料理や食への関心がある方の中には、将来食品関連の仕事に就きたい・転職したいと思ったことのある方も多いと思います。
中でも生鮮業界は、食品関連の重要な業界の一つです。
しかし、生鮮業界の仕事がどんなものなのか、どんな業種があるのか、多くの人はあまり良くわからないのではないでしょうか。
この記事ではそんな生鮮業界のお仕事について、次のポイントで網羅的に解説しています!
生鮮業界の仕事に興味がある方や、キャリアを積みたい方は、
ぜひこの記事を参考にして一歩踏み出しましょう。
生鮮業界とは?仕事内容と概要
生鮮業界とは、その名の通り生鮮食品を取り扱う業界を指します。
それでは生鮮食品とは何かというと、野菜、果物、鮮魚、肉などを指します。
まずは、そんな生鮮業界の仕事内容や市場規模などの概要を見ていきましょう。
生鮮業界の仕事内容
生鮮業界の仕事には様々な種類がありますが、主に生鮮食品の管理や加工、調理、流通、販売などを行います。
つまり、農業・漁業・畜産業などの生産者と消費者をつなぐ役割を担っている仕事です。
生鮮食品は加工されていない状態のため、一般的に鮮度の管理が重要になります。
生鮮業界の市場と成長性
日本国内では少子高齢化に伴い、食料品全体として市場規模が減少するのではないかと心配している方もいるかもしれません。
しかし少子高齢化による人口減少と同時に、一人当たりの食料支出額は増加傾向にあるため、減少は緩やかであると考えられます。
また、世界的には人口が増加しているため、食品業界の市場も確実に成長します。
2015年時点の生鮮食品の世界市場規模は333兆円ですが、2030年には541兆円と、大幅に増加する見込みです。
生鮮業界の主な職種
生鮮業界の主な食品、職種には次のようなものがあります。
精肉加工
解体後の牛肉・豚肉・鶏肉などの仕入れから出品・鮮度管理までを行う仕事です。
具体的な業務内容には次のようなものがあります。
- 仕入れた肉の整形・加工
- 整形した肉のパック詰め
- 品出し・陳列
- 鮮度管理
精肉加工について、詳しくはこちらの記事で解説しています!↓
鮮魚加工
鮮魚の仕入れから出品・鮮度管理までを行う仕事で、仕事内容は精肉加工と似ています。
しかし、精肉と比べて扱う魚の種類が多く、種類ごとに加工の方法や鮮度の見極め方などを把握しなければならないので、覚えることは多くなります。
その分、鮮魚加工の経験があると転職などの際にも高待遇となることが多いようです。
鮮魚加工の主な仕事内容には次のようなものがあります。
- 魚の分類、仕分け
- 魚をさばく、切り分ける
- 加工・調理
- 包装・品出し・品質管理
鮮魚加工について、詳しくはこちらの記事で解説しています!↓
調理師・料理人
簡単に言うと、調理したものをお客様に提供する仕事です。
調理師・料理人と並べて書きましたが、違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
料理人とは、単に「料理をする人」を意味する言葉で、特別な資格は必要ありません。
調理師とは「調理師免許」を取得しているプロの料理人のことで、例えばレストランのシェフなどになりたい人は、「調理師」を目指すことになります。
また、調理師や料理人の仕事は「料理をするだけ」と考えている方も多いと思います。
しかし、料理人には他にも次のように様々な仕事があります。
- 料理を作る
- 衛生管理、清掃
- 仕込み
調理師の中には、レストランやホテルで経験を積んだ後、自分のお店を開業する人も多く、お店の管理や店内の準備・片付け、接客やレジ打ち、従業員の雇用・教育など、色々な仕事をすることになります。
調理師・料理人について、詳しくはこちらの記事で解説しています!↓
惣菜スタッフ
生鮮食品を加工し、お弁当やお惣菜として販売する仕事です。
具体的な業務内容には次のようなものがあります。
- 食材の洗浄・皮剥き・カットなどの下処理
- お弁当、お惣菜の調理
- パック詰め・品出し・管理
生鮮食品を美味しく・素早く調理するスキルが必要になります。
また、生鮮業界の他の職種と比べて共同作業が多いため、他の従業員との関わりが大切になる仕事です。
お惣菜の需要は年々高まってきているので、生鮮業界の中でも将来性のある職種と言えます。
惣菜スタッフについて、詳しくはこちらの記事で解説しています!↓
青果スタッフ
野菜や果物などの青果の仕入れから鮮度管理までを行う仕事です。
具体的な業務内容には次のようなものがあります。
- 野菜や果物の仕入れ
- 野菜や果物のカット・袋詰め
- 品出し
- 鮮度・品質管理
精肉加工や鮮魚加工と比べて、食品の加工業務は少なめですが、品出し後の管理が特に重要になります。
