
リクルーター面談とは、企業の社員が学生と1対1で実施する、非公式な情報交換や見極めの場です。
選考前や選考途中に実施されます。
採用選考の面接とは異なるため、どのように振舞えばいいかわからない方もいるでしょう。
そこで、本記事ではリクルーター面談でよく聞かれる質問や、リクルーター面談当日の持ち物などを紹介します。
この記事を参考に、リクルーター面談を成功させ、選考を有利に進めましょう。

リクルーター面談とは?

リクルーター面談とは、企業のリクルーター(採用担当者)と実施するカジュアルな面談です。
表向きには選考とは言えないものの、実質的な選考や選考ルートの短縮手段として選考前や選考途中に実施されます。
株式会社ディスコによると、2020年卒就活生の48.1%がリクルーター面談を経験しました。
リクルーター面談の起源は、日系大手企業の「青田買い」文化とされています。
とくに、日本では、新卒採用において企業が優秀な学生を早期に囲い込む目的で、リクルーターを通じて接触したのが始まりです。
リクルーター面談は、1970年代〜1980年代頃に広まりました。
現在では、外資系企業やコンサル業界でもリクルーター面談が一般的となっており、学生や転職希望者との関係構築や企業理解を深める手段として利用されています。
リクルーター面談は選考に影響する?
リクルーター面談は、選考に影響する場合としない場合があります。
それぞれのリクルーター面談は、以下のような特徴があります。
選考に影響する場合
- リクルーターが複数回にわたって接触する
- 面談後に「フィードバックを人事に共有する」と言われる
- 志望動機や学生時代の経験などを深掘りされる
- 他社の選考状況や志望度を具体的に聞かれる
- 特別ルートや早期選考の案内が来る
- 会話の中で「合否」や「評価」といったキーワードが出る
選考に影響しない場合
- 「選考には影響しません」と明言される
- 企業説明や業界説明がメインの内容
- 志望動機や自己PRなどはあまり聞かれない
- リクルーターが学生の就活状況や悩みに寄り添ってくれる
- 学生側からの質問が中心になっている
- フィードバックや評価についての言及がない
- 就活イベントや説明会への案内が主な目的
リクルーター面談でリクルーターが注目しているポイント【7つ】

選考へ影響するリクルーター面談では、リクルーターが就活生を評価するために注目するポイントがいくつかあります。
ここでは、リクルーター面談でリクルーターが注目しているポイントを7つ紹介します。
ビジネスマナー
リクルーター面談では、社会人としての基本素養を備えているかを見極めるために、ビジネスマナーをチェックします。
また、挨拶や言葉遣い、身だしなみ、態度などから、企業で円滑に働けるかを見極めます。リクルーター面談での印象は、後の選考やフォローに影響することもあるため、基本的なビジネスマナーは事前に把握しておきましょう。
リクルーター面談や採用面接時のマナーについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

企業や業界への理解度
リクルーター面談では、就活生の志望度や事前準備の丁寧さを見極めるために、企業や業界への理解度をチェックします。
企業研究が不十分だと、本気度が伝わりません。
また、企業や業界への理解が薄いまま入社すると、ミスマッチを引き起こす可能性が高まるでしょう。
そのため、企業は就活生の理解度を通じて将来的な活躍や定着の可能性を判断します。
また、理解が深い学生には選考の後押しをする場合もあります。
志望度
リクルーター面談では、学生が本当にその企業に興味を持ち、入社意欲があるかを早期に見極めるために企業や業界への志望度をチェックします。
志望度が高いと、今後の選考での優遇や特別なフォローを検討する材料にもなります。
また、志望度が低い学生に対しては動機を深掘りし、モチベーションを高める働きかけることもあるでしょう。
コミュニケーション能力
リクルーター面談では、職場での円滑な人間関係やチームワークの基盤となる力を見極めるためにコミュニケーション能力をチェックします。
具体的には、質問への受け答えや話の展開力、相手の意図をくみ取る力などから、社会人としての適応力や協調性を判断します。
一般的に、リクルーター面談は対話形式のため、自然な会話の中での対応力も評価のポイントです。
人柄
リクルーター面談では、企業の価値観や職場の雰囲気に合うかどうか”を見極めるために、就活生の人柄や適性をチェックします。
具体的には、スキルや学歴だけでなく、信頼感や誠実さ、協調性といった人間性に着目します。
リクルーター面談を通じて、職場に適した人材を探すことで、定着率を高められるでしょう。
キャリアビジョン
リクルーター面談では、学生が自分の将来をどれだけ具体的に考えているか、そしてその方向性が企業と合っているかを見極めるために、キャリアビジョンをチェックします。
目指す姿と企業の成長機会が一致していると、長期的に活躍できる可能性が高まるでしょう。
また、将来像が明確な就活生は、仕事への意欲や主体性が高いと評価されやすくなります。
成長意欲
リクルーター面談では、入社後に自ら学び挑戦し続ける姿勢があるかを見極めるために就活生の成長意欲をチェックします。
変化の激しいビジネス環境では、成長意欲が高い人材ほど柔軟に対応し、早期に活躍できる傾向があります。
また、成長意欲は主体性やモチベーションの高さとも関係するため、将来の伸びしろを判断する重要な指標となっているのです。
リクルーター面談でよくある質問内容【6つ】

