで私は、大学のウェブサイト作成を担当している方とコンタクトを取り、作成したウェブサイトのフィードバックをもらいました。
また、SNSで有識者へDMを送り、ウェブサイト作成のコツやコードの組み方などのレクチャーを受けました。
結果的に多くの方から好評を得られるウェブサイトを作成できました。
ガクチカ
近年は、 採用選考でガクチカ(学生時代に頑張ったこと)について聞く企業が増えています。
採用担当者は、ガクチカを聞くことで、問題解決能力やリーダーシップ、協調性など、仕事に直結するスキルや資質を把握できます。
また、学生時代にどのような目標を持ち、どのように努力したかを知ることで、応募者の価値観やモチベーションを理解しやすくなり、企業と応募者のミスマッチを防げるでしょう。
これにより、採用担当者は、応募者の適性や潜在能力を判断しやすくなります。
模範回答①
学生時代に頑張ったことは、軟式野球部でレギュラーとなるため練習に取り組んだことです。
私は、部内で唯一高校野球の経験がありませんでした。そのため、首脳陣から思うように評価されず、入部当初はベンチメンバーでした。
そこで、私は、レギュラーを獲得するために、チームにおける自分の強みと弱みを分析し、自分が持つ強みを生かすプレースタイルを首脳陣へアピールしました。
休日も2,3時間程度個人練習を実施し、常にベストな結果を出せる状態を維持しました。結果として、2年生になってからレギュラーを勝ち取れました。
この経験から、目標達成のために分析・対策することの重要性を学びました。
模範回答②
私は、昨年の10月にモバイルショップのアルバイトで、最新機種の月間販売目標の150%達成しました。
月初の段階では、販売目標の10%にしか達していませんでした。
そこで、最新機種の認知度が低いことと、陳列場所に注目しました。
そして、スマホの使い方や修理について相談してきた顧客へ積極的に最新機種を勧めたり、入り口付近に最新機種を陳列するように店長へ相談したりしました。
結果として、1ヶ月間で販売目標の150%を達成しました。
模範回答②
私は、高校時代に高齢者を支援するボランティアサークルを設立しました。
ボランティアサークルでは、メンバーとともにハンドメイドの小物を制作し、販売収益を高齢者施設へ寄付しました。
活動にあたり、費用と販売ルートが課題としてあがりました。私は、OBOGや地域コミュニティーと協力してクラウドファンディングし、10日間で目標資金を確保しました。
また、アンケートを通じて市場調査しつつ、校内販売とフリマアプリで小物を販売しました。
その結果、30万円にのぼる販売収益を獲得しました。
失敗した経験
採用選考では、応募者の成長意欲や問題解決能力を知るために過去に失敗または苦戦した経験について聞きます。
志望動機が明確かつ具体的であることで、採用担当者は応募者の適性や会社との相性を判断しやすくなります
就活生は、失敗経験を正直に伝えることで、自己理解や自己改善の姿勢をアピールすることが可能です。
また、失敗から得た教訓や具体的な改善策なども伝えることで、逆境に対する対応力や柔軟性を評価されます。
結果として、企業と応募者のマッチングが向上し、長期的な貢献が期待できる人材を採用できます。
模範回答①
私は、高校時代に体育祭の実行委員を務めていました。
体育祭の準備では、種目や当日の動きなど決めることやるべきことがたくさんありました。
しかし、コミュニケーション不足が原因で、スケジュールが大幅に遅れました。
この経験から、定期的なミーティングとチーム内での情報共有の重要性を学びました。
体育祭の実行委員は2年連続で担当しましたが、2回目の体育祭実行委員会では、積極的にコミュニケーションを取り、全員が同じ目標に向かって効率的に進めるように努めました。
模範回答②
アルバイト先でのミスが原因で、顧客にご迷惑をおかけしたことがあります。
私は、居酒屋のアルバイトで、同じ顧客に注文と異なる料理を複数回提供してしまい、後日その顧客からクレームを受けてしまいました。