野菜や果物は入荷時点では食べごろになっていないものもあります。
また、入荷までの過程で傷などがついていることも。食べごろや傷みを見極められる知識が必要です。
青果スタッフについて、詳しくはこちらの記事で解説しています!↓
生鮮業界の仕事内容の例
ここからは生鮮業界の仕事がさらにイメージしやすくなるよう、具体的な仕事内容の例を見ていきましょう。
もちろん業界や就職先にもよりますが、一般的に生鮮業界の仕事では、次のような作業をする機会が多くあります。
食品の発注
食品の発注は、在庫を確認しながら必要な量の食材を注文する仕事です。
無駄な在庫を持たず、必要な分だけを確保することが重要です。
発注担当者は市場の動向や売上の傾向を把握し、適切な発注量を判断します。
また、供給業者との関係構築や納品スケジュールの調整も行います。
この仕事は店舗運営の基盤を支える重要な役割を担います。
食品のカット
お肉や魚、野菜などを調理しやすい大きさにカットする仕事です。
特に種類や部位、調理方法などによって切り方が異なるお肉や、捌くのが難しい魚は、この作業に慣れるまで時間がかかるようです。
その分、一度この技術を身につけると、精肉加工業界・鮮魚加工業界や、肉や魚を使う飲食店にとっては即戦力となり非常に重宝されます。
調理
惣菜スタッフや調理師・料理人として働く場合は、調理の仕事をメインとしてイメージしやすいかもしれません。
しかし生鮮業界には、これらの業種以外にも調理を行うものがあります。
例えば、スーパーで売っている肉やお魚の中には、あらかじめ味がついているものや、揚げ物用の衣がついているものなどがありますよね。
また、精肉加工工場や鮮魚加工工場で働くと、加工食品の製造の工程として料理をする場合もあります。
食品のパック詰め
カットしたり調理したりした食品をパックに詰めていくのも、生鮮業界の仕事の一つです。
ただパックをするだけと思うかもしれませんが、例えばお刺身は彩りを意識してきれいにパック詰めする必要があります。
また、お惣菜などは料理の種類に応じて盛り付け方などに様々なルールがあることも多いため、部門によっては覚えることが意外に多い作業になります。
値付け・品出し・在庫管理
スーパーなど、食品の販売を行う職場の場合、パック詰めした商品に値札などを付け、売り場に並べる作業も行います。
陳列しておしまいではなく、商品が購入されて棚の手前側が空いたら後ろの商品を前に出したり、商品を補充したりと、売り場の見栄えや商品の取りやすさを保つ必要があります。
また、生鮮業界で扱う食品は日持ちしないものがほとんどです。
食品ロスを減らすために、見切り・値下げを行うのも大切な仕事になります。
清掃
食材の加工や調理に使った道具、調理場、売り場の清掃も大切です。
食品を扱う現場なので、部屋や道具は常に清潔に保っておく必要があります。
ただし、清掃の作業自体は誰でもできることなので、特に大手のスーパーや工場では、正社員ではなくアルバイトやパートの人、清掃員が清掃をする場合もあるようです。
レジ業務
スーパーや小売店で働く場合は、レジ業務も仕事の一つです。
また、惣菜スタッフの求人の中には、調理などの仕事を伴わない、レジ業務のみの求人もよく見られます。
商品説明
特にスーパーでフロアにいる時や、お客様との距離が近い専門の小売店などでは、お客様から商品について質問されることもよくあります。
例えば、野菜の品質や食べごろの見分け方、賞味期限、美味しい調理の仕方、保存方法などはよくある質問です。
お客様からの質問に答えられるよう、扱っている商品について知識をつけておくことが大切です。
生鮮業界がつらいと言われる理由
生鮮業界で働きたい方は、その仕事の体験談などを調べた際に、「スーパーの従業員はつらい」、「精肉工場はつらい」といった意見を見かけたことのある方も多いと思います。
確かに生鮮業界の仕事の中には、一部の人はつらいと感じるようなものもあります。
生鮮業界に就職する前に、よく言われるつらいポイントに自分が耐えられるかどうか、確認しておくといいでしょう。
生鮮業界の仕事がつらくなってしまうよくある理由は以下の通りです。
室温が低いことが多い
職種によりますが、生鮮業界では生のものを扱うことが多いため、基本的に室温は低めに保たれています。
カイロを貼るなどの対策もできるそうですが、寒がりな方や冷房が苦手な方にとってはそれでもつらいかもしれません。
中でも、特に生で痛みやすい精肉部門や鮮魚部門では常に寒い部屋で働く場合が多いので、寒さが苦手な方は他の職種を選んだ方が良いでしょう。
食品のにおいが強い現場もある
こちらも特に生の肉や魚を扱う現場によくあることですが、生の食品には独特の生臭さがあるものです。
