
食品衛生責任者とは、飲食店や食品関連事業で衛生管理を担う資格です。
法律に基づき設置が義務付けられています。
本記事では、食品衛生責任者の仕事内容や資格取得の流れなどを解説します。
この記事を参考に、食品衛生責任者への理解を深め、生鮮業界におけるキャリアの幅を広げましょう。

食品衛生責任者とは?

食品衛生責任者とは、飲食店や食品製造業などの営業施設において、衛生管理を担う責任者です。
食品衛生法に基づき、施設ごとに選任が義務付けられています。
食品衛生責任者の資格は、食品業界での安全管理能力の証明で、保有していると昇進や転職で有利になります。
食品衛生管理者との違い
食品衛生管理者とは、特定の食品製造業で義務付けられた国家資格者です。
食品の衛生や品質を専門的に管理する責任が求められます。
食品衛生責任者と食品衛生管理者は、いずれも食品の安全管理に関わる役職です。
しかし、役割や配置基準が異なります。
食品衛生責任者は、飲食店や食品販売業などの営業施設に1名以上の配置が義務付けられ、主に衛生管理や従業員教育を担当します。
一方、食品衛生管理者は、食品製造業の特定業種で必要とされ、国家資格を持つ専門職で高度な衛生管理や品質管理が必要です。
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食品衛生責任者の仕事内容【5つ】


食品衛生責任者がどのようなことをしているかわからない。
という方のために、食品衛生責任者の仕事内容を5つ紹介します。
衛生管理計画の策定と実施
店舗や施設内での衛生管理基準を設定し、適切に実行することは、食品衛生責任者の仕事のひとつです。
衛生管理計画には、作業場の清掃や消毒、温度管理などが含まれており、衛生管理計画にもとづき従業員への指導やチェックリストを作成して管理します。
これにより、食品の衛生状態を維持し、食中毒や感染症を予防します。
衛生管理の点検と記録
食品衛生責任者の重要な業務のひとつが、衛生管理の点検と記録です。
施設内の清掃状況や調理器具の衛生状態、食品の保管方法、従業員の健康管理などを定期的に確認し、問題がないかをチェックします。
点検結果は随時記録し、必要に応じて改善策を講じることで、衛生基準を維持します。
衛生管理の記録は、保健所の監査時に提出しなければなりません。
そのため、正確かつ継続的に実施することが求められます。
衛生管理上の不備報告
食品衛生責任者は、衛生管理上の不備を発見した際に迅速に報告し、適切な対応を取る責任があります。
不適切な食品の取り扱いや設備の汚染、従業員の衛生管理の不備などを確認した場合は、経営者や関係部署に報告し、改善策を講じなければなりません。
衛生管理上の不備報告は、口頭だけでなく記録として残し、再発防止策を徹底することが重要です。
再発防止策を講じることにより、食中毒や衛生上のトラブルを未然に防げます。
従業員への衛生教育
食品衛生責任者は、従業員に対して衛生教育を実施し、食品の安全を確保する責任があります。
教育内容には、手洗いや消毒、衛生的な調理方法、食材の保管方法などが含まれます。
食品衛生責任者は、定期的な研修や指導を通じて、従業員に衛生意識を浸透させ、適切な作業環境を維持しなければなりません。
また、教育を通じて、衛生管理の徹底を図り、食中毒や衛生トラブルを防ぎます。
食品事故やクレームが発生した場合の対応
食品衛生責任者は、食品事故やクレームが発生した場合、速やかに原因を調査し、適切に対応しなければなりません。
具体的には、食品事故の発生状況を確認し、必要な報告書を作成するとともに、再発防止策を立案・実施します。
また、関係機関への報告や顧客への説明を担当し、信頼回復に努めます。
食品衛生責任者を取得するメリット【3つ】