その時は、自分のミスを素直に認め、すぐに上司に報告して対応策を考えました。
この経験から、ミスを恐れずに迅速に対応し、再発防止のための対策を講じることの重要性を学びました。
模範回答③
私は、広告代理店のインターンシップに参加しています。
インターンシップで担当した業務で、初めての環境に適応できず、初めは思うように成果を上げられませんでした。
しかし、この経験を通じて、困難な状況でも積極的にフィードバックを求め、自己改善に努める姿勢の重要性を学びました。
結果的に、最終的には業務を効率的にこなせるようになり、上司からも評価をいただきました。
企業選びの軸
一般的に就活生は、複数企業の選考へ応募しています。
どのような基準で応募する企業を選んでいるかを尋ねることで、応募者が自身の価値観やキャリアビジョンを知ることが可能です。
また、応募者がどのような環境や企業文化を重視し、どのような目標を達成したいのかなども把握できます。
結果的に、採用担当者は応募者が企業の理念や目指す方向性と一致しているかを判断できます。
模範回答①
私の企業選びの軸は、成長機会が豊富であることです。
私は、常に新しいスキルや知識を身に付け、自分自身を成長させ続けたいと考えています。
御社は、研修プログラムやキャリアアップの機会が充実しており、若手社員が積極的に挑戦できる環境が整っていると感じました。
このような環境で、自分の可能性を最大限に引き出したいと考えています。
模範回答②
私の企業選びの軸は、企業文化に共感できるかどうかです。
働く上で、企業の価値観や雰囲気が自分に合っていることが重要だと考えています。御社はチームワークを重視し、社員一人ひとりの意見を尊重する風土があると聞きました。
このような環境で、自分の意見を積極的に発信しながら働きたいと考えています。
模範回答③
私の企業選びの軸は、ワークライフバランスが取れていることです。
仕事と私生活の両立ができる環境で働くことが、自分のパフォーマンスを最大限に発揮するために重要だと考えています。
御社は、テレワークやフレックスタイムを積極的に導入するなど柔軟な働き方を推奨しており、社員の健康や生活を大切にしていると感じました。このような環境で、長期的に働き続けたいと考えています。
入社後にやりたいこと
採用選考では、応募者がどのように企業に貢献し、どのようなキャリアを築きたいかを把握するために入社後のビジョンを尋ねます。
具体的な目標を持つ応募者は、入社後のパフォーマンスやモチベーションが高く、長期的な貢献が期待できます。
そのため、企業にとって魅力的な人材として評価されやすくなるでしょう。
模範回答①
入社後は、御社のAI開発チームで最先端の技術を学び、プロジェクトに積極的に参加していきたいと考えています。
私は、大学でデータサイエンスを専攻しています。大学で学んだ機械学習の知識を活かし、データ分析やモデルの改良に取り組み、御社の製品価値向上に貢献します。
また、将来的にはプロジェクトリーダーとしてチームを牽引し、革新的なソリューションを提供できる存在になりたいと思います。
模範回答②
入社後は、クリエイティブチームで広告キャンペーンの企画・制作に携わりたいと考えています。
私は、インターンシップでマーケティング業務に携わっていました。
インターンシップで学んだマーケティングの知識と実務経験を活かし、顧客のブランド価値を高めるための斬新なアイデアを提案したいと考えています。
将来的には、プロジェクトマネージャーとして、複数の広告キャンペーンを統括し、チームの成果を最大化する役割を担いたいと思います。
模範回答③
入社後は、お客様のニーズを深く理解し、最適な金融商品を提案する営業として経験を積みたいと考えています。
大学で学んだ経済学の知識を活かし、金融市場の動向を分析し、お客様に信頼されるアドバイザーになりたいと考えています。
将来的には、企画部門で新しい金融商品を開発し、御社の競争力強化に貢献したいと思います。