人によっては生肉の血のにおいや生魚の磯臭さに耐えられなくなってしまいます。
しかし、すぐに鼻がなれてしまうので気にならないという方も多いようです。
青果部門などでは食品の独特なにおいはあまり気にならないので、においが苦手な人は生肉や生魚を扱う現場を避けるのがおすすめです。
立ち仕事が多い
これは生鮮業界のほとんどの仕事に当てはまることですが、生鮮業界の仕事は基本的にたち仕事になります。
食材の加工は立って行うのが基本であり、スーパーなどでの商品の陳列や接客も立って行います。
管理職になれば座って行う事務作業などもできますが、そうでない場合はほぼ一日中立ちっぱなしということも少なくありません。
普段運動する習慣がない人は、生鮮業界に就職してしばらくは足腰がつらいかもしれません。
しかし、仕事をしていくうちに気にならなくなることが多く、「座りっぱなしより健康的」とポジティブに考えることもできます。
単純作業が多い職種もある
特に食品加工工場などでは、ラインに入って単純作業をひたすら繰り返すような作業もよくあります。
しかも、ノルマがあって時間に追われながら作業しなければならないことも多いようです。
このような単純作業がつらいかどうかは好みの問題で、
中にはより効率的に作業できるように工夫しながら、黙々と作業するのが楽しいと感じる人もいます。
また、食品加工工場以外の職場では、様々な業務内容があるため、あまり単純作業的にはなりません。
食品加工工場への就職を検討する場合は、単純作業が好きかどうかを考えてみると良いでしょう。
衛生基準・管理基準が厳しい
生鮮業界では生の食品を扱うため、他の業界と比べて衛生管理基準は厳しくなります。
特に工場では常にクリーンスーツ、マスク、手袋を着て作業するため、窮屈に感じる人もいるでしょう。
スーパーなどで接客に関わる場合は、清潔感を重視されるため、派手な髪色や髪型、ネイル、ヒゲなどがNGとなっている場合もあります。
自由におしゃれをしたい方は厳しいと感じるかもしれません。
繁忙期が大変
就職先にもよりますが、生鮮業界にも繁忙期があります。
特にスーパーなどは、お盆や年末など、普通の人がお休みの時期に食品の需要が上がりやすいため、忙しくなる傾向にあります。
繁忙期はいつもより入荷量やお客様が増え、残業や休日出勤が必要になることもあり、つらいと感じる要因かもしれません。
生鮮業界の魅力とやりがい
生鮮業界のお仕事はつらいと言われることもありますが、やりがいや魅力もたくさんあります。
生鮮業界で働く人がよく挙げるやりがいや魅力には以下のようなものがあります。
自分の働きが売り上げに直接つながる
特にスーパーなどで働いた場合、自分の工夫やアイデア、努力が直接売り上げに繋がっていることを実感しやすくなります。
例えば、「今日は寒いから鍋をやる人が多いだろう」と考えて、鍋用カット野菜のセットを作ったり、鍋用にカットしたお肉を売ったりと、スーパーの職員はお客様のニーズを考えて様々な工夫をしています。
また、マネージャーやバイヤーの立場になると、入荷や発注の際にも売れる商品を選ぶ工夫が必要になります。
そのような工夫が、売り上げアップという成果として現れやすいので、やりがいを感じられるそうです。
食品に関する知識が身に付く
生鮮業界における仕事では、食材の保存方法や質のいいものの見極め方、旬や特徴、美味しい食べ方など、様々な知識が身につきます。
他の業界でも、仕事に関わることは毎日接するうちに自然と身についていくものだと思いますが、生鮮業界の場合、その対象はすべての人が日常生活でも毎日接することになる食品です。
生鮮業界は、仕事で身につけた知識が日常生活でも役立ってくる業界と言えるでしょう。
食品に関するスキルが身に付く
食品業界の中でも、生鮮業界の仕事では生鮮食品に関する知識や加工技術が必要となります。
そのため、未経験からの就職が難しいものが多く、就職した後も仕事に慣れるまでは大変です。
しかし、その分一度知識や技術を身につければ、転職の際にそれが有利にはたらきます。
さらに、未加工の生鮮食品を自分で加工できる技術があれば、普段の調理の幅も広がるなど、日常生活にもメリットがあります。
お客様の喜ぶ顔が見える
スーパー、小売店、飲食店などでは、普段からお客様と直接接することになります。
そのため、お客様とのやりとりの中でやりがいを感じる方も多いようです。
例えば、自分が作った料理を喜んでもらえたり、お客様の質問に答えたら感謝されたりと、日常の小さなやりとりがやりがいに繋がります。
人に喜んでもらえるような仕事がしたいと考えている方は、お客様の姿が直接見られる職場を選ぶと良いでしょう。
生鮮業界で必須の資格やスキルは?
