
OBOG訪問とは、出身校の卒業生を訪ねて仕事内容や業界について話を聞く活動です。
求人票や企業の公式サイトでは得られないリアルな情報を把握できる機会として、多くの就活生が活用しています。
その一方で、どのようにOBOG訪問を進めればいいかわからないという就活生も少なくないでしょう。
そこで、本記事ではOBOG訪問のアポ取りから当日の質問例などを解説します。
この記事を参考に、OBOG訪問の流れを把握し、キャリアの選択肢を広げましょう。

OBOG訪問とは?

OBOG訪問とは、大学や大学院などの卒業生(OB=Old Boy、OG=Old Girl)を訪ねて、就職活動に関する情報を直接聞く活動のことです。
卒業生が勤めている企業や業界のリアルな話を聞くことで、志望動機の具体化や企業理解を深めることを目的としています。
1990年代後半から、大学がキャリア支援を強化する中で、OBOGネットワークを活用する取り組みが制度化されています。
それにより、OBOG訪問は就活の一環として一般的になりました。
株式会社マイナビによると、2024年卒の24.1%がOBOG訪問を経験しています。
また、就活生1人あたり4.9人のOBOGを訪問しており、OBOG訪問経験者の73.8&がOBOGが所属している企業への選考を志望しています。
就活生にとってのOBOG訪問の主なメリットは、以下の5つです。
企業のリアルな情報を得られる
OBOG訪問では、実際に社会で活躍している人の話を聞けます。
現場で実際に働いている社員の声を聞くことで、業務の具体的な内容や一日の流れなどのリアルな情報を把握できるでしょう。
また、OBOG訪問は企業説明会やインターンシップなどのオフィシャルな場ではないため、
職場の雰囲気や人間関係に対する疑問を気軽に解消できます。
さらに、OBOG訪問は1対1などの少人数で実施するため、余裕を持って質疑応答できます。
志望動機に説得力が増す
OBOG訪問では、志望している業界や企業で働いている人の話を聞けます。
実際に働く人の話をもとに自分の関心や適性を言語化することで、企業への理解がより具体的になるでしょう。
また、その企業ならではの魅力や働き方など、共感したポイントを押さえておくことで、志望理由に深みが増します。
選考対策に役立つ
OBOG訪問では、就職活動を経験した先輩の話を聞けます。
就職活動の経験談を踏まえて選考対策を講じることで、選考を有利に進められます。
とくに、志望している企業の選考で聞かれた質問や評価されたポイントなどは、選考対策に役立つでしょう。
また、先輩のアドバイスをもとに企業ごとの傾向や特徴にそって準備することで、自信を持って本番に臨めます。
早期選考につながる
企業によっては、OBOG訪問を通じて熱意や相性を感じた学生に対し、早期選考を案内することがあります。
また、信頼できる社員からの紹介として、リファラル採用を受けられることもあります。
早期選考により就職活動を優位に進めたい方は、OBOG訪問を利用してみてください。
OBOG訪問同様、早期内定を狙えるインターンシップについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

視野が広がる
OBOG訪問は、業界を問わず幅広いキャリアの人と交流できます。
実際に働いている人の価値観やキャリアパスを聞くことで、自分の将来像について新たな気づきを得られるでしょう。
また、志望している業界や企業とは異なるキャリアの先輩から話を聞くことで、それまで興味がなかった業種や職種にも関心を持てます。
とくに、キャリアプランが定まっていない方は、OBOG訪問を通じて多様な働き方や考え方に触れることで、自分に本当に合った進路を見つけられるでしょう。
OBOG訪問の流れ

