調理師免許とは、食品衛生や調理技術に関する知識を有していることを証明する国家資格です。
調理師でキャリアアップを目指すために欠かせない資格とされています。
本記事では、調理師免許の概要や合格率、取得方法などを解説します。
未経験から調理師へ挑戦したい!
調理師免許を取得してキャリアアップしたい!
という方は、本記事を参考にしてください。
この記事を参考に、調理師免許を取得し、キャリアアップを目指しましょう。
調理師とは?
調理師とは、食品を調理・管理する専門職のことです。
料理の技術や衛生管理、食材の扱い方に精通し、店舗や施設で調理業務を担当します。
料理人は料理をつくることを専門としており、料理の創作や独自の技術に焦点を当てている職業です。
その一方で、調理師は法的に認められた免許を持ち、衛生や栄養バランスを考慮して料理を提供しています。
調理師や料理人について詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
調理師免許とは?
調理師免許
調理師免許は、日本で調理業務に従事する際に取得が推奨される国家資格です。
飲食業界に従事していたとしても、調理師免許を保有していないと、調理師と名乗れません。
また、食品の安全管理や調理技術、栄養学に関する知識を持っていることを証明するため、飲食業界での信頼向上やキャリアアップに役立ちます。
公益社団法人調理技術技能センターが主催しており、全国各地の試験会場で受験できます。
調理師免許の試験概要は、以下のとおりです。
試験科目 | 公衆衛生学食品学栄養学食品衛生学調理理論食文化概論 |
出題数・出題形式 | 全60問マークシートによる四肢択一方式 |
合格判定基準 | 全科目の合計得点が満点の6割以上※1科目でも得点が当該科目の平均点を著しく下回る場合は不合格 |
参照元:令和6年度調理師試験|公益社団法人調理技術技能センター
調理師免許の受験資格
調理師免許を取得するためには、以下の学歴に該当し、調理師法施行規則第4条に定められた以下の施設で2年以上調理業務に従事した方が受験できます。
調理師法施行規則第4条
法第三条第二号、法第五条の二第一項及び法第八条の二に規定する厚生労働省令で定める施設又は営業は、次のとおりとする。
一 寄宿舎、学校、病院等の施設であつて飲食物を調理して供与するもの
二 食品衛生法施行令(昭和二十八年政令第二百二十九号)第三十五条第一号、第四号、第二十五号又は第二十六号に掲げる営業(喫茶店営業(喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業をいう。)を除く。)
引用元:調理師法施行規則|厚生労働省
学歴
- 学校教育法第57条の規定に基づき、高等学校の入学資格を有する者
- 旧制国民学校高等科の修了者、旧制中学校2年の課程の修了者又は調理師法施行規則附則第3項の規定によりこれらの者と同等の学力があると認められる者
職歴は、正規職員でなくとも、週4日以上かつ1日6時間以上の調理業務に従事し、反復的な勤務が認められれば対象となります。
非正規職員でも、2年以上の継続勤務が求められますが、1か月以上の長期休暇がある場合はその期間を除外して計算してください。
なお、以下の業務は調理業務として認められません。
調理職務として認められない業務
- 喫茶店営業に該当する営業での業務
- 食肉処理や食品製造、飲料の調製
- 簡易な飲食店営業の対象となる調理
- 調理品の運搬や配達、食器洗い等
- 栄養士や保育士、看護師、ホームヘルパー等
- 調理学校等における調理実習指導等
- 会社や研究所等で食品開発業務の一環として実施する業務
- 食品衛生法による営業許可を受けていない施設で実施する業務
- 外国の飲食店で実施する業務
- 高校在学期間中に実施する業務
また、一部の都道府県では独自の条件を設定しています。
気になる方は、各都道府県の公式サイトを確認してください。
調理師免許の合格率
調理師免許における合格率の推移は、以下のとおりです。