生鮮業界の求人は、
特別な資格やスキルは必要なく、無資格で未経験の人でも歓迎としているものがほとんどです。
しかし、持っていると就職しやすかったり、待遇が良くなったりする資格もいくつかあります。
そのような資格はもちろん業種によって様々ですが、ここでは生鮮業界一般的に、持っていると優遇されやすい資格を紹介します。
調理師免許
惣菜スタッフを始めとして、生鮮業界の様々な業種で料理をすることがあります。
自分が料理したものをお客様に出すこと自体は調理師免許がなくても可能ですが、上にも書いた通り、プロの料理人である「調理師」として働くためには調理師免許が必要です。
また、調理師としての求人以外でも、仕事内容に料理がある場合や、食品メーカーの開発職への就職は、調理師免許があった方が優遇されます。
調理師免許の試験は独学でも数ヶ月勉強すると取得できると言われているので難易度はそれほど高くありません。
しかし受験資格を得るためには、調理師養成施設を卒業しているか、2年以上の実務経験が必要です。
実務経験などの受験資格がある方は取得してみると良いでしょう。
栄養士免許
栄養士資格は、栄養士養成課程のある大学、短期大学、専門大学を卒業することで取得できます。
資格取得でよくある通信教育や独学で取れるものではなく、必ず専門の学校を卒業しなければならないため、取得難易度は比較的高めです。
現在高校生以下の方などで、将来食品関係の仕事に就きたいと考えている方は栄養士養成課程のある学校に進学すると、様々な業種で優遇されます。
生鮮業界のおもな就職先・転職先
生鮮業界で食品に関わる仕事がしたいと考えている方は、具体的にどこの求人を見ればいいのか、どこで働けば食品に関わる仕事ができるのか、選択肢を色々知っておくと良いでしょう。
ここでは、生鮮業界で働く場合に候補となる就職先や、ある程度経験を積んだ後の転職先を紹介します。
よくある就職先・転職先は以下の通りです。
スーパー
食品に関する仕事で、最もイメージしやすい就職先だと思います。
スーパーには、精肉部門、鮮魚部門、青果部門、惣菜部門…など、扱う食品によって部門が分かれていて、希望した、または配属された部門の食材と日々接することになります。
正社員として就職すると、ゆくゆくは店長や自分の部門の専門家として、食材の買い付けなどを行うというキャリアパスになります。
食品加工工場
食品加工工場も、生鮮業界でよくある就職先です。
ハムやソーセージなどの加工肉を作る精肉工場、ツナ缶やサケフレークなどの水産加工品をつくる生鮮加工工場など、生鮮食品を加工して保存のきく加工食品にしたり、食べやすい大きさにカットしたりするのが主な仕事です。
また、企業によってはスーパーを持っているところもあり、販売業務に関わることもあります。
飲食店
特に調理師を目指す方にとっては、最初に思い浮かべる就職先ではないでしょうか。
飲食店の中にも、高級レストランなのか、ファミリーレストランなのか、大手チェーンなのか、個人経営なのか、どんなジャンルの料理を出すのかによって、求められるものや働き方、待遇は大きく異なります。
また、調理師以外にも、スーパーや食品加工工場から転職する方も多いようです。
例えば、食肉の加工や魚をさばく技術、目利きの技術は、なかなか身に付くものではありません。
そのため、食肉や鮮魚加工の経験があると、焼肉屋さんやお寿司屋さんなど、肉や魚専門の飲食店への転職にも有利です。
学校・病院・介護福祉施設
こちらも特に調理師・料理人の方に定番の就職先になります。
栄養士の方と相談して健康面に配慮しながら、大人数分の料理を作る仕事です。
病院や介護福祉施設などでは、患者さんや利用者さんの状況に応じて、例えば塩分を少なめにする、流動食にするなど、個別の対応が必要になることもあるようです。
食品メーカー
生鮮業界での経験を活かして、食品メーカーの開発職などに就く方もいます。
商品に使う食材を選んだり、調理の経験を活かしてレシピを考えたりする仕事に、これまでの経験が活きてくるでしょう。
調理師免許や栄養士免許を持っていると、特に優遇されます。
専門の小売店
今では少なくなってしまいましたが、肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんなど、専門の小売店で働くのも一つの選択肢です。
