
日本の自動車業界は、技術力の高さと安全性の水準の高さで世界的に評価されています。
一方で、少子高齢化や人材不足の影響により、自動車整備士の確保が課題となっており、外国人材の受け入れが進んでいます。
その中でも注目されているのが「特定技能」という在留資格です。
特定技能制度は、一定の専門性・技能を持つ外国人が日本で働くことを可能にする制度で、自動車整備分野も対象となっています。
これから日本で自動車整備士として働きたいと考えている外国人にとって、特定技能制度の仕組みや必要な条件を理解することは必要不可欠なことです。
本記事では、自動車整備分野の特定技能制度の概要から仕事内容、実際に自動車整備士として日本で働くまでの流れをわかりやすく解説します。
この記事を参考に、特定技能制度への理解を深め、日本で自動車整備士として働く第一歩を踏み出しましょう。

特定技能制度とは?

特定技能制度とは、日本の人手不足が深刻な産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人が働くことを認める在留資格制度のことです。
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2019年4月に創設され、即戦力となる外国人材を受け入れるための制度として出入国管理及び難民認定法にもとづき運用されています。出入国在留管理庁によると、2025年末時点で在留外国人数は4,125,395人とされており、そのうち特定技能を保有しているのは、約9.5%である390,296人でした。
特定技能は、特定産業分野に属する相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの「特定技能1号」と特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの「特定技能2号」に分類されています。
特定技能1号と特定技能2号の主な違いは、以下のとおりです。
| 特定技能1号 | 特定技能2号 | |
| 在留期間 | 3年を超えない範囲で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新 | 6ヶ月,1年,2年,3年ごとの更新 |
| 技能水準 | 試験等で確認 | 試験等で確認 |
| 日本語能力水準 | 試験(JFT-BasicがA2.2相当以上)で確認 | 試験(JFT-BasicがB1相当以上) |
| 家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば配偶者および子の帯同が可能 |
| 支援 | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象 | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象外 |
| 受入れ見込数(上限) | 分野ごとに設定あり | 設定なし |
なお、特定技能2号を修了していると、特定技能1号の試験が免除されます。
自動車整備分野の特定技能とは?
特定技能制度では、さまざまな分野が対象となっていますが、自動車整備も特定技能制度に該当する分野のひとつです。
実際に、2025年12月時点で自動車整備分野における特定技能在留外国人数は特定技能1号が4,560人、特定技能2号が320人でした。
自動車整備分野の特定技能では、以下の能力が求められます。
| 人材基準 | 水準 | |
| 特定技能1号 | 技能水準 | 特定技能1号評価試験または3級自動車整備士の技能検定 |
| 日本語水準 | JFT-BasicがA2.2相当以上 | |
| 特定技能2号 | 技能水準 | 特定技能2号評価試験、2級自動車整備士の技能検定または自動車車体・電子制御装置整備士の技能検定 |
| 日本語水準 | JFT-BasicがB1相当以上 | |
自動車整備分野の特定技能保有者の仕事内容【5つ】

