料理が好きな方は、調理師や料理人に一度はあこがれたことがあるのではないでしょうか。
料理人は選ばれた才能のある人しかなれない職業というイメージもあり、敬遠している人も多いと思います。
しかし、実は料理人には様々な働き方があり、仕事によっては未経験から働くことも可能です。
今回は、調理師や料理人の仕事に興味がある方に向けて、詳しく解説していきます。
調理師や料理人の仕事に挑戦したい方は、
この記事を参考にして新しいキャリアを築いていきましょう。
調理師・料理人とは
調理師は、料理のプロフェッショナルとして、より良い料理を日々探究する職業です。
特にレストランなどの飲食店における調理師は、ただ美味しい料理を作るだけでなく、見た目も美しい料理を作るセンスが求められます。
また、飲食店以外にも学校給食や、病院・介護施設の利用者に提供する食事などを作る料理人もいます。
この場合は栄養士などと相談しながら、栄養バランスを考慮した調理をすることが必要になります。
調理師や料理人というとレストランのシェフのイメージが強いかもしれませんが、働く場所によって様々なニーズがあるのです。
料理人になるには資格はいらない
料理人はあこがれる人も多い職業ですが、ハードルの高いプロの世界だと思って敬遠している方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は料理人として働く分には特別な資格は必要ありません。
未経験や無資格でも料理人としての就職が可能な求人も多くあります。
ただし、「調理師」と名乗るためには資格とスキルが必要です!
実は、調理師と料理人の違いはここにあります。
「料理人」が、資格の有無に関わらず「料理をする人」を指すのに対し、
「調理師」は免許を取得したプロの料理人を指すのです。
調理師になるには資格とスキルが必要
料理人として働くには資格が必要ないため、すぐにでも料理人になることができます。
しかし、料理の世界でプロとしてキャリアを形成していきたいなら、資格を取って「調理師」になることが必要です。
ここからは、調理師になるための資格や必要なスキルを得る方法について解説していきます。
調理師になる方法
調理師になるために必要なスキルを独学で身につけることは非常に困難です。
また、調理師資格を取得するためには、専門学校の卒業か2年以上の実務経験が必要です。
そのため、一般的に調理師になるためには、次のどちらかの方法をとることになります。
- ① 調理師養成施設で学ぶ
- 調理師養成施設とは、厚生労働大臣が指定した専門の大学、短大、専門学校などを指します。
通学期間は最低1年間で、卒業時に調理師資格を取得できるカリキュラムになっています。
専門的な料理知識を学びながら調理技術を磨き、資格まで取得できる効率的な方法と言えます。
- ② 実務経験を積む
- 調理師養成施設に通うためには、ある程度の金銭的余裕が必要です。
その他様々な理由から、調理師養成施設に通えない場合、またはすぐに現場で働きたい場合は、調理業務に従事しながら経験を積むこともできます。
この場合、調理師資格の取得のためには調理業務における2年以上の実務経験が必要になります。
調理師資格を取得するには
調理師として認められるために必要になる調理師資格は国家資格の一つで
「調理師免許」とも呼ばれています。
調理師資格を取るためには各都道府県の調理師試験に合格することが必要です。
必要な知識は次の通りで、非常に広範囲に及びます。
必要知識
- 食文化論
- 衛生法規
- 栄養学
- 食品学
- 食品衛生学
- 調理理論
しかし取得難易度は比較的低めで、独学でも数ヶ月勉強すれば合格できると言われています。
合格すると調理師名簿に登録され、調理師として公式に認められます。
調理師になるために必要なスキル
調理師になるには、料理の技術はもちろんのこと、幅広い能力や技術が必要になります。
主に求められる技術や能力には以下の4つがあります。
調理の基本的な技術
ここでいう調理の技術とは、単純に美味しい料理を作ることだけではありません。
プロとしてお客様に料理を提供する以上、次のような様々な技術が含まれます。
必要技術
- 食材を正しく扱える
- 栄養に関する知識がある
- 調理器具を正しく安全に扱える
- 衛生管理を正しく行える
手先の器用さ
調理師として提供する料理は、盛り付けなども重要な要素です。
特に日本料理やフランス料理では、繊細な飾り付けを行う場合が多く、手先の器用さは必須になります。
生まれつきの得意不得意もありますが、練習すればするほど磨かれていきます。
コミュニケーション力
特に大規模な飲食店やホテル、公共施設の場合、同じキッチンを他の多くの料理人と共有し、協力して料理を提供していく必要があります。
そのため、他の料理人と円滑なコミュニケーションがとれることが必要です。
また、料理の技術は「見て学ぶ」という要素が強いため、新人のうちは先輩料理人に教えてもらうことがとても大切になります。
先輩料理人に気持ちよく教えてもらえるようなコミュニケーション力がある人は、料理の上達も早くなります。
また、小規模な飲食店で働く場合や自分で開業する場合、接客にも関わることも多いため、ここでもコミュニケーション能力が必要になります。
探究心・向上心
成功している調理師は、お客様に満足してもらえるだけの美味しい料理を作れるようになっても、より美味しい料理、より美しい盛り付け方を追求しているものです。
