ワークライフバランスとは？就活で失敗しないための基礎知識

ワークライフバランスとは、仕事と私生活の両方を充実させ、無理なく両立できる働き方のことです。

働き方改革や価値観の多様化にともない、就活におけるワークライフバランスの需要が高まっています。

その一方でワークライフバランスについて、正確に理解していないという方も少なくありません。

そこで、本記事ではワークライフバランスの概要やワークライフバランスを重視している企業の施策などを解説します。

ワークライフバランスとは？

  ワークライフバランスとは、仕事（ワーク）と私生活（ライフ）をどちらも大切にし、バランスよく両立させることです。

厚生労働省によると、ワークライフバランスは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」を目的としているとされています。

ワークライフバランスという言葉は、以下のように勘違いされることがあります。

ワークライフバランスは、私生活に充てられる時間が長くなることだけではありません。

仕事によりやりがいや達成感などを得られることも重視されています。

また、年齢や性別、価値観などによりワークライフバランスへの考え方は異なります。

株式会社マイナビによると、年齢ごとのワークライフバランスへの意識は、以下のとおりでした。

就活でワークライフバランスが注目されている理由【3つ】

ワークライフバランスは、企業・就活生ともに注目しています。

ここからは、就活でワークライフバランスが注目されている理由を3つ紹介します。

近年、テレワークやフレックスタイム制度が普及し、働き方が多様化しました。

それにより、ワークライフバランスが注目されはじめています。

  具体的に就活生は、さまざまな企業の中から入社後にどのように働くかという視点で企業を選ぶようになりました。

また、プライベートと仕事の両立が自分らしいキャリア形成につながると考える人も増えています。

厚生労働省によると、2020年時点で1,240万世帯が共働き世帯とされています。

近年、SDGsでジェンダー平等が目標として掲げられたことなどの要因により、女性の社会進出が進んでいます。

  それにともない、結婚や出産後も働き続けたいと考える女性が増えたため、働きやすい環境が求められるようになりました。

また、企業側も多様な人材を活かすため、柔軟な働き方の整備を進めています。

これらの要因から、将来のライフイベントを見据えた企業選びが重要視されています。

厚生労働省は、2020年時点で65歳以上の割合は約29%と1990年の12%よりも大幅に増加したことを報告しています。

  少子高齢化が深刻化したことにより労働人口が減少したため、ひとりひとりが長く働き続けられる環境の整備が求められるようになりました。

また、定着率向上や離職防止のために、働きやすさを重視する企業が増えました。

その結果、就活生も安定して働ける職場かどうかを基準に企業を選ぶ傾向が強まっています。

就活でワークライフバランスを重視するメリット【3つ】

就職の軸は、人によって異なります。

就活の軸を定めている方の中には、ワークライフバランスを重視しているという方も少なくないでしょう。

そこで、ここからは就活でワークライフバランスを重視するメリットを3つ紹介します。

 就活でワークライフバランスを重視すると、仕事やプライベートへの満足度が高まります。

自分に合った働き方ができることで、ストレスが軽減され心にゆとりが生まれます。

それにともない、生活と仕事のどちらも真摯に向き合えるため、モチベーションを維持しやすくなるでしょう。

その結果、長期的に充実感を持って働けるようになります。

 就活でワークライフバランスを重視すると、心身の健康を保ちやすくなります。

仕事にのめり込みすぎると、精神的・身体的疲労が積み重なってしまいます。

適度な労働時間と十分な休息を確保することで、疲労やストレスの蓄積を防げるでしょう。

また、プライベートの時間を充実させることで、仕事のパフォーマンスを向上させられます。

 就活でワークライフバランスを重視すると、資格取得やスキルアップの時間を確保しやすくなります。

実務経験を積み重ねることで得られる知識やスキルもあります。

しかし、市場価値を高めるためには、資格取得や個人でのスキルアップも欠かせません。

仕事が忙しいと、資格取得やスキルアップなどの時間を設けられなくなります。

業務後や休日にゆとりがあることで、自発的な学びに取り組む余裕が生まれます。

ワークライフバランス実現のために企業が実施している施策【7つ】