リクルーター面談では、リクルーターから多岐にわたる質問を受けることがあります。
ここからは、代表的な質問を回答例とともに6つ紹介します。
リクルーター面談をはじめとした就活の疑問を専門家へ相談したい方は、「リクスタ」をご利用ください。
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志望動機
リクルーター面談では、志望度や企業理解を早期に見極めるために志望動機を聞かれることがあります。
また、学生の本気度やマッチ度を把握し、今後の選考やフォローに活かします。
| 志望動機を答えるときは、「なぜその企業か」を具体的に語りましょう。
企業の特徴や価値観と自分の経験・目指す姿が一致していることを伝えることで、志望度の高さや納得感が伝わりやすくなります。

NG回答例①
なんとなく有名な企業だったので志望しました。
→ NG理由: 企業研究が不足しており、志望度の低さや本気度のなさが伝わる。

NG回答例②
御社を志望した理由は、福利厚生が充実していて、働きやすそうだからです。
→ NG理由: 自分本位な印象を与え、仕事内容や企業理念への興味が薄く感じられる。

OK回答例①
学生時代、サッカー部に所属していました。
部活では、県大会出場という目標を達成させるために練習メニューを部員で考えたり、練習後や試合後にフィードバックする時間を設けたりしました。
この経験を通じて、チームで目標を追い続けるために試行錯誤することにやりがいを感じました。
御社の「チームで価値を創る」という文化に強く共感し、自分の強みが活かせると感じ志望しました。

OK回答例②
環境問題に興味があり、ゼミでは脱炭素に関連する研究に取り組んでいました。
御社が環境分野で先進的な取り組みをしていることに魅力を感じ、自分の知識を実務に活かしたいと考えています。
ガクチカ
ガクチカとは、「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
リクルーター面談では、学生の人柄や価値観、努力の過程を知るためにガクチカを聞かれることがあります。
また、ガクチカを通じて基礎的な能力や思考力、行動力の有無を把握し、企業と就活生との相性を見極めます。
| ガクチカを答えるときは、「何に取り組み、どう工夫し、どんな成果を得たか」を具体的に伝えましょう。
また、自分の強みや思考・行動の特徴を伝わりやすくするために、エピソードに一貫性を持たせることも効果的です。

NG回答例①
学生時代に頑張ったことは、とくにありません。
→ NG理由: 成長意欲や主体性が感じられず、何も挑戦してこなかった印象を与える。

NG回答例②
学生時代は、サークルで友達と楽しく過ごしました。
→ NG理由: 楽しんだ事実のみで、努力・工夫・成果といった評価の軸になる要素が不明確。

OK回答例①
飲食店のアルバイトで、売上向上に取り組みました。
常連客との会話を意識し、来店頻度やおすすめ商品を記録した結果、月間売上を前年比120%に伸ばせました。
この経験を活かし、営業職として御社の売上向上にも貢献したいと考えています。

