自動車整備士の将来性|10年後も必要?今後の需要を解説

自動車整備士の将来性について解説する記事のサムネイル画像。10年後の需要や業界動向を詳しく紹介。
自動車整備士業界の動向と未来予測を徹底解説!電気自動車や自動運転技術の進化に伴う影響もカバー。

自分のキャリアを考えるうえでは、どのような経験やスキルを身につけるべきかも重要になります。
一方で、勤めている業界の将来性を見極める視点も欠かせません。

そのような中で、

自動車整備士の仕事は、将来なくなるのでは?

というような不安を抱いている方も少なくありません。

しかし、電気自動車(EV)の普及や自動運転技術の進化により、業界は大きな転換期を迎えています。
だからこそ、整備士業界の今後を改めて考えることが、将来のキャリアアップにもつながります。

そこで本記事では、整備士業界の将来性を整理します。
あわせて、今後も必要とされる人材を目指すためにやるべきことを紹介します。

この記事を参考に、自動車整備士の将来性を正しく理解し、10年後も活躍できるキャリアを描きましょう。

スーツを着た4人
目次

自動車整備士は、私たちの安全なカーライフを支える欠かせない職業です。

一方で「人手不足」や「きつい仕事」というイメージを持っている人も少なくありません。

では、実際の自動車整備業界は今どのような状況にあり、どんな変化が起きているのでしょうか。

日本自動車整備振興会連合会によると、直近の自動車整備士業界は、以下のような動向が見られます。

2022年度2023年度2024年度2025年度
総整備売上高(億円)57,38859,07262,56166,592
企業数(社)72,37072,17672,48172,317
整備士数(人)331,681331,255333,047333,475
平均年齢(歳)46.747.247.447.7
技術料(工賃)の対前年増減率(%)+2.5+4.0+5.1+5.8
平均年収(千円)4,043.84,172.84,257.94,428.9

参照元:令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について|日本自動車整備振興会連合会

日本自動車整備振興会連合会のデータからは、以下のようなことが分かります。

自動車整備士業界の動向

  • 売上高が増加(市場規模が拡大)している
  • 1企業および1整備士あたりの生産量が増えている(工賃が上がっている)
  • 自動車整備士の高齢化が進んでいる
  • 自動車整備士の年収・待遇は改善傾向にある

その一方で、現役の自動車整備士は、以下のような理由で別の業界への転職を決めています。

自動車整備士を退職した理由給料に不満がある労働環境に不満がある人間関係に不満があるやりたい業務がないライフイベント
割合(%)39.822.48.212.217.3

参照元:【現役整備士98人に聞いた】転職理由と面接・履歴書での言い換え|

X Mile株式会社

職パレtips
このように、自動車整備士業界は市場規模が増えている一方で、高齢化や人手不足などの人材面での課題が多いため、今後も待遇や労働環境の改善が見込まれます。

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エンジンオイル交換の作業をする自動車整備士の手元。自動車整備士業界の将来性を左右する4つの要因について解説するセクションに関連。

自動車整備士業界の将来性は、単一の要因ではなく、複数の社会的・技術的変化が重なって左右されます。

ここでは、今後10年を見据えてとくに重要となる要因を整理して解説します。

自動車技術の進化

自動車技術の進化は、自動車整備士業界の将来性を大きく左右する重要な要因です。

これまで業界では、さまざまな技術革新が起こってきました。
具体例として、次のような変化が挙げられます。

過去に起こった自動車技術進化の具体例

  • 電動化(EV・ハイブリッド)のインフラ整備にともなう充電インフラやワイヤレス給電技術などの開発
  • レベル2〜3程度の自動運転・高度運転支援技術(ADAS)を搭載した自動車の開発
  • 車載ソフトウェアのOTA(Over-The-Air)更新やAIによる予測制御・安全機能の一般化
  • センサー技術(LiDAR、カメラ、レーダーなど)の環境認識精度の向上や自動運転機能の実装範囲拡大