自動車整備分野の特定技能1号と特定技能2号を保有していると、日本の整備士業界でさまざまな仕事に携わります。
ここからは、自動車整備分野の特定技能保有者が従事できる主な仕事を5つ紹介します。
車検・点検整備
車検・点検整備は、自動車整備分野における最も基本かつ重要な業務です。
道路運送車両法で定められている点検基準に基づき、ブレーキやエンジン、ライトなどの各部位を細かく確認します。
特定技能1号では主に指示に従って点検作業を進め、特定技能2号は点検結果の判断や作業全体の管理を担う役割が期待されます。
故障診断・修理
故障診断・修理は、車両の不具合の原因を特定し適切に直す専門性の高い業務です。
異音や振動などの症状をもとに、診断機器や経験を活かして問題箇所を特定します。
近年は電子制御システムが増えており、コンピュータ診断のスキルも求められています。
特定技能1号では先輩自動車整備士の指示のもとで修理作業を担当し、特定技能2号は複雑な故障の判断や修理方針の決定に関わることが一般的です。
部品交換・メンテナンス
部品交換・メンテナンスは、車両の性能を維持するために欠かせない日常的な業務です。
エンジンオイルやタイヤ、バッテリーなどの消耗品を定期的に交換することで自動車の寿命を延ばし、重大な故障を未然に防ぎます。
特定技能1号では基本的な交換作業を正確に進めることが求められ、特定技能2号は車両状態に応じた最適な整備提案や作業全体の効率化にも関与します。
整備記録の作成
整備記録の作成は、作業内容を正確に管理するための重要な業務です。
どの部品を交換したか、どのような点検を実施したかを記録することで、次回の整備やトラブル対応をスムーズに進められるようにします。
特定技能1号では決められたフォーマットに従って記録を作成し、特定技能2号では記録内容の確認や管理、品質のチェックなども担当します。
お客様への説明対応
自動車整備士は、自動車の修理・点検だけでなく、お客様への対応も担当しなければなりません。
一例として、修理の必要性や費用、作業内容について丁寧に説明することが求められます。
特定技能1号では主に補助的な対応や簡単な説明を担当し、特定技能2号ではお客様への提案や最終的な説明責任を担うことがあります。
特定技能を取得して日本で自動車整備士として働くまでの流れ

特定技能制度は、利用したからといってすぐに日本で働けるわけではありません。
日本で自動車整備士として働くためには、いくつかやるべきことがあります。
ここからは、海外に住んでいる外国人が特定技能を取得し、日本で働くまでの流れを8つのステップにわけて紹介します。
日本で自動車整備士として活躍したい方は、こちらの記事をご覧ください。

日本語試験に合格する
| 特定技能を取得するためには、日本語試験に合格することが必要です。
具体的には、「日本語能力試験(JLPT)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」を受験しましょう。

日本語能力試験(JLPT)
日本語能力試験(JLPT)は、日本語を母語としない人の日本語能力を測定・認定するための資格です。
日本国際教育支援協会と国際交流基金が共同で運営しています。
JLPTはN1からN5までの5段階に分かれており、文字・語彙・文法・読解・聴解といった総合的な日本語力が評価されます。
JLPTを受験するためには、各国の実施機関や公式サイトからの申し込みが必要です。
また、JLPTは日本国内外で年に数回実施されているため、自分のペースで受験できます。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本で生活し働くために必要な基礎的な日本語能力を測定する資格です。
国際交流基金が運営しており、特定技能制度に対応した実用的な日本語力の評価を目的としています。
JFT-Basicは「文字・語彙」、「会話・表現」、「聴解」、「読解」の4分野で構成されており、日常生活や職場でのコミュニケーションができるレベル(おおよそA2相当)が求められます。
JFT-Basicを受験するためには、公式サイトから申し込みと各国に設置された試験センター(主にコンピュータ方式)での受験が必要です。
日本で自動車整備士として働くためには、職場での指示理解やお客様対応ができる日本語力が求められます。
さらに、自動車整備士は専門用語も多いため、日常会話で使う日本語と併せて自動車整備士の専門用語も身につけましょう。
自動車整備士資格を取得する
| 日本語試験の受験と併せて、自動車整備士資格の取得も目指しましょう。
自動車整備士資格とは、日本の整備品質と安全基準を維持するために国土交通省が所管している国家資格です。
自動車整備士資格は、扱う車種や難易度によって以下の13種類に分類されています。
自動車整備士資格の主な種類
- 一級大型自動車整備士
- 一級小型自動車整備士
- 一級二輪自動車整備士
- 二級ガソリン自動車整備士
- 二級ジーゼル自動車整備士
- 二級自動車シャシ整備士
- 二級二輪自動車整備士
- 三級自動車シャシ整備士
- 三級自動車ガソリン・エンジン整備士
- 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
- 三級二輪自動車整備士
- 自動車タイヤ整備士
- 自動車電気装置整備士
- 自動車車体整備士
自動車整備士資格の取得は必須ではありませんが、日本で働くうえで評価されやすく就職にも有利になります。
さらに、実務経験とあわせてスキルの証明になるため、キャリアアップにもつながります。
自動車整備士資格について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

