自己分析と業界研究はどっちが先？早期内定を目指すための実践ガイド

自己分析と業界研究は、どちらも就活に欠かせないプロセスです。

そんな自己分析と業界分析をどちらから始めればいいかわからないという方も少なくないでしょう。

自己分析と業界研究の順番に明確な回答はありません。

しかし、どちらから始めるかによって、就活の進め方が大きく異なります。

本記事では、就活における自己分析と業界研究の一般的な順番や最適な時期などを解説します。

自己分析とは？

  自己分析とは、自分の過去の経験や価値観、強み・弱みを客観的に振り返り、将来の進路や適職を見極めるプロセスです。

説得力のある自己PR・志望動機を考えるために実施します。

現在は、フレームワークやオンラインで利用できる自己分析ツールなども誕生しており、効率的に自己分析を始められる環境が整っています。

就活における自己分析の主な目的は、以下のとおりです。

  自己分析すると、自分の価値観や強み・弱みに気づけます。

具体的には、自分の過去の経験を言語化し、なぜそれが印象に残っているのかを深掘りすることで、自分らしさの根源が見えてきます。

一例として、高校のサッカー部で部長としてチームを県大会出場まで導いた人には、以下のような価値観や強み、弱みがあると考えられます。

このように、自分の感情や行動の傾向に目を向けることで、将来の働き方のヒントも得られます。

  自己分析すると、自分が何を大切にして働きたいかが明確になるため、数ある業界や企業の中から自分に合った選択肢を絞りやすくなります。

一例として、20代から活躍できることを重視する場合は、以下のような要素を就活の方針として定められます。

このように、価値観や適性を理解した上で行動できるため、無駄なエントリーや迷いも減らせます。

厚生労働省によると、2021年時点で就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が36.9％、新規大卒就職者が31.2％でした。

そんな早期離職の原因のひとつが、業界や業務の理解不足によるミスマッチです。

  自己分析すると、自分に合った働き方や環境を把握できます。

一例として、給与の高さばかりに固執して歩合が狙える営業職を目指していた人が、自己分析によって以下の要因により、製品やサービスを売り出す職種よりも製品やサービスを生み出す職種への志望度が高いことに気づくことなどがあります。

このように、自己分析により働く上での優先順位が明確になると、企業選びにも一貫性が生まれます。

業界研究とは？

  業界研究とは、各業界の特徴や仕組み、主要企業、今後の動向などを調べ、自分に合った業界を見極めるプロセスです。

志望動機の具体化やミスマッチの防止に役立ちます。

自己分析同様、業界研究においても適職診断ツールなどが誕生しているため、はじめて業界研究する方でも気軽に進められるでしょう。

就活における業界研究の主な目的は、以下のとおりです。

  業界研究により自分の価値観や強みと業界の特性を照らし合わせることで、適した業界を自然に絞り込めます。

一例として、創造性を活かしたい人には、以下のような業界が考えられます。

このように、自分に合った業界を絞り込むことで、業界ごとの将来性や職場環境を比較検討できるため、納得感の高い志望先を見つけやすくなります。

  業界研究すると、志望動機や自己PRを業界のニーズに合わせて具体化でき、選考対策の質が高まります。

一例として、IT業界を志望する学生が技術トレンドを理解することで、以下のような自己PRや志望動機を考えられます。

  業界研究すると、将来の働き方や目標設定が具体的になるため、キャリア設計しやすくなります。

一例として、金融業界を志望する場合、以下のような昇進ルートをふまえ、長期的な目標を立てられます。

このように、業界特有のスキル習得や役割の変化を把握することで、将来の自分の成長イメージが鮮明になります。

自己分析と業界研究はどっちが先？

一般的に、就活では自己分析を終えてから業界研究を始めます。

ここからは、自己分析してから業界研究することについてメリットとデメリットを紹介します。

 自己分析してから業界研究すると、自分の価値観や強みを踏まえて情報を取捨選択できます。

一例として、自己分析によりコミュニケーション力を活かせることを重視していることが判明した場合、コミュニケーション能力を活かせるサービス業界の顧客対応の特徴を詳しく調べ、志望理由を具体化できます。