OBOG訪問に興味がある方の中には、どのようにOBOG訪問を利用すればいいかわからないという方も少なくないでしょう。
そこで、ここからはOBOG訪問の流れを5つのステップにわけて紹介します。
OBOG訪問を受け付けている人を探す
| OBOG訪問に参加するためには、OBOG訪問を受け付けている人を探しましょう。
OBOG訪問を受け付けている人は、以下のような方法で探せます。
OBOG訪問を受け付けている人を探す主な方法
- 大学のキャリアセンター
- OBOG訪問マッチングサイト
- 企業の採用ページ
- ゼミやサークル、部活
- SNS
なお、OBOG訪問の相手は、興味がある業界や企業に所属していれば誰でもいいというわけではありません。
自己分析し、自分に足りないものを明確にしたうえで参加しましょう。
とくに、大学のキャリアセンターやOBOG訪問マッチングサイトでは、OBOG訪問を受け付けている人の情報をまとめた資料を扱っている場合があります。
OBOG訪問を受け付けている人を選ぶときは、必ずそれらの資料に目を通しましょう。
アポを取る
| OBOG訪問の相手が決まったら、アポを取りましょう。
OBOG訪問は、メールや電話、メッセージツールなどさまざまな手段でアポを取れますが、どの手段を使ったとしても丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
また、アポ取りの段階でOBOG訪問の目的や聞きたい質問が決まっている方は、アポ取りのメッセージに記載してください。

具体例①
件名:OBOG訪問のお願い
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
突然のご連絡を失礼いたします。
〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇と申します。
大学のキャリアセンターを通じて、御社で活躍されている〇〇様のことを知り、ご連絡差し上げました。
現在、御社に大変興味を持っており、企業理解を深めたいと考えております。
もしご迷惑でなければ、30分ほどお時間をいただき、オンラインまたは対面にてお話を伺えないでしょうか。
ご都合のよい日時がありましたら、以下の候補日以外でもかまいませんので、ご調整いただけますと幸いです。
【候補日時】
・〇月〇日(〇)〇時〜
・〇月〇日(〇)〇時〜
・〇月〇日(〇)〇時〜
突然のお願いで恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

具体例②
件名:OBOG訪問のお願い
〇〇様
お世話になっております。
〇〇で〇〇様のプロフィールを拝見し、ご連絡いたしました。
〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇と申します。
現在、〇〇業界に関心を持ち、情報収集している段階です。
ぜひ〇〇様のキャリアやお仕事について直接お話を伺えればと思い、ご連絡いたしました。
ご多用のところ恐縮ですが、もし30分ほどお時間をいただけるようでしたら、以下の日程でご都合のよい時間帯をお知らせいただけますと幸いです。
【候補日】
・〇月〇日(〇)〇時〜
・〇月〇日(〇)〇時〜
・〇月〇日(〇)〇時〜
突然のご連絡となり恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
訪問する
アポ取りを終えたら、OBOG訪問当日を迎えます。
| 余裕をもってOBOG訪問に参加するためにも、予定している時間の5〜10分前には、現地へ到着したり、オンラインの接続テストを済ませたりしておきましょう。
また、質問攻めをしないようにするためにも会話のキャッチボールを意識しつつ、ネガティブな質問や失礼な態度は避けてください。
お礼メッセージを送る
| OBOG訪問を終えたら、お礼メッセージを送りましょう。
OBOG訪問のお礼メッセージは、遅くともOBOG訪問の翌日中に送るのがマナーです。
メッセージを送るときは、OBOG訪問当日に話したことを踏まえつつ、簡潔で丁寧な文面を意識しましょう。
また、今後も関係性を継続したいことを感じさせるような言葉も入れましょう。

具体例①
件名:OBOG訪問のお礼
〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇と申します。
本日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴しまして誠にありがとうございました。
業務内容や職場の雰囲気について詳細にご教示いただき、大変参考になりました。
とくに、〇〇についてのお話は、今後の志望動機を深めるうえで非常に有益でした。
いただいたご助言を踏まえ、一層努力してまいります。
今後ともご指導のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。

具体例②
件名:OBOG訪問のお礼
〇〇様
お世話になっております。
〇〇大学〇〇学部〇年の〇〇と申します。
この度は、お話を伺う機会をいただきまして誠にありがとうございました。
貴重なご経験や企業文化について詳しくご説明いただき、大変勉強になりました。
今後の就職活動において、いただいたご助言を活かしてまいります。
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
まずはメールにて御礼申し上げます。
訪問内容を振り返る
OBOG訪問は、当日の訪問だけでなく振り返りも重要です。
訪問内容をもとに志望動機や自己PRを考えると、説得力が高まります。