企業は、ワークライフバランスを実現するためにさまざまな施策を講じています。

ここからは、ワークライフバランス実現のために企業が実施している施策の具体例を7つ紹介します。

  フレックスタイム制度とは、始業や終業の時間を社員が自由に決められる制度です。

決まった「コアタイム」以外は出退勤を自分で調整できるため、柔軟な働き方が期待できます。

また、通勤ラッシュを避けたり、家庭の予定に合わせたりできることもフレックスタイム制度の魅力です。

フレックスタイム制度により仕事と私生活を無理なく両立できる環境を整えることで、ワークライフバランスを充実させられます。

フレックスタイム制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

  テレワーク・リモートワークとは、自宅やカフェなど会社以外の場所で仕事することです。

インターネット環境があればオフィスに通わずに仕事ができるため、通勤時間を削減できます。

それにより、家事や育児との両立がしやすくなり、時間を柔軟に使えるようになるでしょう。

また、仕事と生活の境界を自分で調整することで、ワークライフバランスを充実させられます。

  育児・介護支援制度とは、子育てや家族の介護と仕事を両立しやすくするための制度です。

育児休業や介護休暇、短時間勤務など多様な働き方が選べるようになります。

そのため、家庭の事情に合わせて無理なく働ける環境を整えられるでしょう。

  有給休暇の取得促進とは、社員が計画的に休暇を取りやすくするための取り組みです。

一例として、計画年休制度や有給取得推奨日などを導入しています。

積極的に有給を取得することで、社員は心身をリフレッシュし、仕事だけでなくプライベートも充実させられるでしょう。

有給取得のポイントについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

  残業削減への取り組みとは、社員の労働時間を適正に管理し、無駄な残業を減らすための取り組みです。

一例として、ノー残業デーを設定したり、業務自動化ツールなどにより効率化を図ったりしています。

残業を削減することで、仕事と私生活の調和が取りやすくなり、ワークライフバランスを改善できます。

  副業・兼業の容認とは、社員が本業以外で収入を得ることを許可するための取り組みです。

近年は、副業や兼業などにより収入源を増やしたり、新しい経験を積んだりする人が増えています。

企業が副業や兼業を許可することで、仕事の幅を広げながらもプライベートとのバランスを取りやすくなります。

  健康経営の推進とは、社員の心身の健康維持を企業が積極的に支援する取り組みです。

一例として、メンタルヘルス対策や健康診断の充実、運動促進プログラムの導入などが挙げられます。

健康な状態を保つことで、仕事のパフォーマンスが向上し、疲労やストレスも軽減できるでしょう。

ワークライフバランスに力を入れている企業を見分ける方法【5つ】

企業がどれだけワークライフバランスに力を入れているかは、求人情報で施策を確認すること以外でも判断できます。

ここからは、ワークライフバランスに力を入れている企業を見分ける方法を5つ紹介します。

  | ワークライフバランスに力を入れている企業を見分けたい方は、企業説明会や面接を積極的に活用しましょう。

企業説明会では、制度の紹介だけでなく、社員の働き方や職場の雰囲気について具体的に説明しています。

また、面接では逆質問の時間を利用して、実際の残業時間や休暇の取りやすさを確認することも可能です。

こうした採用担当者との直接のコミュニケーションは、Web上の情報だけではわからない企業の本音を知る貴重な機会になります。

  | ワークライフバランスに力を入れている企業を見分けたい方は、企業の公式WebサイトやSNSを確認しましょう。

企業の公式WebサイトやSNSで制度や取り組みを具体的に掲載している企業は、実際に働きやすさを重視している傾向があります。

また、社内イベントや社員インタビューを通じて、職場の雰囲気や価値観も把握できます。

このように、企業の公式WebサイトやSNSは日々の情報発信から企業の姿勢や文化が読み取れるため、見極めの参考として非常に有効です。

  | ワークライフバランスに力を入れている企業を見分けたい方は、就職口コミサイトを活用して情報を集めましょう。

就職口コミサイトには、実際に働いている社員や元社員の声が掲載されています。

そのため、企業の公式サイトや求人票だけではわからない制度の運用実態や、職場の雰囲気などを把握できるでしょう。

