
転職活動を進めている方の中には、企業から「リファレンスチェックを実施します」と伝えられた方もいるのではないでしょうか。
リファレンスチェックとは、応募者の前職での勤務状況や仕事ぶり、人柄などについて、上司や同僚といった関係者に確認することです。
リファレンスチェックと聞くと、「前職の会社に連絡されるのは不安」や「何を聞かれるのか分からない」「リファレンスチェックで評価が悪かったら不採用になるのでは」と、身構えてしまう人もいるでしょう。
そこで、本記事ではリファレンスチェックの主な流れと転職活動への影響を解説します。
この記事を参考に、リファレンスチェックへの理解を深め、落ち着いて転職活動に臨みましょう。

リファレンスチェックとは?

リファレンスチェックとは、採用企業が応募者の前職や現職の上司・同僚などに話を聞き、応募者の勤務実績や仕事ぶり、人柄などを確認する採用選考のプロセスです。
エンワールド・ジャパン株式会社によると、2021年時点で中途採用でリファレンスチェックしている企業の割合は、以下のとおりでした。
| はい | いいえ | 実施しているか知らない・わからない | |
| 全体 | 41% | 52% | 7% |
| 外資系企業 | 58% | 39% | 3% |
| 日系企業 | 23% | 66% | 11% |
参照元:中途採用の『リファレンスチェック』実施率 外資系企業 58%、日系企業23% 7割が「採用判断に影響」|エンワールド・ジャパン株式会社
企業がリファレンスチェックを実施する最大の理由は、採用のミスマッチを防ぐことです。
企業は、履歴書や職務経歴書、面接などを通じて応募者を評価します。
しかし、書類や面接だけでは、実際の職場でどのように仕事していたのか、周囲とどのように関わっていたのかまで把握することは容易ではありません。
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実際に、株式会社企業調査センターでは、2025年の上半期に採用後の経歴詐称が発覚したことによる調査依頼は4,500件とされています。
そこで、企業はリファレンスチェックを通じて以下のようなことを確認し、応募者の働き方や人柄についてより具体的な情報を取得しています。
リファレンスチェックの主な確認項目
- 在籍期間
- 役職担当業務
- 仕事上の実績
- 勤務態度
- コミュニケーション能力
- 強み・弱み
- 仕事の進め方
- 転職先との適性
在籍期間
リファレンスチェックでは、応募者が前職や過去の勤務先にいつからいつまで在籍していたのかを確認しています。
具体的には、入社日や退職日だけでなく、所属していた部署や在籍時期などについて、応募書類に記載された経歴と実際の勤務状況に違いがないかを確認しています。
さらに、職歴の基本的な事実関係が正確であるか、在籍期間に大きな相違がないかなどもリファレンスチェックにおいて重要なポイントです。
役職担当業務
リファレンスチェックでは、前職でどのようなポジションに就き、実際にどのような仕事を担当していたのかを確認します。
一例として、管理職として何人程度のメンバーをマネジメントしていたかや営業担当としてどのような顧客を担当していたかなど、職務経歴書だけでは分かりにくい具体的な業務内容を尋ねます。
さらに、記載された役職や担当業務が実際の職務内容と一致しているか、応募先で求められる経験につながる業務を担っているかなどもチェックするべきポイントです。
仕事上の実績
リファレンスチェックでは、応募者が前職でどのような成果を上げ、組織やチームにどの程度貢献したのかを確認しています。
一例として、売上目標の達成状況や担当したプロジェクトの成果、業務改善への貢献など、応募者本人がアピールした実績について第三者からの評価をチェックしています。
また、実績の内容や規模が実際のものと一致しているか、本人が担った役割と成果との関係が明確になっているかなどもリファレンスチェックで確認する項目です。
勤務態度
リファレンスチェックでは、応募者が日頃どのような姿勢で仕事に取り組んでいたのかを確認します。
一例として、責任を持って業務を遂行していたかや期限や社内ルールを守っていたか、指示された仕事にどのように対応していたかなどをチェックしています。
さらに、安定して業務を遂行できていたかや仕事に対して責任感を持って取り組んでいたか、職場で継続的に信頼を得ていたかなどもチェックポイントです。
コミュニケーション能力
リファレンスチェックでは、応募者が上司や同僚、部下、取引先などとどのように関係を築きながら仕事していたのかを確認しています。
リファレンスチェックは単に「話すことが得意か」を見るのではなく、相手の意見を聞く力や情報を正確に共有する力、必要な場面で周囲と連携する力などをチェックしています。
さらに、相手や状況に応じて適切なやり取りができていたか、チームで業務を進めるうえで周囲と円滑に連携できていたかなどもリファレンスチェックで確認するポイントです。
強み・弱み
リファレンスチェックでは、応募者本人だけではなく、実際に一緒に働いていた人から見た長所や課題を確認します。
一例として、専門知識が豊富、周囲を巻き込むことが得意、責任感が強いといった強みに加えて、慎重になりすぎる、仕事を抱え込みやすいなどの改善点を明確にします。
さらに、本人が認識している特徴と周囲から見た評価に大きな違いがないか、応募先の仕事で強みを活かせるかなどもリファレンスチェックで確認する項目です。
仕事の進め方
リファレンスチェックでは、応募者が与えられた業務をどのような方法や考え方で進めていたのかを確認します。
具体的には、自分で優先順位を決めて行動できるか、問題が起きたときにどのように対処するか、周囲に相談しながら仕事を進めるタイプなのかなどを確認しています。
さらに、応募先の業務に求められる進め方とこれまでの仕事のスタイルが合っているか、環境が変わっても一定の成果を出せる可能性があるかなども確認ポイントです。
転職先との適性
リファレンスチェックでは、応募者のこれまでの仕事ぶりや能力が応募先のポジションや職場環境に合っているかを確認します。
一例として、チームで進める仕事に向いているかや裁量の大きい環境でも主体的に動けるか、マネジメントを任せられる人物かなどの質問を通じ、応募先で活躍できる可能性を見極めています。
さらに、応募者の経験や特性が募集ポジションで求められる人物像と合っているか、入社後に期待される役割を担えるかなども確認する項目です。
リファレンスチェック以外にも、転職活動でよく使われるものの意味が曖昧になりやすい用語について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。