これにより、ただ表面的な知識を集めるだけでなく、自分に合った業界の特徴を深く理解できるでしょう。

 自己分析してから業界研究すると、自分に合う業界の候補が明確になります。

一例として、自己分析により企画力を活かせることを重視していることが判明した場合、マーケティング業界に絞って重点的に調べることで、時間を有効活用できます。

これにより、無駄な情報収集を減らし、効率的に必要な業界の特徴や動向を調べられるでしょう。

 自己分析してから業界研究すると、自分の強みや興味に引き寄せられて特定の業界に偏りやすくなります。

一例として、技術志向の強い学生がIT業界に絞りすぎて、他の成長産業を検討しないまま選考を進めることなどがあります。

その結果、視野が狭くなり、多様な業界や可能性を見落としてしまうでしょう。

フレームワークなどを利用しても、スムーズに自己分析できるとは限りません。

 自己分析に時間をかけすぎると、その後の業界研究や企業研究に十分な余裕を持てなくなります。

とくに、自己分析を始めるのが遅い場合、志望業界の幅が狭くなり比較検討が不十分になることも少なくありません。

業界研究が甘くなると、志望動機が説得力に欠けてしまいます。

自己分析に適した時期【4つ】

自己分析は、実施する時期によって役割が大きく異なります。

ここからは、自己分析に適した4つの時期とそれぞれの役割を紹介します。

大学2年生の春〜夏は、自己分析に適した時期です。

  大学2年生の春〜夏に自己理解を深めておくことで、インターンシップや課外活動を戦略的に選べるようになります。

また、早い段階から自分の軸を意識することで、その後の就活準備がスムーズに進みやすくなります。

インターンシップについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

大学3年生の春〜初夏も、自己分析に適した時期です。

  大学3年生の春〜初夏に自己理解を深めておくことで、サマーインターンシップ選考や業界研究に軸を持って臨めます。

また、この時期に自己分析することで、就活全体の方向性を早い段階で定めやすくなります。

大学3年生の初夏〜夏も、自己分析に適した時期です。

大学3年生の初夏〜夏は、サマーインターンシップや業界研究が本格化するタイミングです。

  この時期に自己理解を深めておくことで、自分の軸を持って行動するための準備をスムーズに進められます。

また、自己分析することで、志望業界や職種の選定にも迷いが少なくなります。

大学3年生の冬〜選考前も、自己分析に適した時期です。

  本選考が近づく大学3年生の冬〜選考前は、自分の強みや志望動機をより具体化し、選考で説得力のある発言が求められる場面が増えてきます。

自己分析により、過去の経験と企業の求める人物像を結びつけることで、さらに自己理解が深まり、選考対策の質が高まります。

業界研究に適した時期【3つ】

自己分析同様、業界研究も実施するタイミングに応じて果たす役割が変わります。

ここからは、自己分析に適した3つの時期とそれぞれの役割を紹介します。

大学3年生の春〜初夏は、業界研究に適した時期です。

  大学3年生の春〜初夏に幅広い業界へ目を向けることで、視野を広げながら自分に合った方向性を見極められます。

また、夏のインターンシップ選考にも影響する時期でもあるため、早めの業界研究がその後の行動の質を高めるカギとなります。

大学3年生の夏も、業界研究に適した時期です。

大学3年生の夏は、サマーインターンシップを通じて業界を実体験できます。

  そのため、企業の採用サイトや求人表に記載されている情報だけでは得られない気づきを得られるでしょう。

また、インターンシップを踏まえて業界理解を深めることで、志望動機の精度も格段に上がります。

大学3年生の秋〜冬も、業界研究に適した時期です。

大学3年生の秋〜冬は、サマーインターンシップ経験や自己分析の結果をもとに、興味のある業界を深く掘り下げていくフェーズです。

  本選考に向けて志望理由の精度を高めるためにも、業界研究が欠かせません。

自己分析と業界研究を効果的に組み合わせるポイント【4つ】

就活を成功させるためには、自己分析と業界研究を単独で実施するのではなく、相互に活かしあうことが求められます。

しかし、どのように組み合わせればいいかわからないという方も少なくないでしょう。

そこで、ここからは自己分析と業界研究を効果的に組み合わせるポイントを4つの観点から紹介します。

自己分析や業界研究をはじめとした就活のコツについて知りたい方は、「リクスタ」をご利用ください。

また、業界に特化した求人サイトをお探しの方は、こちらのサービスをご利用ください。

  | 自己分析と業界研究を組み合わせるときは、自分の価値観を明確にしましょう。

価値観を軸にすることで、業界や企業の情報を取捨選択しやすくなり、ブレない就活の方針が立てられます。

一例として、以下のように照らし合わせながら自己分析と業界研究を組み合わせます。

このように、自分の大切にしたい価値と業界特性を結びつけることで、納得感のある企業選びが期待できるでしょう。

  | 自己分析と業界研究を組み合わせるときは、業界で求められるスキルを基準に組み合わせてみましょう。

具体的には、業界研究を通じて各分野で重視されるスキルを把握し、自分の経験や強みと照らし合わせてください。

各分野で重視されるスキルを把握したうえで、自分がどの業界で力を発揮しやすいかを見極めると、説得力ある志望理由が明確になります。

具体例としては、以下のとおりです。

このように、スキル軸の視点で自己理解と業界理解をつなげると、自分に合った進路がより明確になります。

  | 自己分析と業界研究を組み合わせるときは、興味がある分野を基準に組み合わせてみましょう。

自分の「好き」や「関心」がどこにあるかを明確にすることで、高いパフォーマンスを発揮できる業界が見えてきます。

また、興味分野に関連する業界の構造や職種を調べることで、自分の強みとの接点も見つけやすくなります。

具体例としては、以下のとおりです。

このように、興味を出発点に情報を集めると、就活の軸がぶれにくくなります。

  | 自己分析と業界研究を組み合わせるときは、自分のNG条件を明確にしたうえで組み合わせてみましょう。

具体的には、自己分析で価値観や性格の傾向を掘り下げ、業界ごとの働き方や風土と照らし合わせてください。

「やりたくないこと」や「合わない働き方」を洗い出すことで、ミスマッチのリスクを減らせます。

具体例としては、以下のとおりです。

NG条件を明確にすることで、自分に合う職場を客観的に見極めやすくなります。