年代(年) | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
合格率(%) | 66.4 | 70.2 | 65.6 | 65.4 | 60.8 |
引用元:年度別(10年間)・都道府県別調理師試験合格率|厚生労働省健康局健康課栄養指導室
調理師免許の合格率は、60〜70%と難易度が高いというわけではありません。
しかし、試験内容は年々難しくなっており、合格率も低下傾向にあります。
調理師免許取得までの流れ【6STEP】
調理師免許は、以下の流れで取得します。
受験申請用書類を受け取る
調理師試験を受験するためには、受験申請用書類を準備しなければなりません。
例年、以下のような受験申請用書類が、5〜6月頃に調理技術技能センターの関連施設や保健所にて配布されています。
受験申請用書類
- 受験申請書
- 受験票・写真台帳
- 受験手数料の領収書
- 受験票送付用封筒
- 卒業証明書
- 調理業務従事証明書
- 印鑑登録証明書または印鑑証明書
- 戸籍個人事項証明書(該当者のみ)
- 国籍等表示のある住民票(外国籍の方のみ)
調理師試験の受験申請書類は指定された形式で記入し、必要な箇所に写真や証明書を正確に貼付しましょう。
また、調理業務従事証明書は法人または施設の代表者に依頼して作成してください。
受験手数料を支払う
手続きするソフトやコーナーを選ぶ
調理師免許を取得するためには、調理師試験の受験に必要な受験申請用書類を下記の提出先へ提出しなければなりません。
提出先 | 公益社団法人調理技術技能センター調理師試験担当 |
住所 | 〒103-0012東京都中央区日本橋堀留町2-8-5JACCビル5階 |
電話番号 | 03-3667-1815(平日9時~17時) |
参照元:令和6年度調理師試験|公益社団法人調理技術技能センター
提出した書類に不備がある方向けに、書類の再提出期間が設けられています。
公益社団法人調理技術技能センターから不備通知が届いた場合は、期間内に修正・再提出してください。
受験票を受け取る
例年、9月下旬から10月頃に受験票が郵送されます。
受験票は、調理師試験の受験に必要なので、なくさないように保管しましょう。
なお、試験直前になっても受験票が届かない場合は、調理技術技能センターへ問い合わせてください。
また、引っ越した場合は、受験票が発送される前に転送手続きを済ませてください。
調理師試験を受ける
事前準備が完了したら、指定された試験日程で調理師試験を受験します。
試験日当日は、交通機関の遅延や道に迷うなどのトラブルを考慮し、余裕を持って試験会場へ向かいましょう。
また、やむを得ない事情により試験を延期する場合は、試験日前日までに公式サイトで周知されるため、必ずチェックしましょう。
合格通知書を受け取る
調理師試験に合格した場合、受験申請書に記載された住所あてに調理技術技能センターから合格通知書が郵送されます。
調理師試験の結果は、調理技術技能センターの掲示板や公式サイトで確認できます。
また、試験の正式について知りたい方は、定められた期間内に以下の書類を窓口または郵送にて提出しましょう。
調理師試験成績開示に必要な書類(郵送)
- 調理師試験成績開示請求書
- 本人確認書類のコピー
- 戸籍抄本または謄本のコピー(該当者のみ)
- 返信用封筒
- 事務手数料400円
調理許試験の再受験について
不合格や欠席などの理由により調理師試験を再受験することもあるでしょう。
同じ都道府県で再受験する場合、前回の受験票を提出すると、次の書類の提出が省略できます。
省略できる受験申請書類
- 卒業証明書
- 調理業務従事証明書
- 印鑑登録証明書または印鑑証明書
なお、受験地域や受験年度によってこの特例が適用される条件が異なるため、詳細は該当する都道府県へ確認しましょう。
また、過去の受験票を紛失した場合は、運転免許証や健康保険証など、本人確認書類のコピーが必要です。
一部の都道府県では、過去の受験情報が調理技術技能センターを通じて確認される場合があります。
さらに、氏名変更や外国籍の方は、戸籍個人事項証明書や国籍等表示のある住民票など追加書類が必要な場合があります。