リファレンスチェックの流れ

リファレンスチェックは企業によって手法が異なりますが、共通していることもあります。
そこで、ここからはリファレンスチェックの主な流れを5つのステップにわけて紹介します。
リファレンスチェックの進め方について転職活動のプロに確認したい方は、以下のようなサービスをご利用ください。

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転職先の企業からリファレンスチェックの説明を受ける
リファレンスチェックは、応募者本人へ知らせずに実施されるわけではありません。
転職先の企業から実施方法や確認内容について説明を受けるところから始まります。
リファレンスチェックの手法は、電話やオンライン面談、専用のWebサービスなど多種多様です。
さらに、推薦者の人数や確認する項目、実施するタイミングなども異なります。
リファレンスチェックの説明を受けるときは、手段だけでなく、リファレンスチェックが選考のどの段階で実施され、結果が採用判断にどのように扱われるのかも確認しましょう。
リファレンス先を決める
企業から説明を受けた後は、実際にリファレンスチェックを受けてもらう人を決めます。
一般的には、前職や現職で一緒に働いた上司や同僚など、応募者の仕事内容や実績、勤務態度を具体的に説明できる人物がリファレンスチェックの候補者です。
リファレンス先を決めるときは、単に親しい人を選ぶのではなく、前項で紹介した確認項目について、実際の仕事ぶりを把握している人を選定しましょう。
推薦者に協力を依頼する
リファレンス先を決めたら、企業へ推薦者の情報を伝える前に、推薦者本人へ協力を依頼します。
推薦者には、転職活動していることや応募先の企業・ポジション、企業から連絡が入る時期などを事前に説明し、リファレンスチェックへの協力について了承を得ておきましょう。
また、推薦者が回答しやすいように、これまで担当していた業務や実績などの情報をあらかじめ共有しておきましょう。
企業が推薦者にヒアリングする
推薦者から了承を得た後は、転職先の企業が推薦者に連絡し、応募者の勤務状況や仕事ぶりについてヒアリングを開始します。
具体的には、在籍期間や役職、担当業務、実績、勤務態度、コミュニケーション能力、強み・弱みなど、前項で紹介した確認項目について質問されます。
企業が推薦者にヒアリングするときは、企業が応募者本人から得た情報と推薦者から得た情報を照らし合わせ、経歴や実績、人物像などに大きな相違がないかを確認しましょう。
推薦者から得た情報をもとに適性を判断する
ヒアリングが終わると、企業は推薦者から得た情報を、応募書類や面接で確認した内容などと合わせて、応募者が募集ポジションに適しているかを判断します。
一例として、本人がアピールした強みが実際の職場でも発揮されているか、これまでの経験や仕事の進め方が入社後に求められる役割と合っているかなどを企業は確認します。
企業は、リファレンスチェックだけで採否を判断するとは限りません。
面接やスキル、経験なども含めて総合的に評価されることを意識しましょう。
リファレンスチェックするときの心構え【5つ】