食品衛生責任者を取得するには、費用や時間を要しますが、取得することによる魅力もいくつかあります。
ここからは、食品衛生責任者を取得するメリットを3つ紹介します。
衛生管理能力が高まる
食品衛生責任者の資格を取得することで、食品衛生法やHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に基づく衛生管理の知識を習得できます。
具体的には、養成講習会にて食中毒の予防や適切な保存方法、施設の衛生維持などの実践的な内容が学べます。
また、食品の取り扱いや衛生管理の基礎を理解することで、従業員への指導も的確になり、安全な食品を提供できるようになるでしょう。
法令を遵守して業務に取り組める
食品衛生責任者を取得すると、食品衛生法や関連する条例についての知識を習得できます。
とくに、養成講習会では、食品の取り扱い基準や衛生管理のポイント、違反時のリスクなどを学ぶため、食品関連の業務において適切な対応ができるようになるでしょう。
これにより、従業員への指導や衛生管理の徹底ができ、食品事故の防止や行政指導への対応もスムーズになります。
キャリアアップできる
食品衛生責任者の資格を取得すると、食品業界での専門知識と衛生管理能力を証明できます。
そのため、昇進や転職の際に有利になります。とくに、飲食店や食品製造業では、衛生管理の重要性が高いため、責任者としての役割を担うことで評価が向上するでしょう。
また、独立・開業を目指すときも、衛生管理の知識が店舗運営に役立ち、安全で信頼される事業の基盤を築けます。
食品衛生責任者を取得するまでの流れ


食品衛生責任者の養成講習会自体は、1日で終了します。
しかし、食品衛生責任者の資格を仕事へ活かすためには、養成講習会前後にやるべきことがあります。
具体的に食品衛生責任者は、以下の5つのステップが必要です。
受験資格の確認
一般的に、食品衛生責任者の資格を取得するのに特別な受験資格はありません。
年齢や学歴、職歴に関係なく誰でも受講可能です。
各都道府県の食品衛生協会が実施する食品衛生責任者養成講習を受講し、修了することで資格が取得できます。
なお自治体によっては、17歳未満は受験できないなどと決められていることもあるので、注意しましょう。
申し込み
食品衛生責任者の資格を取得するには、各都道府県の食品衛生協会が実施する養成講習会を受講しなければなりません。
養成講習会を申し込むためには、協会の公式ウェブサイトや窓口で申込書を入手し、必要事項を記入して提出しましょう。
申込書の提出方法は、郵送や窓口持参、オンラインフォームなど自治体によって異なります。
また、受講料は講習当日に現金で支払う場合や、事前振込が必要な場合があります。
詳細は各都道府県の食品衛生協会の公式サイトで確認してください。
養成講習会の受講
食品衛生責任者の養成講習会は、飲食店や食品関連事業の衛生管理を目的とした資格取得のためのプログラムです。
講習内容には、食品衛生法に基づく法律の基礎、公衆衛生学、食品衛生学の実践的な知識が含まれます。
講習は通常、約6時間の授業で構成され、合格後に資格が授与されます。
修了証の受領
食品衛生責任者の修了証は、養成講習会を終えた証明書であり、食品衛生責任者としての資格を示す重要な書類です。
通常、講習会終了後に交付されます。
修了証の形式は、自治体によって異なります。
修了証を紛失した場合や氏名変更がある場合は、食品衛生協会に再交付を申請しなければなりません。
修了証は、届出の際に必要なため、大切に保管しておきましょう。
営業許可の申請
飲食店や食品関連事業の営業許可を申請する際には、衛生責任者が講習を修了していることを証明する修了証が求められます。
食品衛生責任者を取得後に独立・開業を目指す方は、資金や資材の他に、保健所や食品衛生協会への営業許可申請も忘れないようにしましょう。
また、一般的に営業許可の有効期限は、5〜8年とされています。
期限が近づくと、保健所から更新の案内が届くため、期限内に更新手続きを済ませましょう。
食品衛生責任者の養成講習会が免除となる資格【8つ】


食品衛生責任者の養成講習会は、食品衛生に関する知識を既に有していると認められる特定の資格保持者に対して、受講が免除される場合があります。
具体的には、以下のような資格が免除対象です。
養成講習会が免除となる資格
- 調理師
- 製菓衛生師
- 栄養士
- 船舶料理士
- と畜場法に規定する衛生管理責任者
- と畜場法に規定する作業衛生責任者
- 食鳥処理衛生管理者
- 食衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たす資格