このようなEVやハイブリッド車、先進運転支援システムの普及により、従来の機械中心の整備だけでは対応が難しくなっています。

また、電子制御やソフトウェアに関する理解が求められるため、整備内容はより高度化していくと考えられます。

法規制・安全基準の変化

法規制や安全基準の変化は、自動車整備士の必要性を継続的に支える要因のひとつです。

過去には、以下のような法規制・安全基準の変化がありました。

実際に起こった自動車整備・安全基準に関わる法規制・安全基準の変化

  • 2025年に国土交通省が自動車整備の事業規制を7項目で見直す法改正を実施
  • 2025年に車検受検可能期間が、「満了日の1か月前 → 2か月前」に拡大
  • 2024年に車検の検査項目として電子装置の診断(OBD検査)が義務化
  • 2019年の道路運送車両法改正により、「特定整備制度」が導入
  • 2019年に成立した改正道路運送車両法で自動運転車(特にレベル3)を想定した安全基準が新設

このように、車検制度や排出ガス規制、安全装備の義務化などは年々厳格化されています。

変更内容次第では、従来の整備内容が通用しなくなることも少なくありません。

そのため、国土交通省を中心に整備されているこれらの制度を把握することは、自動車関連の専門知識が求められる自動車整備士にとって不可欠といえます。

クルマ社会の構造変化

クルマ社会の構造変化も、整備士業界の将来性に影響を与える重要な要因です。
とくに近年は、都市部を中心に移動手段の多様化が進んでいます。

たとえば都市部では、カーシェアや公共交通の利用が広がっています。
その結果、個人の自家用車保有台数は減少傾向にあります。

一方で、地方や物流、商用車分野では依然として自動車依存度が高い状況です。
そのため、整備需要は今後も一定水準で続くと考えられます。

さらに、交通エコロジー・モビリティ財団のデータを見ると変化は明らかです。
2002年には国内のカーシェア車両は21台、会員数は50人でした。

しかし2025年には、車両数が84,887台まで増加しています。
会員数も5,602,120人に拡大しました。

このように、地域や用途によって需要構造は異なります。
その違いは、整備士の活躍フィールドにも影響を与えています。

自動車整備士が保有するスキルの変化

整備士が保有するスキルの変化は、業界全体の将来性を左右する重要な要素です。
とくに近年は、求められる能力の幅が広がっています。

従来の整備技術だけでは不十分になりつつあります。
そのため、電気・電子分野の知識や診断機の操作スキル、ITリテラシーが求められています。

さらに、顧客対応力や説明力も重視されるようになりました。
結果として、現場中心の技術職から総合的な役割へと変化しています。

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エンジンルームを点検しながらチェックリストを記入する自動車整備士。10年後も必要とされる整備士になるためのポイントを解説するセクションに関連。