リファレンスチェックは、決して身構えなければならないものではありません。
事前に必要なことを確認・準備しておくことで、落ち着いて対応できます。
そこで、ここからはリファレンスチェックするときの心構えを5つ紹介します。
応募書類や面接で伝えた内容を確認する
| 応募書類や面接で伝えた内容は、必ずリファレンスチェックが始まる前に確認しておきましょう。
リファレンスチェックでは、在籍期間や担当業務、実績などについて、応募者が伝えた内容と推薦者から得た情報に大きな違いがないかを確認しています。
職歴や役職、具体的な実績などは記憶だけに頼らず、履歴書や職務経歴書を見直して、説明に食い違いがないかチェックしましょう。
推薦者には事前にきちんと説明する
| リファレンスチェックを依頼する推薦者には、転職活動の状況や応募先企業について事前にきちんと説明しておきましょう。
推薦者が応募する企業や仕事内容を理解していれば、これまでの仕事ぶりや実績について、より具体的な内容を回答してもらいやすくなります。
リファレンスチェックを依頼するときは、応募先企業の名前やポジション、リファレンスチェックの実施時期など、確認される可能性がある項目などを共有し、回答してほしい内容を整理しておきましょう。
いい評価をもらうことに拘りすぎない
| リファレンスチェックでは推薦者から必ず高い評価をもらおうと考えすぎず、普段の仕事ぶりを正確に伝えてもらうことを意識しましょう。
リファレンスチェックは、応募者の良いところだけを確認するためのものではありません。
強みや弱み、仕事の進め方などを第三者の視点から把握する目的もあります。
推薦者には「良いことだけを話してほしい」と頼むのではなく、自分が担当した業務や成果を簡単に振り返り、率直に回答することをお願いしましょう。
転職活動していることを知られたくない場合は素直に応募先企業へ伝える
| リファレンスチェックを通じて現在の勤務先に転職活動していることを知られたくない場合は、その事情を応募先企業へ素直に伝えましょう。
リファレンスチェックでは、推薦者として現在の上司や同僚を指定することもあります。
しかし、転職活動が現職の企業へ知られることで、職場での立場に影響が出る恐れもあります。
現職への連絡を避けたい場合は、前職の上司や同僚など別の推薦者を選べるか相談し、企業側と実施方法を確認したうえで無理のない形で進めましょう。
わからないことは事前に確認する
| リファレンスチェックについて疑問や不安がある場合は、わからないまま進めず、事前に応募先企業へ確認しましょう。
企業によって、実施するタイミングや推薦者の人数、確認する項目、連絡方法などが異なります。
そのため、企業からの案内だけでは判断できないこともあります。
「いつ実施するのか」や「現職以外の推薦者でもよいのか」など、気になる点をあらかじめ質問することで、落ち着いてリファレンスチェックに対応できるようにしましょう。
リファレンスチェックに関するQ&A【5つ】