調理師免許を取得するメリット【5つ】
調理師免許には、さまざまな魅力があります。
ここからは、調理師免許を取得するメリットを5つ紹介します。
顧客や同僚から信頼してもらえる
免許は、適切な教育や経験を経ていることの裏付けとなります。
そのため、調理師免許を取得することで、食品衛生や調理技術に関する専門知識を持つことが証明され、顧客や同僚からの信頼を得やすくなります。
とくに、衛生面での信頼向上が期待されるでしょう。
調理師免許必須の職場で働ける
法律で食品衛生管理が厳しく求められる施設で働くためには、調理師免許が欠かせません。
具体的には、病院や学校、介護施設などの給食調理場、または特定の業種における専門調理施設が該当します。
調理師免許を取得することで、調理師免許必須の求人にも応募できるようになるため、キャリアの幅が広がります。
食品衛生責任者講習が免除される
食品衛生責任者講習とは、食品衛生責任者として必要な知識や技能を身に付けるための養成講習会です。
都道府県知事または認定された団体が実施しており、食品衛生管理に関する基本的なルールや実務的な手法を学ぶ機会を提供しています。
受講対象は、食品衛生責任者資格を持たない人とされていますが、調理師を取得している場合も養成講習会を受講しなくても食品衛生責任者になれます。
キャリアアップしやすくなる
調理師免許を取得すると、専門性が公的に認められるため、飲食業界での信頼が高まり、キャリアアップのチャンスが広がります。
とくに、管理職や責任者として求められる食品衛生や調理技術の基礎知識を証明できるため、採用や昇進で有利になるでしょう。
また、食品衛生責任者としての資格が得られ、開業時の要件も満たせるため、独立や事業拡大の際にも役立ちます。
独立・開業を目指せる
調理師免許を取得すると、食品衛生責任者の資格も自動的に得られるため、飲食店の開業に必要な条件をクリアできます。
これにより、レストランやカフェなどの店舗運営だけでなく、移動販売やケータリングなど、幅広いビジネス形態で独立を目指せます。
また、調理師としての専門性が認められることで、顧客や取引先からの信頼を得やすく、開業後の経営も円滑に進められるでしょう。
調理師に必要なスキル【5つ】
調理師免許を取得しているからといって、調理師として成功できるというわけではありません。
ここからは、調理師に必要なスキルを5つ紹介します。
調理技術
調理技術は、素材の特性を活かしながら適切な調理法を選択し、美味しく見た目にも美しい料理を作る基盤となります。
また、食品衛生の観点から適切な温度管理や調理過程が求められます。
高品質の料理を提供するためには、ハイレベルな調理技術が欠かせません。
さらに、多様な顧客ニーズに応えるアレンジ力や効率的な作業を実現させるためにも調理技術は不可欠です。
味覚・嗅覚のセンス
調理師として成功するためには、味覚・嗅覚のセンスが必要です。
味覚のセンスは、適切な調味料のバランスや素材の持ち味を引き出します。
一方で、嗅覚は調理中の香りから食材の鮮度や調理の進行状態を判断する助けとなります。
また、新しいメニューの開発やアレンジにもセンスが求められます。
創造性
調理師は、新しいメニューの開発や既存の料理のアレンジを通じて、顧客に驚きや満足を提供することを求められます。
とくに、競争の激しい飲食業界では、独自性のある料理や提供方法が重要な差別化要素となります。
また、季節や地域に応じた食材を活用し、独創的な料理を生み出すことで、食材の魅力を最大限に引き出せるでしょう。
さらに、見た目や香り、味を調和させた料理を創作することで、顧客の期待を超える体験を提供し、リピーターを増やします。
コミュニケーション能力
調理師はひとりで作業するイメージがあるかもしれませんが、基本的に調理業務は、チームで取り掛かります。
キッチン内での指示や情報共有を円滑にすることで、スムーズな業務進行を実現できるでしょう。
また、顧客との会話を通じて要望やフィードバックを受け取ることで、サービスや料理の品質を向上させられます。