10年後も必要とされる整備士になるには、現在の業務をこなしているだけでは不十分です。
将来の変化を見据え、主体的にスキルを磨く姿勢が求められます。

とくに、自動車業界は技術革新のスピードが速い分野です。
そのため、変化に対応できる人材へと成長することが重要になります。

そこでここからは、長期的に活躍できる整備士を目指すための具体的な行動を紹介します。
次の5つのポイントを意識してみてください。

幅広い経験が積める環境で働く

| 長期的に必要とされる整備士を目指すなら、将来を見据えた環境選びが重要です。
まずは、幅広い経験が積める職場を意識してみましょう。

企業によって扱う車種や業務内容が異なります。
そのため、経験できる業務の幅も大きく変わります。

特定の車種や作業だけに限定される職場では、キャリアの幅が狭くなる恐れがあります。
とくに未経験から転職する場合は、視野が固定化されやすい傾向にあります。

一方で、幅広い業務に携われる環境では成長機会が増えます。
だからこそ、将来を見据えて知識やスキルの幅を広げることを意識しましょう。

自動車整備士業界でどのような経験を積めるか知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

資格を取得する

| キャリアアップを目指すなら、計画的に資格取得を進めることが重要です。
とくに整備士として長く活躍したい方は、関連資格の取得を検討しましょう。

オイル交換やタイヤ交換などの補助業務であれば、無資格でも携わることは可能です。
しかし、将来的に専門性を高めたい場合は資格取得が欠かせません。

そのため、国家資格である整備士資格などを取得し、専門性を明確に示すことが求められます。
結果として、自身の市場価値を高めることにもつながります。

実際に、多くの整備士が国家資格を取得しています。
代表的な資格の種類は、次のとおりです。

自動車整備士資格の種類

  • 一級大型自動車整備士
  • 一級小型自動車整備士
  • 一級二輪自動車整備士
  • 二級ガソリン自動車整備士
  • 二級ジーゼル自動車整備士
  • 二級自動車シャシ整備士
  • 二級二輪自動車整備士
  • 三級自動車シャシ整備士
  • 三級自動車ガソリン・エンジン整備士
  • 三級自動車ジーゼル・エンジン整備士
  • 三級二輪自動車整備士
  • 自動車タイヤ整備士
  • 自動車電気装置整備士
  • 自動車車体整備士

また、自動車整備士資格以外にも以下のような資格が役立ちます。

証明書

自動車整備主任者資格


自動車整備主任者資格は、整備工場で作業全体を管理・監督するための国家資格です。
現場の最終責任を担う重要なポジションといえます。

この資格は国土交通省が所管しています。
さらに、道路運送車両法に基づき、各整備事業者への配置が義務付けられています。

資格を保有している場合、分解整備や点検作業が適切に行われているかを確認します。
そのうえで、最終的な整備責任を負う立場になります。

また、整備内容の確認や作業指示、安全管理も担当します。
加えて、整備記録の管理なども行い、現場の品質と安全性を支えています。

証明書

自動車検査員資格


自動車検査員資格は、車検時に保安基準への適合性を最終判断する専門資格です。
車両の安全性を担保する、非常に責任の重い役割を担います。

この資格も国土交通省が所管しています。
講習や試験を通じて、専門性と責任感を備えた人材が選抜されます。

資格を取得すると、指定自動車整備事業(いわゆる指定工場)で業務に携わることが可能になります。
具体的には、完成検査や保安基準適合証の作成・交付を担当します。

さらに、ブレーキや灯火類、排出ガス、安全装置などを総合的に確認します。
そのうえで、車両が公道で安全に使用できるかどうかを最終的に判断します。

今後のキャリアを踏まえて、必要な資格を取得してください。

また、キャリアアップしたい方に向けた自社の研修制度などがある場合は、積極的に参加しましょう。

自動車整備士資格や自動車整備主任者資格、自動車検査員資格について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

業界専門誌を読む

| 整備士として知識をアップデートするには、業界専門誌を読む習慣が役立ちます。
とくに最新情報を継続的に取り入れる姿勢が重要です。

代表的な業界専門誌には、「日刊自動車新聞」などがあります。
また、実務に役立つノウハウが豊富な「オートメカニック」も参考になります。

これらの専門誌には、新技術や法改正、現場事例などが掲載されています。
そのため、実務に直結する情報を効率よく学べます。

もちろん、日々の業務から得られる学びも大切です。
しかし専門誌を併読することで、さらに視野を広げられます。

近年は電子版も増えています。
通勤時間などを活用して、気軽に読んでみてください。

SNSやWebサイトで自動車整備士に役立つ情報を収集する

| 自動車整備士として活躍するために役立つ情報を効率的に収集したい方は、SNSや自動車整備士関連のWebサイトをチェックしましょう。

現役整備士の発信やメーカーの公式情報は、現場目線の学びにつながります。

また、他の自動車整備士が実際に体験したトラブルや最新技術の使用感などをチェックすることで、実務への対応力が高まります。

なお、SNSや口コミなどは偏った意見が多数存在するため、複数の情報を比較しながら精査しましょう。

SNSを使用した就職・転職の進め方を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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業界内の人脈を広げる