志望動機の具体例①
私は、OBOG訪問で伺った貴社のチームワークのよさに強く共感いたしました。
とくに、御社に勤めている〇〇様がお話しされた通り、社員同士が互いに支え合いながら成果を追求している環境に魅力を感じました。
私も学生時代のグループ活動で協力しながら課題を達成した経験があります。
その経験を活かして貴社で貢献したいと考え志望いたしました。

志望動機の具体例②
私は、OBOG訪問で伺った貴社の業務内容やスキルアップの仕組みが魅力的でした。
とくに、若手にも早い段階から重要なプロジェクトを任せる風土が、自身の成長につながると感じました。
私はこれまで挑戦を恐れず新しいことに取り組んできたため、貴社で主体的に業務に取り組み、成長したいと考え志望いたしました。

自己PRの具体例①
私は、OBOG訪問にて、御社に勤めている〇〇様から御社のチームワークのよさを伺いました。
そして、私の強みである協調性が御社で活かせると確信しました。
大学のゼミ活動では、メンバーの意見を尊重しながら全員が納得する形で課題を解決した経験があります。
この経験を活かし、御社でも円滑なコミュニケーションを通じてチームに貢献したいと考えております。

自己PRの具体例②
私は、御社に勤めている〇〇様とのOBOG訪問で、若手社員にも早期から重要な仕事が任される環境があることを知りました。
そして、自分の挑戦心が御社で活かせると感じました。
私は学生時代、新しいプロジェクトのリーダーを務め、未知の分野にも積極的に挑戦し成果を上げました。
御社でも積極的にチャレンジし、自ら成長を遂げながら貢献したいと考えております。
| 訪問から時間が経ってしまうと、訪問内容を忘れてしまうため、なるべくはやく振り返りましょう。
また、志望動機や自己PRを踏まえ、今後の行動計画も並行して立てましょう。
OBOG訪問で準備すべきアイテム【6選】

一般的にOBOG訪問は、持ち物を指定されることはありません。
しかし、OBOG訪問を充実させるためには、入念な準備が必要です。
ここからは、OBOG訪問で準備すべきアイテムを6つ紹介します。
メモ帳・筆記用具
| OBOG訪問に参加するときは、メモ帳・筆記用具を準備しましょう。
先輩社員から得た貴重な情報や気づきは、後から振り返るためにも記録しておく必要があります。
スマートフォンでのメモは、失礼に見えることもあるため、極力手書きでメモしましょう。
なお、オンラインで手元が見えない場合は、PCのドキュメントなどでも構いません。
企業・業界の基本情報資料
| OBOG訪問に参加するときは、企業・業界の基本情報資料を準備しましょう。
事前に企業や業界について調べておくことで、より実りある対話ができるでしょう。
また、企業・業界の基本情報資料を持参することは、相手に対して誠意や準備の姿勢を示すことにもつながります。
さらに、基礎的な情報を把握したうえで話を聞くことで、業界や企業への理解が深まります。
名刺
| 名刺がある方は、OBOG訪問に参加するときに持参しましょう。
自己紹介の際に名刺を渡すことで、相手に自分の名前や所属を明確に伝えられます。
また、ビジネスマナーの一環として名刺を交換することで、ビジネスマナーを理解していることをアピールできるでしょう。
さらに、名刺があると、訪問後に先方が連絡を取りやすくなり、先輩の関係も維持しやすくなります。
清潔感がある服装
| OBOG訪問に参加するときは、清潔感がある服装を意識しましょう。
「メラビアンの法則」が提唱されているとおり、第一印象は見た目で大きく左右されます。
そのため、相手に失礼のない身だしなみを整えることが重要です。
服装に気を配ることで、訪問に対する本気度や誠意が伝わりやすくなります。
また、ビジネスの場を想定した基本的なマナーとして、相手への敬意を示せます。
ビジネスシーンにふさわしい服装について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


時計
| OBOG訪問に参加するときは、時計を身につけましょう。
時間を意識しながら行動することで、訪問全体の流れをスムーズに進められます。
そのため、腕時計は、ビジネスシーンにおける必需品のひとつです。
とくに、ビジネスシーンでは、スマートフォンではなく腕時計で確認するほうが礼儀正しいとされています。
会話中にスマホを見て時間を確認すると、相手に不快感を与えるため、注意しましょう。
ビジネスシーンにふさわしい時計について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