OK回答例②
ダンスサークルで副代表として、予算管理と広報を担当しました。
また、SNS発信を強化し、体験参加者を前年比1.5倍に増やすことに成功しました。
この経験により、運営の難しさと楽しさを学びました。
御社では、ダンスサークルの副代表としての経験をもとに、プロジェクト運営やマーケティング業務に貢献します。
キャリアビジョン
リクルーター面談では、企業との方向性の一致や志向性を確認するためにキャリアビジョンを聞くことがあります。
また、将来の目標を把握することで、長期的な活躍が見込める人材かどうかを見極めます。
| キャリアビジョンを答えるときは、自分の将来像と企業での成長がどうつながるかをアピールしましょう。
実現したい姿に対し、なぜその企業で働きたいのかを明確に伝えると、説得力が増します。

NG回答例①
とりあえず安定して働ければいいです。
→ NG理由: 自分の成長や挑戦に対する意欲が見えず、消極的な印象を与えてしまう。

NG回答例②
数年働いてスキルをつけたら独立したいです。
→ NG理由: 志向自体は悪くないが、タイミングや伝え方を誤ると、長期的に働く気がないと受け取られる。

OK回答例①
データ分析のスキルを高め、将来的にはマーケティングのプロフェッショナルとして事業戦略にも関われるようになりたいです。
私は、大学のゼミで地域企業の商品プロモーション企画に取り組みました。
その経験から、実務で分析から戦略まで担える貴社の環境に魅力を感じています。

OK回答例②
私は、居酒屋のアルバイトでシフトリーダーを任され、新人教育にも携わりました。
その経験から、将来的にはチームを率いるマネージャーとして、人と組織を育てられるようになりたいと考えています。
貴社は年次に関係なく裁量を持てると伺っており、成長できる環境があると感じました。
企業選びの軸
リクルーター面談では、学生の価値観や判断基準を把握し、自社との相性や志望度を見極めるために企業選びの軸を聞くことがあります。
また、企業選びの軸を把握することで、入社後のミスマッチを防ぎ、より精度の高い選考・フォローに役立てます。
| 企業選びの軸を答えるときは、自分の価値観や将来像をもとに、一貫性を持たせながら伝えましょう。
企業選びの軸とリクルーター面談を受けている企業の特徴が合致していることをアピールすることで、志望度や企業理解の深さが伝わりやすくなります。

NG回答例①
とにかく大手で有名な会社に入りたいです。
→ NG理由: ブランド志向だけが伝わり、企業理解や自身の価値観との関連性が見えず、浅い印象を与える。

NG回答例②
給料が高いところを重視しています。
→ NG理由: 金銭面だけに注目しており、仕事内容や成長環境への関心がないと判断される可能性がある。

OK回答例①
若手のうちから挑戦できる環境を重視しています。
私は、学生時代に所属していた学生団体で新たなイベントの企画・運営に挑戦し、ゼロから形にする経験を通して、計画力や巻き込み力を養いました。
その経験から、入社後も早くから成長できる環境に身を置きたいと考えています。

OK回答例②
理念や価値観に共感できるかを重視しています。
自分が心から納得して働ける環境でこそ力を発揮できると考えています。
そのため、企業の考え方や社会的な使命に共感できるかを軸にしています。
他社の選考状況
リクルーター面談では、学生の志望度や就活の進捗を把握し、自社がどの段階でアプローチすべきかを判断するために他社の選考状況を聞くことがあります。
また、他社の選考状況を把握することで、内定承諾の可能性や競合他社の状況を見極めます。
| 他社の選考状況を答えるときは、正直に答えることを意識しましょう。
進行中の選考や内定がある場合でも、焦らず自社への志望度が高いことを伝えることで、リクルーターに対する信頼感を与えられます。