面接の受け答えで意識すべきこと【5つ】
ここからは、面接の受け答えで意識すべきことを5つ紹介します。
対面だけでなく、Web面接でも当てはまるので、よくある質問と併せて把握し、面接の合格を目指しましょう。
1分以内を目安に答える
面接の受け答えでは、1分以内を目安に話すことを意識しましょう。
回答が短すぎるとアピール不足となり、長すぎると要点が伝わりにくくなります。
1分を目処に回答することで、簡潔で明瞭なコミュニケーションが可能になり、面接官に対して自分の考えや経験を効果的に伝えられます。
回答を用意したり、模擬面接を実施したりする場合は、受け答えの内容だけでなく回答時間も意識しましょう。
日本速読解力協会によると、ニュースで原稿を読む速度は、平均で約300文字/分、競馬の実況は約700〜800文字/分とされています。1分以内に収めようとして早口になると聞き取れなくなるので注意しましょう。
結論から話す
面接の受け答えでは、結論から話すことを意識しましょう。
結論を最初に述べることで、面接官が要点をすぐに理解でき、話の全体像を把握しやすくなります。
また、結論を先に示すことで、その後の説明が補足的な役割を果たし、説得力が増します。
回答を準備する場合は、「結論→理由(エピソード)→入社後の展望」というような構成で作成しましょう。
自己PRの具体例
・結論
私の強みは、巻き込み力です。
・理由(エピソード)
高校時代は、生徒会長として生徒を巻き込み、文化祭で初めてミス(ミスター)コンテストを開催しました。
・入社後の展望
巻き込み力を使ってプロジェクトを成功へと導きたい。
明るくハキハキと話す
面接の受け答えでは、明るくハキハキと話すことを意識しましょう。
明るい態度は、ポジティブで前向きな印象を与え、面接官に好感を持たせます。
ハキハキとした話し方は、自信や誠実さを示し、相手に聞き取りやすくなります。
声のトーンやボリュームに注意し、明確な発音を心がけ、内容を正確に伝えましょう。
フィラー言葉を使わない
「えーっと」や「あのー」というように言葉に詰まった際に発する言葉を「フィラー言葉」といいます。
面接では、突拍子もない質問を投げかけられたり、緊張で頭が真っ白になることがあります。
回答が思い浮かばない場合にフィラー言葉を使うと、採用担当者に自信のなさや準備不足の印象を与えかねません。
そのため、面接の受け答えでは、フィラー言葉を使わないことを意識しましょう。
回答がすぐに浮かばないときは、採用担当者に回答を考える旨を伝え、冷静に言いたいことをまとめてから話し始めるようにしてください。
面接官の質問をしっかりと聞く
面接の受け答えでは、質問をしっかりと聞くことを意識しましょう。
質問の意図を正確に理解することで、適切かつ具体的な回答を提供でき、面接官に対する印象が良くなります。
また、必要に応じて質問を繰り返したり、補足を求めたりすることで、誤解を防ぎ、的確な回答ができます。
これにより、コミュニケーション能力の高さや誠実な姿勢が伝わり、面接官からの評価が上がります。
ーまとめー
質問に備え回答を事前に練習し、自信を持って臨もう
今回は、面接でよくある質問を紹介しました。
緊張していると、回答が拙くなる可能性があります。しかし、事前にどのように回答するか決めて練習しておくと、自信を持って面接に挑めるでしょう。
企業ごとに回答を考えておき、選考の通過率を高めましょう。
客観的な視点で回答を添削したい場合は、大学のキャリアセンターや就活支援サービスなどを利用してみてください。
まとめ
質問に備え、回答を事前に練習し自信を持って臨もう
今回は、面接でよくある質問を紹介しました。
緊張していると、回答が拙くなる可能性があります。しかし、事前にどのように回答するか決めて練習しておくと、自信を持って面接に挑めるでしょう。
企業ごとに回答を考えておき、選考の通過率を高めましょう。
客観的な視点で回答を添削したい場合は、大学のキャリアセンターや就活支援サービスなどを利用してみてください。