このように、就職口コミサイトなどの匿名性の高い口コミからは、企業の本音や問題点にも気づけるため、判断材料として有効です。

  | ワークライフバランスに力を入れている企業を見分けたい方は、OB・OG訪問を活用しましょう。

実際に働いている先輩からは、制度の使いやすさなど、リアルな情報を得られます。

また、配属部署による働き方の違いや、職場の人間関係といった内部事情も具体的に把握できます。

OBOG訪問は専用サイトやキャリアセンターなどで申し込めるため、積極的に活用してください。

OBOG訪問について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

  | ワークライフバランスに力を入れている企業を見分けたい方は、就職エージェントを活用しましょう。

エージェントは多数の企業情報を把握しており、求人票だけでは分からない内部事情も教えてくれます。

また、実際の残業時間や休暇取得率など、数値データに基づいたアドバイスを受けられるでしょう。

さらに、自分の希望条件に合った企業を客観的に紹介してくれるため、効率的に見極められます。

就職エージェントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

就活のプロからアドバイスをもらいたい方は、「リクスタ」をご利用ください。

また、転職活動でお悩みの方は、以下のサービスをご検討ください。

就活の企業選びで確認すべきこと【7つ】

企業選びでは、ワークライフバランス以外にも注目する必要があります。

ここからは、就活における企業選びで確認すべきことを7つ紹介します。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、仕事内容をしっかり確認しましょう。

業種や職種が同じでも、企業によって具体的な業務内容や求められるスキルは大きく異なります。

一例として、営業職であれば以下のようにわかれることがあります。

自分の興味や強みに合った仕事でないと、入社後にギャップを感じます。

仕事内容を理解し、面接時に説得力のある志望動機を伝えられるようになりましょう。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、企業理念を必ず確認しましょう。

企業理念は、その会社がどのような価値観や目的を大切にしているかを示す重要な指針です。

企業理念が自分の考えや将来の目標と一致していると、長くやりがいを持って働けます。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、社風を確認しましょう。

社風とは、職場の雰囲気や人間関係、価値観など、企業の文化や空気感のことです。

自分に合わない社風の会社に入ると、どんなに待遇が良くても働きにくさを感じます。

居心地のいい職場環境を選び、ストレスの軽減や定着率の向上を目指しましょう。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、評価制度を確認しましょう。

曖昧な評価制度のまま働くと、不満やモチベーションの低下を招きかねません。

どのような基準で成果が認められるかを把握することで、自分の努力が正当に評価される環境かがわかります。

また、明確で公平な評価制度が整っている企業で働くことで、成長意欲を持ちやすくなり、長期的に働けるでしょう。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、企業の成長性を確認しましょう。

成長性の高い企業は、新しい事業への参画や昇給・昇格が狙いやすくなります。

とくに、20代から管理職などを狙いたい方にとって、昇進のチャンスが増えることは、大きなメリットといえるでしょう。

また、事業内容や業績の推移、市場での立ち位置を把握することで、安心して働ける企業かを見極められます。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、待遇面や福利厚生を確認しましょう。

充実した福利厚生がある企業は、社員の満足度や定着率が高くなる傾向があります。

また、給与や賞与などの金銭面だけでなく、休暇制度や健康支援なども長く働くうえで重要な要素です。

生活の安定や働きやすさなどを考慮しながらエントリーする企業を選びましょう。

  | 就活でエントリーする企業を選ぶときは、社会的責任やSDGsへの取り組みを確認しましょう。

社会的責任やSDGsへの取り組みに対して前向きな企業は、社会的な信頼を得やすい傾向があります。

社会的な信頼性が高い企業を選ぶことで、長期的に安定して働けるでしょう。