さらに、取引先や生産者と良好な関係を築くことで、品質の高い食材を確保したり、価格面で優遇してもらえたりします。
体力
調理師は、長時間の立ち仕事や重い鍋・食材の持ち運び、頻繁な動作を伴う調理業務が日常的に求められます。
また、忙しい時間帯や大量のオーダーに対応する際には、素早く効率的に作業を進める持久力も必要です。
さらに、厨房の高温や湿気といった環境下での作業も体力を消耗させます。
体力をつけておくことで、安定したパフォーマンスを維持し、より良い料理とサービスを提供できます。
調理師になるために注意すべきこと【5つ】
調理師になるためには、いくつか注意してほしいことがあります。
ここからは、調理師になるために注意すべきことを5つ紹介します。
職場選び
| 調理師として働く職場を探すときには、求人情報を入念に確認しましょう。
職場によって求められる技術や働き方が異なります。
自分の目指す調理分野や待遇に合わない職場では、成長の機会を得られないでしょう。
また、人間関係や社風などもストレスなくパフォーマンスを発揮させるために欠かせません。
さらに、安定した経営基盤を持つ職場で働くことで、長期的な雇用の安心感を得られます。
どのような職場が自分に合っているかわからないという方は、生鮮業界に特化した求人サイト「FOOD MATCH」をはじめとした転職エージェントへ相談してみてください。
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また、調理師だけでなく料理人や生肉・生魚加工など生鮮業界全般へのキャリアステップを検討している方は、こちらのコラムをご覧ください。
衛生管理
| 調理師になるためには、衛生面に配慮しましょう。
衛生管理が不十分だと顧客の信頼を失い、店舗や事業の信用に大きな影響を与えます。
調理現場では、生鮮食品や加工品を扱うため、適切な保存方法、清潔な器具の使用、手指の消毒などを徹底しましょう。
とくに、細菌やウイルスの繁殖を防ぐために、適切な温度管理や交差汚染の防止は必ず実施してください。
また、髪の毛や体臭など、身だしなみにも気を配ってください。
安全意識
| 調理師として働くためには、安全意識が必要です。
調理現場では、高温の器具や鋭利な包丁を扱います。
そのため、常にけがや事故のリスクが伴います。
安全意識を持つことで、怪我や火災などのトラブルを未然に防げるでしょう。
継続的な学習
| 調理師として働くためには、継続的な学習が必要です。
食品業界は絶えず進化しており、新しい調理技術やトレンド、食品衛生基準が常に更新されています。
そのため、調理師として質の高いサービスを提供するには、新しい食材の特徴や調理方法、さまざまな国や地域で提供されている料理の知識を常にアップデートしなければなりません。
さらに、衛生管理や安全基準の法的改定に対応することで、顧客の信頼を維持し、食品事故を防げます。
ーまとめー
調理師を目指す方には「FOOD MATCH」
今回は、調理師免許の概要や合格率、取得方法などを解説しました。
調理師免許を取得することにより、業界未経験でも飲食業界での活躍の幅が広がります。
その一方で、調理技術だけでなく食品衛生や栄養学など多分野の知識を習得する必要があり、取得が難しいとされています。
試験の流れと試験内容を把握した上で調理師免許を取得し、調理師へのキャリアステップを歩み始めましょう!
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まとめ
調理師を目指す方には「FOOD MATCH」
今回は、調理師免許の概要や合格率、取得方法などを解説しました。
調理師免許を取得することにより、業界未経験でも飲食業界での活躍の幅が広がります。
その一方で、調理技術だけでなく食品衛生や栄養学など多分野の知識を習得する必要があり、取得が難しいとされています。
試験の流れと試験内容を把握した上で調理師免許を取得し、調理師へのキャリアステップを歩み始めましょう!
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