自動車整備士の求人に応募する
| 日本で自動車整備士として働くために必要な日本語能力や専門性を身につけたら、自動車整備士の求人に応募しましょう。
企業の公式サイトなどで掲載している求人へ申し込むことも可能ですが、自動車整備士関連の求人を複数扱っている転職支援サービスを活用することで、効率よく転職活動を進められます。
日本の自動車整備士業界に特化した転職支援サービスをお探しの方は、「メカニックマッチ」をご利用ください。

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選考を受ける
| 複数社の応募が完了したら、選考を受けます。
自動車整備分野の特定技能も一般の求職者と同様に、書類選考や適性検査、面接を受けます。
選考準備を進めるときは、応募する仕事の内容をしっかり理解したうえで、これまでの経験やできる作業を具体的に説明できるようにしておきましょう。
また、企業の特徴を調べて自分との共通点を伝えられるようにしたり、よく聞かれる質問を想定して事前に答えを準備したりすると、安心して選考を受けられます。
企業との雇用契約を締結する
| 最終選考が完了し、無事に内定を獲得したら企業との雇用契約を進めます。
日本では、外国人でも日本人と同等以上の待遇が求められており、不当な条件で働くことは認められていません。
内定を獲得したことに安堵せず、残業の有無や手当、賞与の条件も含めて具体的に雇用条件をチェックしましょう。
また、契約書類でわからない日本語や専門用語がある場合は、必ず企業や支援機関に確認してください。
出入国在中管理庁では、特定技能1号の方向けに在留資格認定証明書交付申請前または在留資格変更許可申請前に労働条件や活動内容などを対面またはテレビ電話等で説明する支援を提供しているため、ぜひ活用してみてください。
在留資格認定証明書交付申請
| 雇用契約の締結が完了したら、在留資格認定証明書交付申請に取り掛かりましょう。
在留資格認定証明書(COE)とは、外国人が日本に入国して就労や留学など、特定の活動を始めるために必要なその在留資格の条件を満たしていることを証明する書類です。
出入国管理及び難民認定法にもとづき、出入国在留管理庁が審査・発行しています。
在留資格認定証明書の申請は外国人本人だけでなく、日本での受け入れ企業や学校など、外国人を受け入れようとする機関が代理で申請することもできます。
特定技能においては、雇用契約や試験合格などの条件を満たしていることを証明するために必要であるため、必ず申請方法を確認しましょう。
査証申請
| 在留資格認定証明書交付申請が完了したら、査証申請も進めましょう。
査証申請(ビザ申請)は、実際に日本へ入国するために必要な渡航許可の申請手続きです。
各国にある日本大使館・領事館で申請できます。
査証申請では、すでに取得している在留資格認定証明書を提出するのが一般的です。
さらに、パスポートや申請書、写真などの必要書類も提出しなければなりません。
審査に問題がなければパスポートに査証が発給され、日本へ渡航できるようになります。
入国
| 査証申請が完了すると、いよいよ入国できるようになります。
入国する前にパスポートの有効期限が切れていないことを必ず確認しましょう。
パスポートは国際的な身分証明書であり、これがないと出国・入国の手続きができません。
また、パスポートの有効期限が「6か月未満」になると、多くの国で入国できなくなるため、必ず期限は確認しておきましょう。
さらに、入国後にスムーズに生活・就労を始めるための準備も必要です。
企業や登録支援機関がサポートしてくれることもありますが、スムーズに準備を進めるためにも、事前に何をするべきか確認しておきましょう。
自動車整備分野の特定技能1号が受けられる支援【7つ】