大きなスーパーは朝早くから夜遅くまで営業していたり、土日も開いていたりと、労働時間が長くなりがちです。
また、利用者が多い分、商品の数や仕事量も多くなります。
一方小売店は、良くも悪くも小規模で、スーパーと比べると時間に追われる要素は少なめです。
時間を気にしながら作業をするのが苦手な方にはスーパーよりも合っていると言えるでしょう。
独立開業
調理師の方の中には、レストランやホテルで経験を積んだ後、独立して自分のお店を持つ方もいます。
また調理師以外にも、青果スタッフの経験を活かして八百屋さんを開業したり、精肉加工業の経験を活かして肉屋さんを開業したりする方もいるようです。
もちろん、八百屋さんや肉屋さんなどは、青果スタッフや精肉加工業の経験がなくても開業できますが、スーパーなどで十分な知識や技術を身につけてから開業することが推奨されます。
また、一度そのような経験をすることで、ノウハウや人脈を自分のお店の経営に活かすこともできるようになるでしょう。
生鮮業界の重要性
生鮮業界は、数ある業界の中でも間違いなく最も重要な業界の一つです。
食品は全ての人が生きていくために必須のものです。
確かに最近は加工食品などの需要が増加してきており、生鮮食品を消費者が直接購入する機会は減少しています。
しかし、加工食品も元々は生鮮食品だったのであり、国内で農畜産物や水産物を生産し、加工している限り、その仕事が不要になることはありません。
消費者への影響
生鮮業界の仕事は、全ての人に不可欠な食品を作っているという点で、消費者にとって非常に重要な仕事です。
また食にかかわるプロとして、食育の世界にも重要な役割を果たすことが期待されます。
食品メーカーには食育にも力を入れているところが多く、例えば児童や学生に加工食品の工場を見学する機会を提供したり、健康に良く節約にもなるレシピをHPで公開したりと、様々な取り組みを行っています。
近年は食育がますます重視されてきており、生鮮業界でキャリアを築くうちに、食育にも何らかの形で関わる可能性が高いでしょう。
経済への影響
農林水産省の調査によると、2021年の農業・食料関連産業の国内生産額は108.5兆円でした。
これは日本全体の国内生産額の約11%です。
農業・食料関連産業の多くに関わると考えられる生鮮産業は、国内全体の経済にとっても重要であると言えます。
生鮮業界の将来性
生鮮業界への就職を考えている方にとって、その将来性は気になるところだと思います。
ここでは生鮮業界の将来性について考察していきます。
生鮮業界の将来性
生鮮業界には多くの可能性があり、以下の3つの理由から将来性が期待されています。
生鮮食品の需要はなくならない
生鮮食品は日常生活に欠かせないものであり、基本的な需要は常に存在します。
特に健康志向の高まりや新鮮な食材へのニーズは依然として強く、また、家庭での調理や新鮮な食材を用いた簡便な料理の需要も増えています。
これにより、生鮮食品の市場には一定の安定感があります。
転職しやすい
生鮮業界の仕事は、生鮮食品の加工技術や食材に関する知識が求められる傾向にあります。
特に精肉加工や鮮魚加工は、一度経験するとその後の転職で重宝されるでしょう。
成長の可能性が高い
生鮮業界の中でも、惣菜加工や調理済み食品の分野は成長の可能性が高いとされています。
消費者のライフスタイルの変化に伴い、利便性を重視する消費者が増加しており、調理の手間を省いた商品に対する需要が高まっています。
各種の市場調査や報告によれば、この分野は特に都市部での需要が強く、忙しい現代人にとって魅力的な選択肢となっています。
また、国内市場が成熟している中で、海外市場への進出を図る企業も増えており、グローバルな視点で成長のチャンスを捉えようとする動きも見られます。
生鮮業界で働くならFOOD MATCH
この記事を読んで、生鮮業界で働きたいという思いが強くなったという方は、FOOD MATCHで就職先を探してみるのがおすすめです。
FOOD MATCHとは、生鮮業界に特化した求人サイトで、業界に精通した転職エージェントが転職をサポートしてくれます。
特化サイトだからこそ、普通の求人サイトでは公開していない情報も得られるので、自分に合った職場を見つけられるでしょう。
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