特にホテルの料理長や、独立開業した店長の場合は、新しいレシピを開発することも重要な仕事の一つです。
実力主義の料理人の世界では、キャリアが長くなっても自分の経験やスキルに慢心せず、上を目指して学び続ける姿勢が大切になります。
調理師・料理人の仕事内容
調理師・料理人の仕事と言えば、「料理を作ること」が一番重要だと思われるかもしれません。
しかし、美味しく安全な料理を提供するためには、それ以外にも重要な仕事が多々あります。
調理師・料理人の主な仕事は以下の通りです。
料理を作る
調理師・料理人のメインの仕事になります。
料理の仕方は、どこで働くかによって変わってきます。
独立して自分のお店を開業している料理人の場合、メニューの企画や使用する食材を全て自分で決めることができますが、多くの場合は決められた仕方で料理を作ることになります。
レストランやホテルでは、決められたメニューや上司の指示に、学校給食や病院・介護施設用の料理では栄養士の指示に従う場合がほとんどです。
衛生管理
食品に関連するすべての仕事に言えることですが、食事を安全に楽しんでもらうため、衛生管理は非常に重要になります。
提供直前の料理に触れることになる料理人は、自身の体調管理、服装、手洗いや消毒などを徹底する必要があります。
また、キッチンの掃除や調理器具、食器などの洗浄、消毒も料理人の仕事です。
開店準備・仕込み
特に新人のうちは、先輩料理人がスムーズに調理に入れるよう、開店前の仕込みを行うことになります。
具体的には次のような準備があります。
- 朝に届けられた食材のチェック
- 野菜などの下ごしらえ
- オーブンの米津
- 調理器具のセット
片付け・前日準備
お店を閉めたら、キッチンの掃除や食器・調理器具の洗浄を行う他、余った食材の処理や冷蔵庫の食材の管理・整理を行います。
また、朝の開店前の準備の他に、食材や調理方法によっては前日準備も必要です。
例えば、次のような準備は前日に行う必要があります。
- ゼリーを使った料理
- マリネ
- スープのダシ
飲食店で働く調理師の1日のスケジュール
調理人・料理人の働き方は就職場所によって様々ですが、参考のために最もイメージしやすい、飲食店で働く調理師の1日を見てみましょう。
大まかな1日の流れは次のようになります。
出勤・仕込み
レストランで働く調理師は、朝の出社後、まずは料理の仕込みに入ります。
調理器具や食材を用意し、開店後にお客様が来たらすぐに調理できるようにしておきます。
小規模なレストランの場合は、テーブルや椅子の配置など、開店の準備を手伝う場合もあります。
ランチタイム
11時ごろからランチのお客様が来店し、お店が忙しくなります。
一般的な仕事ではちょうどお昼休みの時間帯が、料理人の場合は最も忙しい時間帯の一つになります。
料理人の休憩は14時から15時ごろになることが多いようです。
ディナータイム
ランチ後の休憩が終わると、ディナーの準備に入ります。
一般的にディナーの方がランチよりも準備に時間がかかるメニューが多く、種類も豊富な傾向があるため、ディナーの準備には時間がかかるそうです。
18時ごろから閉店近くまで忙しい時間になり、だいたい22時ごろに閉店します。
閉店・後片付け
閉店後は店内やキッチンの片付けをします。
また、翌日の仕込みが必要になる場合もあります。
朝早く出勤し、夜も遅くまでかかるので、体力的にハードな仕事と言えるでしょう。
調理師・料理人の魅力とやりがい
調理師や料理人は、あこがれる人も多い華やかな仕事ですが、実際のプロはどのような点に魅力ややりがいを感じているのでしょうか。
よく言われる魅力ややりがいには次のようなものがあります。
自分の料理を喜んでもらえる
料理が好きな方ならわかると思いますが、自分の作った料理を喜んでもらえることはとても嬉しいものです。
特にホテルやレストランなどでの食事は、お客様にとって特別なものである場合が多く、自分の料理を通して特別な1日の演出をお手伝いできることに喜びを感じる方が多いようです。
また、病院や介護施設などでは栄養バランスを優先した料理を提供することになりますが、だからこそ美味しい料理を提供すると非常に喜んでもらえます。
料理の腕を磨ける
料理が好きな方には、純粋に様々な料理の技術を身につけ、より美味しい料理を追求したいと思う方も多いでしょう。
しかし普通の職業に就いた場合、経験できることにも料理に割ける時間にも限りがあります。
料理を仕事にしてしまうことで、思う存分技術を磨くことができます。
料理人の中には、特定のジャンルを極めていく方もいれば、様々なジャンルの料理を幅広く学ぶ方もいますが、基本的に料理の腕を磨くことや、新しい料理にチャレンジすることに喜びを感じる方がほとんどです。
実力で上を目指せる
調理師の世界は実力主義の世界です。
どれだけキャリアを積んでも、実力が伴わなければキャリアアップはできません。
特にレストランやホテルなどの一流の料理を提供する現場は、実力で上を目指す厳しい世界になります。
しかし、自分の腕次第で上を目指していける調理師の世界は、向上心や競争心の強い方にはむしろ魅力的なものです。
また、独立して開業を目指す方もいます。実力を上げることで自分の手でキャリアを切り拓いていけることが大きなやりがいになっていると言えます。
調理師・料理人の就職先は?