| 自動車整備士の業務における視野を広げるためには、業界内の人脈を広げましょう。

自社内など、限られた領域で知識や経験を身につけると、汎用性に欠ける恐れがあります。

他社の自動車整備士や関連業種と交流することで、新しい考え方や情報を得られるでしょう。

また、同業他社への転職を検討する場合、業界内の人脈が広いと、リファラルのチャンスが広がります。

自動車整備士向けのイベントやオンラインコミュニティへ参加し、安定したキャリアを目指しましょう。

エンジン修理を行う自動車整備士の手元。自分らしく働ける職場を探すためのポイントを解説するセクションに関連。

長期的にキャリアを築くためには、自分に合った環境を選ぶことが欠かせません。

とくに、未経験から自動車整備士を目指す方にとって、初めて働く職場での経験は、自動車整備士としての基盤形成に影響します。

自動車整備士業界で自分らしく働ける職場を見つけるためには、給与や勤務地だけでなく、働き方や成長環境まで含めて見極めることが重要です。

ここからは、自動車整備士業界における職場選びで押さえておきたいポイントを5つ紹介します。

自動車整備士業界への理解を深める

| 自動車整備士業界で自分らしく働ける職場を探すための第一歩として、自動車整備士業界への理解を深めましょう。

業界全体の構造や働き方、将来性を知ることで、自分に合う職場像が明確になります。

とくに、未経験から自動車整備士を目指す人にとって、自動車整備士業界への理解を深めることは、志望動機や自己PRなどを考えるうえでも欠かせません。

また、就職・転職してから時間が経っていると、動向が変化していることもあるため、経験者の方も改めて情報をアップデートしましょう。

自動車整備士としての理想像を明確にする

| 自動車整備士業界への理解を深めたら、自動車整備士としての理想像を明確にしましょう。

具体的には、どのような技術を身につけたいのか、どんな働き方をしたいのかを言語化しましょう。

自動車整備士の理想像の具体例

  • 自動車整備士一級を取得し、電子制御系トラブルや複合的な故障診断を専門に担当する
  • 自動車整備士二級を取得し、車検整備・法定点検・一般修理を一通り任されるようにする
  • 若手整備士のOJT指導や作業サポートに携わり、現場全体の技術力向上に関わる

理想像が曖昧なままだと、条件だけで職場を選びミスマッチが起こりやすくなります。

将来の姿を意識することで、自分らしく働ける環境を選びましょう。

自動車整備士業界に特化した就職・転職支援サービスを活用する

| 自動車整備士業界で自分に合った職場を探すためには、自動車整備士業界に特化した就職・転職支援サービスを活用しましょう。

自動車整備士業界に特化した就職・転職支援サービスでは、仕事内容や職場環境が具体的にわかる求人が多く掲載されています。

また、一般的な就職・転職支援サービスではわかりにくい現場情報を得られることもあります。

効率よく自分に合った職場を探したい方は、ぜひ自動車整備士業界に特化した就職・転職支援サービスを活用してみてください。

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実際に働いている人の意見を取り入れる

| 自動車整備士業界で職場を探すときは、実際に働いている人の意見を取り入れましょう。

現場の雰囲気や忙しさ、人間関係などは、求人票や企業の採用ページからは読み取りにくい情報です。

カジュアル面談や口コミ、SNSなどを通じて実際に働いている従業員からのリアルな情報を収集することで、自分に合った職場を見極めやすくなるでしょう。

入社後のミスマッチを減らすためにも、ぜひ働いている人の意見を聞いてみてください。

自動車整備士のリアルな声を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

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今回は、自動車整備士業界の将来性や今後も必要とされる自動車整備士を目指すためにやるべきことについて解説しました。

自動車整備士業界は、EVや自動運転車の普及により、めまぐるしく変化しています。

しかし、自動車技術が変化しているからといって、自動車整備士が不要になるというわけではありません。

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