自動車整備分野の特定技能1号がある方は、日本でスムーズに就労するために必要な支援を受けられます。
ここからは、自動車整備分野の特定技能1号が受けられる主な支援を7つ紹介します。
出入国時の送迎
特定技能1号があると、入国時に空港から事業所や住居へ送迎してもらえます。
また、帰国時にも空港の保安検査場まで送迎・同行してくれます。
そのため、来日したことがない特定技能1号も到着直後の不安を軽減し、安心して新生活をスタートできるでしょう。
生活オリエンテーション
特定技能1号があると、日本で生活するために守らなければならないルールやマナー、公共交通機関の連絡方法などを説明してくれる生活オリエンテーションを受けられます。
日本で生活したことがない特定技能1号も生活オリエンテーションを活用することで、地域社会に適応しやすくなります。
公的手続き等への同行
日本で働くためには、住民登録や健康保険、年金加入などの公的手続が必要です。
特定技能1号があると、日本で就労するために必要な公的手続きへ同行し、言語面や手続き面をサポートします。
公的手続き等へ同行してもらうことで、複雑な手続きを確実に完了できるようになります。
日本語学習機会の提供
特定技能1号はJFT-BasicがA2.2相当以上の日本語が求められますが、それ以上の日本語能力を身につけたい方向けに日本語学習の機会が提供されています。
一例として、日本語教室などの入学案内が受けられたり、日本語の学習に必要な教材の情報も収集できたりします。
このような日本語学習機会の提供により、職場でのコミュニケーション能力を高められるでしょう。
日本人との交流促進
職場以外で日本人と交流したい方向けにも支援が提供されています。
一例として、自治会など地域住民との交流の場が設けられたり、お祭りなどの行事の案内が提供されたりします。
このような日本人との交流を促進する支援により、孤立を防ぎながら生活の満足度を高められるでしょう。
転職支援
受け入れ側の都合により、雇用契約を解除しなければならない特定技能1号は少なくありません。
日本では、そのような特定技能1号向けに転職先を探す手伝いや推薦状の作成などを支援しています。
さらに、転職活動を進めるために必要な有給休暇の取得や行政手続きの情報提供なども実施してくれます。
このような転職支援を受けることで、不安定な状況でも安心して働き続けられるでしょう。
定期的な面談や行政機関への通報
特定技能1号があると3ヶ月に1回以上の頻度で支援責任者や上司などと面談する機会が設けられます。
また、面談を通じてトラブルが発覚した場合は、必要に応じて関係機関へ報告します。
さらに、職場や生活上の相談・苦情も受け付けているため、トラブルを早期に解決し安心して働ける環境を維持できるでしょう。

ーまとめー
自動車整備分野の特定技能制度を活用して日本で活躍できる自動車整備士を目指そう!

今回は、自動車整備分野の特定技能制度の概要から仕事内容、実際に自動車整備士として日本で働くまでの流れなどを解説しました。
自動車整備分野の特定技能制度は、自動車整備士として日本で働きたい外国人にとって、大きなチャンスとなる制度です。
正しいステップを踏んで特定技能制度を利用することで、日本での就労は現実的な目標になります。
厳格な法制度に基づく整備により高い技術力が求められている日本で技術を磨きながらキャリアを築きたい方は、ぜひ特定技能制度を活用してみてください!
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まとめ
自動車整備分野の特定技能制度を活用して日本で活躍できる自動車整備士を目指そう!

今回は、自動車整備分野の特定技能制度の概要から仕事内容、実際に自動車整備士として日本で働くまでの流れなどを解説しました。
自動車整備分野の特定技能制度は、自動車整備士として日本で働きたい外国人にとって、大きなチャンスとなる制度です。
正しいステップを踏んで特定技能制度を利用することで、日本での就労は現実的な目標になります。
厳格な法制度に基づく整備により高い技術力が求められている日本で技術を磨きながらキャリアを築きたい方は、ぜひ特定技能制度を活用してみてください!
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