上でも書いた通り、調理師や料理人の就職先は幅広く、どこで働くかによって仕事の仕方や内容にも違いが出てきます。
それぞれの就職先の特徴を理解した上で、自分に合った就職先を決めることが大切です。
調理師や料理人の主な就職先としては次のようなものがあります。
飲食店
調理師の就職先として、最もイメージしやすい就職先だと思います。
しかし、一口に飲食店と言っても、和食、洋食、中華、エスニックなど、ジャンルによって作る料理や必要とされるスキルは様々です。
また、経営形態や規模についても、ファミリーレストランや高級レストラン、大手チェーンや個人経営の小さな飲食店まで幅広く、同じ飲食店でも就職先によって仕事内容は大きく異なります。
ホテル
一度に多くのお客様に料理を提供することになるため、大勢の料理人が働いています。
また、特にバイキングやビュッフェを提供しているレストランでは、作る料理の種類も多種多様になります。
学校・病院・介護福祉施設
こちらも一度に大量の料理を提供する現場になります。
飲食店やホテルと大きく違うのは、飲食店などでは一般的に料理の美味しさや見た目が最優先となるのに対し、栄養バランスや健康面の配慮も重要になってくることです。
栄養士の方と連携してレシピを作ることになります。
また、病院や介護福祉施設では、個人の状況に合わせて調理方法や使用する食品を変えることも求められます。
料理教室
調理師の中には、料理スクールの講師として活躍する方もいます。
最近はSNSやYouTubeなどで調理のコツやレシピを発信する方もいるなど、活動の幅が広がってきています。
食品メーカー
調理師としての修行をしたり、キャリアを積んだりした後に、その経験を活かして食品メーカーで働く方もいます。
料理人としての知識や経験があるからこそ、魅力的な新商品を開発することができます。
料理をするだけでなく、新しいレシピを考えるのが好きな方は、このような道を考えてもいいかもしれません。
独立して開業する
調理師の場合、レストランやホテルなどで経験を積んだ後、独立して自分のお店を開くという道もあります。
独立すると店の内装やメニューなどを自分の理想通りにアレンジすることができるので、将来的に独立を目指す調理師も多くいます。
その分競争率が高く、成功するためには実力や運が必要です。
調理師・料理人の給料と待遇
調理師や料理人の給料は、経験年数や腕前、働く場所によって大きく異なります。
レストランやホテルで働く場合は、スキルを磨いて地位を築くほど収入が上がっていく実力主義の世界です。
2019年の厚生労働省の調査では調理師の平均月額給与は22.4万円、年間ボーナスは37.7万円、年収は342.5万円だったそうです。
資格をもたない料理人の場合は、一般的に調理師よりも低めになります。
また年代別に見ると、男性の場合50代前半に平均年収がピークの457.9万円になります。
調理師の求人例
調理師の待遇の例として、老人ホームの入居者用レストランの調理師の求人を見てみましょう。
【提供する料理】
- 日替わりメニュー、アラカルトメニュー
- 和・洋のフルコース料理
【待遇】
- 月給:16万4000円〜22万2000円
- 雇用形態:正社員
- 住宅手当:2万円
- 賞与:年2回(合計4ヶ月分)
- 通勤手当:月2万5000円まで
- 昇給:あり
- 退職金:あり
- 社会保険完備
外食産業の市場動向と将来性
調理師・料理人としてキャリアを積んでいくことを考えた時、外食産業の市場動向や将来性も重要な要素になります。
まずは、最近の外食産業の市場動向を見ていきましょう。
外食産業の動向
基本的に外食産業は景気の影響を受けやすく、最近では不景気や少子高齢化による人口減少によって全体的に低迷しています。
しかし、それでも市場規模は約25兆円と大規模です。
また、国内の人口が減少したとしても、外国人観光客が多く訪れるようになれば、むしろ外食産業が成長する可能性があります。
特に注目度の高いジャンル:和食
実際、最近は外国人観光客の増加により、市場規模が微増しています。
外国人に人気の和食は特に将来性が高いと考えられるでしょう。
さらに、近年は健康志向が高まってきており、ヘルシーな和食は国内でも人気が再燃しています。
しかし現在の調理師志望者の多くは西洋料理を志望しているので、和食に興味のある方には狙い目と言えるでしょう。
調理師・料理人の将来性
外食産業は現在でも大規模な市場であり、人口減少が続く中でも外国人観光客に対する需要などで成長する可能性があります。
また、外食以外にも、学校や病院などの公共施設における仕事は基本的にはなくならないはずです。
特に介護福祉施設の利用者は増加し続けており、そのような現場ではむしろ調理師や料理人の必要性が増していると言えます。
さらに、最近ではSNSでの発信など、活躍の場も広がっています。
調理師・料理人の将来性は大いにあると言えるでしょう。
調理師・料理人への転職は「FOOD MATCH」
ここまでの記事を読んで、まずは料理人として働いてみたいと思った方もいるかもしれません。
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