履歴書・エントリーシート
| OBOG訪問に参加するときは、履歴書・エントリーシートを準備しましょう。
OBOG訪問で提出予定の書類を見てもらうことで、内容に対する具体的なアドバイスを受けられます。
実際に選考を経験した先輩からのフィードバックは、自分では気づけない改善点を教えてくれるでしょう。
また、書類を見せることで自分の志望度や準備状況が伝わり、より実践的な情報を引き出せます。
履歴書の作成方法などを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

OBOG訪問の質問例【5選】

OBOG訪問は、質問によって訪問内容の充実度が変わります。
しかし、どのような質問を聞けばいいかわからないという方もいるでしょう。
そこで、ここからは、OBOG訪問の質問例をつのカテゴリーに分類して説明します。
業務内容に関する質問
| OBOG訪問では、業務内容について質問してみましょう。
実際にどのような仕事をしているのかを把握することで、自分に合った職種かどうかを見極められます。
また、企業ホームページでは得られない具体的な仕事内容を聞くことで、志望動機にも説得力が増します。
質問例
- 1日の仕事の流れを教えていただけますか?
- 入社前後で仕事のイメージにギャップはありましたか?
企業の社風・職場環境に関する質問
| OBOG訪問では、企業の社風や職場環境について聞いてみましょう。
働くうえでの人間関係や雰囲気は、実際に入社してみないと分かりにくい部分でもあります。
リアルな声を直接聞くことで、自分に合った企業かどうかを見極めやすくなります。
質問例
- 若手社員でも意見を出しやすい雰囲気はありますか?
- 御社で働く中で感じる企業の特徴や文化は何ですか?
キャリアパスに関する質問
キャリアパスについて聞くことで、将来の働き方を具体的に描けます。
OBOG訪問では、実際に社会で活躍している先輩から話を聞けます。
実際に働いている方だからこそ語れる情報を得ることで、自分の知識やスキルがどのような役職や職種へ活かせるのかを見極められるでしょう。
また、長期的にその企業で働くイメージを持つために、キャリア形成の流れを理解しておくことは重要です。
質問例
- どのようなキャリアステップを描いていますか?
- 研修制度やスキルアップの支援について教えてください。
就活経験に関する質問
OBOG訪問では、相手の就活経験について聞くことで、自分の選考対策に役立つ実践的なヒントが得られます。
一例として、志望動機の伝え方やエントリー企業の選び方など、当時の工夫や反省点を聞くことで視野が広がるでしょう。
とくに、同じ業界や企業を志望していた先輩の体験談は、自分の立場と重ねて参考にできます。
質問例
- 選考で印象に残った質問やポイントはありますか?
- 就活時に他にどのような業界を検討していましたか?
待遇・働き方に関する質問
待遇や働き方の実情を知ることで、自分に合った企業を選びやすくなります。
しかし、OBOG訪問で待遇や働き方について質問する場合は、聞き方に注意しなければなりません。
給与や残業などデリケートな話題に触れる際は、言葉選びやタイミングを慎重に考えましょう。
質問例
- 残業や休日出勤の実情を差し支えない範囲で教えていただけますか?
- ワークライフバランスは取りやすいと感じますか?

ーまとめー
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今回は、本記事ではOBOG訪問のアポ取りから当日の質問例などを解説しました。
近年は、企業数が増えており、採用手法や求められている人物像も多種多様になっています。
選択肢が膨大になることで、理想的な就職先を探しやすくなった一方で、自分に合ったキャリアがわからないという方も少なくないでしょう。
自身のキャリアについて真剣に向き合いたい方は、OBOG訪問のリアルな情報を参考にしてみてはいかがですか?
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まとめ
就活の進め方でお悩みの方には「リクスタ」がおすすめ!

今回は、本記事ではOBOG訪問のアポ取りから当日の質問例などを解説しました。
近年は、企業数が増えており、採用手法や求められている人物像も多種多様になっています。
選択肢が膨大になることで、理想的な就職先を探しやすくなった一方で、自分に合ったキャリアがわからないという方も少なくないでしょう。
自身のキャリアについて真剣に向き合いたい方は、OBOG訪問のリアルな情報を参考にしてみてはいかがですか?
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