NG回答例①
御社が第一志望なので他は受けていません。(実際は複数社受験中)
→ NG理由: 嘘がバレたときに信頼を損ねる。

NG回答例②
とりあえずたくさん受けてます。深くは考えていません。
→ NG理由: 企業選びへの姿勢や軸のなさが伝わり、真剣味を疑われる。

OK回答例①
同じ業界内で3社ほど選考を進めています。
中でも御社は、成長機会の多さや風土に惹かれており、最も志望度が高い企業です。

OK回答例②
今のところは説明会やES提出の段階の企業がほとんどです。
そのため、御社が最も早く面談機会をいただいた企業です。
その分、理解も深まりつつあり、志望度も上がっています。
逆質問
リクルーター面談では、逆質問を通じて、学生の企業理解や関心度を測るとともに、主体性や選考準備の徹底度を確認します。
また、逆質問により双方向のコミュニケーションを促し、企業との相性を正確に把握します。
| 逆質問では、企業や業務に対する具体的な興味を示しましょう。
事前に調べた情報をもとに、業界のトレンドや企業の文化、成長の機会について質問することで、企業への関心の深さをアピールできます。

NG回答例①
特にありません、大丈夫です。
→ NG理由: 企業への興味や準備不足を疑われる。

NG回答例②
年収ってどれくらいもらえますか?
→ NG理由: タイミングや言い方次第で、条件面ばかりに関心があると受け取られる。

OK回答例①
若手社員の方が実際にどのような裁量を持って働いているのか、具体的なエピソードがあれば教えていただきたいです。

OK回答例②
入社後にキャリアパスをどのように描いていけるか、またそれを支援する制度や文化があれば教えていただけますか?
リクルーター面談に必要なもの【5つ】

ここからは、リクルーター面談当日に準備すべきものを5つ紹介します。

筆記用具とメモ帳
| リクルーター面談に参加するときは、筆記用具とメモ帳を持参しましょう。
リクルーター面談では、企業情報やアドバイスなど重要な話が多く出ます。
筆記用具とメモ帳があると、その場で記録できるため、面談後の振り返りや選考対策に役立ちます。
また、メモを取る姿勢は真剣さのアピールにもなるため、必ず持参しましょう。

履歴書やエントリーシートのコピー
| リクルーター面談に参加するときは、履歴書やエントリーシートのコピーを持参しましょう。
リクルーター面談では、履歴書やエントリーシートの内容に基づいて質問されます。
コピーを持参することで、自分の経歴や志望動機を正確に把握しながら話せます。
また、履歴書やエントリーシートの内容を把握することで、受け答えのズレを防ぎ、自信を持って臨めるようになるでしょう。
リクルーター面談時に持参する履歴書の作成方法を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


企業研究・自己分析のメモ
| リクルーター面談に参加するときは、企業研究・自己分析のメモを持参しましょう。
企業研究や自己分析のメモがあると、自分の志望理由や強みを整理した状態で面談に臨めます。
また、企業理解の深さや準備の姿勢も伝わり、リクルーターに好印象を与えられます。

身分証明書
| リクルーター面談に参加するときは、身分証明書を持参しましょう。
リクルーター面談がオフィスや会場で実施される場合、入館手続きや本人確認のために身分証明書が求められることがあります。
スムーズな受付やセキュリティ対応のためにも、学生証や運転免許証などを持参しておくと安心です。

現金や交通系ICカード
| リクルーター面談に参加するときは、現金や交通系ICカードを持参しましょう。
リクルーター面談の際、移動に必要な交通費や飲食を伴う場合の支払いに備えて、現金や交通系ICカードを持っておくと安心です。
また、急な予定変更や立替が必要な場面にも対応でき、余裕を持って行動できるでしょう。
なお、交通系ICカードを利用するときは、残高があることを事前に確認しておきましょう。

ーまとめー
リクルーター面談を有効活用して内定獲得のチャンスを高めよう!

今回は、リクルーター面談でよく聞かれる質問や好印象を持ってもらうためのポイントなどを紹介しました。
リクルーター面談は、企業側が学生の人柄や志望度を見極める重要な機会です。
非公開情報の共有や選考への影響もあるため、今後の選考を有利に進めるうえで欠かせません。
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まとめ
リクルーター面談を有効活用して内定獲得のチャンスを高めよう!

今回は、リクルーター面談でよく聞かれる質問や好印象を持ってもらうためのポイントなどを紹介しました。
リクルーター面談は、企業側が学生の人柄や志望度を見極める重要な機会です。
非公開情報の共有や選考への影響もあるため、今後の選考を有利に進めるうえで欠かせません。
リクルーター面談を成功させ、選考を優位に進めましょう!
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