リファレンスチェックは、すべての企業が実施しているわけではありません。
そのため、リファレンスチェックについてうまくイメージできていない方もいます。
そこで、ここからはリファレンスチェックでよくある質問をQ&A方式で5つ紹介します。
リファレンスチェックは内定獲得後にも実施される?
内定獲得後にリファレンスチェックを実施する企業も少なくありません。
リファレンスチェックは最終面接前などの選考途中だけでなく、内定を出した後に経歴や勤務実績などを最終確認する目的で実施することもあります。
内定が出たからといって必ずリファレンスチェックがないと油断せず、実施時期や確認内容を確認したうえでスムーズに対応できるようにしましょう。
リファレンスチェックが始まってから終わるまでどのくらいかかる?
一般的に。リファレンスチェックは、始まってから数日程度で完了します。
推薦者への連絡やヒアリング方法によって前後しますが、オンラインで回答する形式であれば比較的短期間で終わります。
なお、推薦者との日程調整に時間がかかったり、複数人への確認が必要だったりすると、完了まで1週間程度かかるため、企業から案内された期限を必ず確認しましょう。
リファレンスチェックすることは求人票や企業の公式採用ページなどに記載されている?
リファレンスチェックの有無については、求人票や企業の公式採用ページに必ず記載されているとは限りません。
企業によっては選考フローや採用条件のひとつとしてリファレンスチェックすることを事前に明記していますが、選考が進んだ段階で実施を案内する企業も少なくありません。
求人票などに記載がないからといってリファレンスチェックが実施されないとは限らないため、選考中に企業から案内を受けた場合は、実施時期や確認内容を確認しておきましょう。
リファレンスチェックは拒否できる?
リファレンスチェックは、企業に相談したうえで拒否することもできます。
なお、企業が採用判断のために実施している場合、拒否したことで選考に影響する恐れもあります。
そのため、単純に断るのではなく、難しい理由を必ず説明しましょう。
とくに、現職に転職活動を知られたくない場合は前職の上司や同僚を推薦者にするなど、別の方法で対応できないか応募先企業へ相談してみましょう。
リファレンスチェックの結果は本人に知らされる?
一般的に、リファレンスチェックの結果は、企業から応募者本人に詳しく知らされません。
企業は推薦者から得た情報を採用判断の参考として利用しますが、どのような回答があったのかを応募者にそのまま共有するかどうかは、企業の方針によって異なります。
結果の取り扱いが気になる場合は、リファレンスチェックを実施する前に、結果を本人へ通知するのか、どのように選考へ反映するのかを応募先企業へ確認しておきましょう。

ーまとめー
リファレンスチェックを乗り越えて理想のキャリアを実現させよう!

今回は、リファレンスチェックの主な流れと転職活動への影響を解説しました。
リファレンスチェックと聞くと、必要以上に恐れてしまう方も少なくありません。
しかし、リファレンスチェックはあくまでも企業が書類や面接だけでは分からない応募者の仕事ぶりや人柄を確認し、入社後のミスマッチを減らすための採用手法です。
リファレンスチェックを必要以上に恐れるのではなく、「これまでの経験や仕事ぶりを第三者から確認してもらう機会」と捉えることで、落ち着いて対応できるようにしましょう!
また、リファレンスチェックを含めた転職活動の悩みについて転職活動の専門家へ相談したい方は、以下のようなサービスをご利用ください。
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まとめ
リファレンスチェックを乗り越えて理想のキャリアを実現させよう!

今回は、リファレンスチェックの主な流れと転職活動への影響を解説しました。
リファレンスチェックと聞くと、必要以上に恐れてしまう方も少なくありません。
しかし、リファレンスチェックはあくまでも企業が書類や面接だけでは分からない応募者の仕事ぶりや人柄を確認し、入社後のミスマッチを減らすための採用手法です。
リファレンスチェックを必要以上に恐れるのではなく、「これまでの経験や仕事ぶりを第三者から確認してもらう機会」と捉えることで、落ち着いて対応できるようにしましょう!
また、リファレンスチェックを含めた転職活動の悩みについて転職活動の専門家へ相談したい方は、以下のようなサービスをご利用ください。
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