調理師
調理師は、飲食業界で専門的な調理技術や知識を持つことを証明する国家資格です。
食品の衛生管理や栄養バランス、調理法に関する知識を備え、安全で美味しい料理を提供する役割を担います。
資格を取得するには、調理師養成施設での修了または一定の実務経験を積んだうえで、調理師試験に合格しなければなりません。
調理師免許を取得すると、飲食業界での信頼度が高まり、キャリアアップにもつながります。
調理師免許について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。




製菓衛生師
製菓衛生師は、菓子製造に関する専門知識と技術を持ち、衛生管理の観点から安全な製品を提供できることを証明する国家資格です。
菓子作りの技術だけでなく、食品衛生や栄養、法律に関する知識も求められます。
製菓衛生師免許を取得するには、指定の養成施設を修了するか、一定の実務経験を経て試験に合格しなければなりません。
製菓衛生師免許を保有することで、菓子業界での信頼性が向上し、独立開業やキャリアアップの機会が広がります。


栄養士
栄養士は、栄養学や食品の専門知識を活かし、健康的な食生活を支援する国家資格です。
主に学校や病院、福祉施設、企業の食堂などで、バランスの取れた献立の作成や栄養指導を担います。
栄養士の資格を取得するには、厚生労働大臣指定の養成施設で必要な課程を修了しなければなりません。
栄養士の資格を保有することで、食品業界や医療・福祉分野での就職が有利になり、管理栄養士へのキャリアアップの道も開かれます。


船舶料理士
船舶料理士は、船舶内での食事を安全かつ適切に提供するための専門資格です。
国土交通省が認定しています。
船舶料理士は、長期間の航海において、乗組員の健康維持に不可欠な栄養バランスの取れた食事を提供する役割を担います。
船舶料理士の資格を取得するには、調理の実務経験を積み、所定の講習を受講したうえで試験に合格しなければなりません。
船舶料理士の資格を取得すると、貨物船や漁船、客船などで船舶料理士として活躍できるようになります。


と畜場法に規定する衛生管理責任者
と畜場法に規定する衛生管理責任者は、と畜場や食肉処理場における衛生管理を統括する役割を担う資格です。
家畜のと畜や解体を適切に実施し、安全な食肉が供給されるために、衛生基準の遵守や施設の管理を担います。
と畜場法に規定する衛生管理責任者の資格を取得するには、獣医師や食品衛生に関する専門資格を保有しなければなりません。
と畜場法に規定する衛生管理責任者は、食肉業界において公衆衛生の確保と品質管理の重要な役割を果たします。


と畜場法に規定する作業衛生責任者
と畜場法に規定する作業衛生責任者は、と畜場や食肉処理場において作業の衛生管理を担当する資格です。
家畜のと畜や解体作業が適切に実施されるように、作業環境の衛生管理や従業員の衛生指導を担当し、安全な食肉の供給を確保します。
と畜場法に規定する作業衛生責任者の資格を取得するには、食品衛生やと畜に関する知識・経験が必要です。
と畜場法に規定する作業衛生責任者は、現場の衛生基準を維持し、公衆衛生の向上に貢献する重要な役割を担います。


食鳥処理衛生管理者
食鳥処理衛生管理者は、食鳥処理場において衛生管理を担当し、安全な食鳥肉の生産を確保するための資格です。
食鳥処理の各工程が適切に実施されるために、施設の衛生管理や従業員の指導を担当し、食中毒や感染症のリスクを防ぎます。
食鳥処理衛生管理者の資格を取得するには、厚生労働省が指定する講習を受講し、必要な知識を習得しなければなりません。
食鳥処理衛生管理者の資格を保有すると、食鳥処理業界において、公衆衛生の維持と品質管理の向上に貢献する重要な役割を担えます。


食衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たす資格
食品衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たす資格とは、食品の安全管理や衛生指導に必要な専門知識を持つと認められる資格のことです。
具体的には、獣医師や薬剤師、医師、歯科医師、食品衛生管理者、食品衛生監視員などが該当します。
食品衛生管理者または食品衛生監視員の資格要件を満たす資格を持つ者は、食品の製造や流通に関わる衛生管理業務を担当でき、食の安全確保や公衆衛生の維持に貢献する重要な役割を担います。
食品衛生責任者を取得する際の注意点【3つ】


食品衛生責任者は、取得条件が比較的寛容な反面、いくつか注意すべきことがあります。
ここからは、食品衛生責任者を取得する際の注意点を3つ紹介します。
自治体ごとのルールを確認する
食品衛生責任者の資格を取得する際は、自治体ごとのルールを確認しましょう。
講習会の開催日程や受講料、申し込み方法、更新の有無などが地域によって異なります。
一例として、一般社団法人東京都食品衛生協会の養成講習会を受講する場合は12,000円、公益社団法人 千葉市食品衛生協会では10,000円の受講料が必要です。
また、資格取得後も地域によっては定期的な実務講習の受講が義務付けられている場合があります。
食品衛生責任者の資格を取得する際は、最新の情報を各自治体の食品衛生協会や保健所の公式ウェブサイトで確認しましょう。
早めに申し込む
食品衛生責任者の講習会は、定員が限られており、人気のある地域ではすぐに満席になります。
食品衛生責任者の資格を取得する場合は、早めに申し込みましょう。
とくに、飲食店の開業を予定している場合、営業許可の申請に食品衛生責任者の資格が必要になるため、養成講習会の受講が遅れると、開業スケジュールにも影響を及ぼします。
また、自治体によっては開催頻度が限られているため、直前では希望する日程で受講できない可能性もあります。
修了証を紛失しないようにする
食品衛生責任者の修了証は、飲食店や食品関連事業の営業許可申請や、食品衛生責任者の設置届を提出する際に必要な書類です。
紛失すると再発行の手続きが必要となり、自治体によっては時間がかかる場合があります。
また、受講した講習会の記録が一定期間を過ぎると再発行が困難になることも少なくありません。
修了証は大切に保管し、紛失しないよう注意しましょう。
食品衛生責任者取得後のキャリア【3つ】


食品衛生責任者は、取得することがゴールではありません。
取得後に資格をどのように活かすかを考える必要があります。
ここからは、食品衛生責任者のキャリアの代表例を3つ紹介します。
食品衛生責任者が活躍できる業界のひとつである生鮮業界のキャリアについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。




飲食店や食品製造施設での衛生管理責任者
食品衛生責任者の資格を取得すると、飲食店や食品製造施設で衛生管理責任者として活躍することが可能です。
飲食店では、食材の適切な保管や調理環境の衛生維持、従業員の衛生教育などを担当し、安全な食品提供を支えます。
また、食品製造施設では、衛生管理の基準を守り、品質管理を徹底する役割を担います。
適切な衛生管理を実践することで、信頼される事業運営に貢献できます。
飲食店や食品製造施設(食品メーカー)について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。






独立・開業
食品衛生責任者の資格を取得すると、飲食店や食品関連事業の独立・開業が可能です。
飲食店の営業許可申請には、食品衛生責任者の設置が必要であり、資格を持つことでスムーズに手続きを進められます。
また、衛生管理の知識を活かして安全な店舗運営ができるため、信頼性の高い事業を展開できます。
開業後も適切な衛生対策を実施することで、顧客満足度を向上させられるでしょう。


食品衛生コンサルタント
食品衛生責任者の資格を取得すると、食品衛生コンサルタントとして活躍する道も開けます。
飲食店や食品製造業者に対し、衛生管理の指導や食品衛生法の遵守をサポートする役割を担います。
食品衛生のプロフェッショナルである食品衛生責任者は、HACCPの導入支援や衛生監査、従業員の教育などを担うため、安全に食品を提供する支援が可能です。


ーまとめー
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今回は、食品衛生責任者の仕事内容や資格取得の流れなどを解説しました。
食品衛生責任者の資格を活かし、生鮮業界でキャリアアップできます。
具体的には、スーパーマーケットや青果・鮮魚店などで、衛生管理の責任者として品質管理や安全基準の維持を担います。
生鮮業界を目指す方は、食品衛生責任者の取得を検討してみてください。
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まとめ
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今回は、食品衛生責任者の仕事内容や資格取得の流れなどを解説しました。
食品衛生責任者の資格を活かし、生鮮業界でキャリアアップできます。
具体的には、スーパーマーケットや青果・鮮魚店などで、衛生管理の責任者として品質管理や安全基準の維持を担います。
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